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蓮華 代宗伝奇  作者: 大畑柚僖
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忠王の想い

もう正月だね。

父上が、朝廷で、蓮を嫡皇孫とすると、発表するそうだ。

私には、荷が重いよ。

なんか、蓮を気にいって側に置くと、言っている。

杏は世話をするために、蓮と一緒にいられるけど、私は別の所に居なければならないみたい。

父上は、今は公表しないけど、そなたには言っておく、と言って、いろいろ話してくれた。

十王宅を作るんだって。

私は十王宅に住まなければならない。

蓮とそなたとは住めないみたい。

他の妃たちとは一緒だって。

会いにくるようにすればいい、と言われたけど、そんなの落ちつかないよ。

いつ、父上が来るかと思うと、仲良く出来ないよ。

嫌だなあ。

長安に帰る前に、蓮に兄弟を作らなきゃ。

どう思う?

返事に困ります。

でも、兄弟は要るだろう。

それはそうですけれど、

そなただって、陛下が急にきたら、嫌だろう。

なんか、誘導されている気がします。

考えといて、

わかりました。

杏が好きなのに、邪魔されている気がする。

仕方ないか、杏は陛下が下賜してくださったから、私の物になった。

そなたの体は私の物だからね。

杏の表情が強張った。

唇がきっと結ばれた。

目には涙がみちた。

わかっています。

私は殿下の持ち物です。

口に出しておっしゃらないでください。



でも、そなたはわかっている?

私の心は杏がもっているだろう。

体くらい、持たせてよ。

そうでないと、惨めだ。

私は顔に自信がないから、杏をどう繋ぎとめようか、悩むよ。

怒った?

ううん、でも夢からさめた。

上陽宮から出たら、長安に行ったら、現実が待っているって。

私にとって、やっぱりあの橋は夢橋だったのね。

私たちには、蓮がいる。

それだけで、幸せになれる。

杏は私が好きかい?

好きと、言ってよ。


そなたの体は私の物だからね。、

これだけは、言っておく。


殿下、顔の事ですけれど、殿下の顔、最初に会った時より、ずっといい顔になられました。

穏やかですし、暗さが取れたとおもいます。

蓮の成長と共に、ますます良くなるでしょう。

そなたは私が好きじゃないんだ。

そんなことを言って、誤魔化しているんだ。

だまされないからな。


杏は座っている忠王の側にきた、そして肩に手をおき、耳に顔をよせ、

好きですよ。

これでいい?

と、言った。

忠王の目が怒った。

でも、涙が浮かんだ。



すくっと立ちあがり、杏を乱暴に抱き上げ、寝室に向かった。

扉は閉めとけ!


杏の耳もとですごんだ。

覚悟しとけよ。

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