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蓮華 代宗伝奇  作者: 大畑柚僖
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天成地平節

六月一日、

青密節度使・能元皓は史朝義の将・李元遇と戦い、破れた。


江淮都統・李こうは、行うべき職務を正しく行わなかった罪を問われる事を畏れた。

劉展の乱の事である。

一度も戦わずに、逃げ回っていたからである。

そこで、罪を、浙西節度使の侯令儀に着せた。

侯令儀も、戦わず、部下に託して逃げていた。

どっちも、どっちであるが、まあ、嘘ではない。

六月二十三日、

侯令儀は、連座とされ、役人の名簿から名前を除かれ、官職、官位を取り上げられ辞めさせられた。

そして、康州に流刑とされた。


平盧兵馬使であった田神功は、劉展の乱の功労者として、開府儀同三司の役を加えられ、徐州刺史となった。


李こう、とう景山は、召集され、長安に帰って行った。


六月二十五日、

党項が、好じに侵入した。


秋、七月一日、

日蝕があった。

太陽を皆で見た。

試しに、少府監・李蔵用を浙西節度副使にしてみた。

八月一日、

開府儀同三司の李輔国に兵部尚書の役職が加えられた。


八月七日、

李輔国は、粛宗の下へ赴いた。

宰相、朝臣たちは、皆、送り出した。

御厨はお供え物を調え、太常寺は、音楽を提供するため楽団を備えた。

李輔国は、日ごと、驕り高ぶり、遂には、宰相の地位を求めた。

粛宗、いわく、

卿の功績をもってすれば、何の官職であれ、出来ないことはない。

朝廷での人望のごとく、いまだ、許され無いことがあろうか!

(心とは裏腹に、一応、相手の体面を考えての発言である。表立って、李輔国を怒らせるような事は、当然避けた。)

李輔国は、僕射・裴冕たちに、自分(李輔国)を宰相に推薦するように、ほのめかした。

こう云うことは、驕り高ぶった李輔国と云えども、さすがにはっきりとは言いにくいものである。

粛宗は、秘かに、蕭華に云った。

李輔国が、宰相になりたがっている。

もし、公卿たちが、表立って来て反対したならば、李輔国一人では宰相の地位は得られまい。

(皆で、反対しに来て欲しいと云うことか。)

蕭華は退出して、裴冕に聞いた。

裴冕、いわく、

こんな事は、初めてではありません。

我のやり方で、李輔国の願いを断ちます。

宰相には、させません。

蕭華は、部屋に入り、裴冕の言葉を伝えた。

粛宗は、大喜び。

裴冕の言葉通り、李輔国は宰相になれなかった。

李輔国の願いに対する、裴冕のその仕打ちに、李輔国は恨んだ。


八月十七日、

李光弼は、河南節度使の軍営に赴いた。

八月二十九日、

殿中監・李若幽が、鎮西、北庭興平、陳州、鄭州等の節度行営及び、河中節度使(李光弼の代理)になり、絳州を治めるようになった。

粛宗は、張通幽を連想しする“幽”の字が気になり、李若幽に、“国貞”と、名前を賜った。


九月三日、

粛宗は、景雲二年九月三日生まれなので、九月三日を“天成地平節”とした。

天成地平とは、“天地に災いがなく、すべての事象が平穏である事、”との意味である。

粛宗は、三殿に道場を置いた。

そして、女官を仏教での菩薩とし、菩薩の衣装を着せ、そのポーズをとらせた。

二人の武士を門の両側にいる金剛力士、金剛神とし、布を体に巻き付けさせ、目を見開き睨ませた。

そして、夜、大臣たちを招いて、周りを取り囲ませて、拝ませた。


九月二十一日、

ただ“皇帝”と称するのみで、他の尊号を取り除く詔を出した。

去年の号は、ただ元年と称した。

それによって、月を年の始めとした。

月は、皆、から数えて、名前とするようにした。

だから、十一月を子月、十二月を丑月と、云うように。

新しい年の初めの月は、寅月となる。

そこで、天下に恩赦を施した。

京兆、河南、太原、鳳翔の四京と、江陵、南都の号を使うのを止めさせた。

今から、五品以上を除く潔白である官吏、郞官(長官)、御史、刺史から代表を一人決め、その立ち居振る舞いを見て、順番を決めた。

江、淮地方が、大いにえた。

人がお互い食べた。




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