第二章 キセキ視点 同期
「あぁ、ソウボ君。今日も来てくれてたんだね。」
「あっ・・・・・、なんかいつもすいません・・・・・。」
「いや、いいんだいいんだ。いつも危なっかしいキセキを見張ってくれていて助かるよ。」
「なんか色々余計な言葉が混じってるんだけど・・・・・?」
「それよりも、海外から桃を取り寄せたんだけど、ケンボくんも一緒に食べる?」
「ご馳走様です!!」
父は発泡スチロールのケースを持って見舞いに来てくれた。ケースの外側には、明らかに外国の文字で宛名と届け先が書かれている。私とソウボはその紙を見ながら解読を始めた。そして父の次に病室に入って来た看護師さんが、「こちらで切りますよ」と言ってくれたので、父はケースを渡して椅子に座った。
父は最近の学校事情を話しながら、私とソウボの勉強具合を聞いた。ケンボも私と同じく、テレビ電話で授業の遅れを取り戻しているけど、ソウボの苦手科目である数学はだいぶ四苦八苦している。私は特に苦手な科目はないから、よくソウボの勉強を見ている。
ちなみに私、全国試験でいつも上位を独占してるけど、今回の全国試験にはさすがに参加できない。若干歯がゆいけど、勉強以外の事柄に目を向けて、良いリラックス期間として悠々自適に過ごしている。
私は体調変化ですぐ体を壊してしまうから、少しでも眠る時間が少なかったり、少しでも無理をしすぎると、めまいや頭痛に襲われる。特に試験期間は要注意。勉強はちゃんとしているのに、悪い予感を勝手に想像して、自分で自分の首を絞める癖がある。
私は試験期間になると、勉強と体調管理を気にかけなきゃいけないから、心身共に疲れてしまう。別に上位を独占しなくても父は怒らないけど、私的には、せっかくだから上の上まで頑張りたい。
でも医者からも、「時には無理をせず、自分の体を気遣う事も大切ですよ」と言われた。あの時は大きな落石が直接心にのしかかった様な気分だった。父にもその話を何度もされていたけれど、医療の知識を持った人から言われるとなると、言葉の重みが身内よりも倍に感じてしまう。
だから最近では、授業を受ける時や参考書に手をつける時間をしっかりと決めて、それ以外の時間には別の事に集中しようと努力している。でもソウボに勉強を教えるのは別の話、勉強する時間はしっかりと守ってるから、教える時間はノーカウントにしてもらっている。
ソウボの学力は高校内では中の上付近らしい、でも確かに、ソウボは基礎的な計算はしっかりとできているけど、引っ掛け問題には弱かった。私も引っ掛け問題には弱い方だから、ソウボとは教え側と教えられる側で、毎回位置が変わる。でも主な間違え方は互いに違う、ソウボの場合は式を途中で間違えている事が多いし、私の場合は問題の文章を深読みしすぎて、式にも取りかかれない、私らしいといえば私らしいけど・・・・・。だから私は、試験時間がギリギリになる事が多い。




