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トリノ巣病院  作者: 花道
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序章 ???視点

私も医師の説明を聞いていたのだが、手術が成功する可能性もあれば、失敗する可能性もあるらしい。だが私達家族はあえて、失敗した時の事は考えないようにしていた。考えてしまうだけで弟に会う事が苦しくなってしまうからだ。

もちろん医師側も全力を尽くしてくれるらしいので、私達家族にできる事は、弟の側に寄り添ってあげる事、手術という大勝負に根負けしないように、支えになってあげる事。

だが私は、弟が病気に負けるような弱い子ではない事ぐらい知っている。だがメンタル面では弱い弟なので、そこら辺をカバーしてあげるのが私達の役目。弟は高校ではバドミントン部に入部しているのだが、大会などの前日には毎回顔色が真っ青になってしまう。

いつも明るく笑顔を絶やさない弟だが、正念場が間近に迫ってしまうと、不安と不安が重なり合って悪い予想しかできないらしい。そこまで不安にならなくてもいいのだが、真っ青な顔になった弟を宥める事には慣れている。

だが、今回迎える正念場は、弟の将来にも関わる大事な局面。それに弟は今まで、手術なんて経験した事が無い。健康な体で十数年間生きていたのだから、手術とは無縁な人間だったのだ。もちろん姉の私も経験した事なんて無い。そんな弟に今の現状を受け止めさせる事自体、無謀なのかもしれないと思う。

でも今まで住んでいた実家を離れ、急に入院生活を送らなければならない弟に、今一番必要な事は、この環境に慣れる事だ。とりあえずこの治太海病院の構造を頭に入れなければ、迷子になって弟は更にストレスを抱えてしまう。

私もこの病院の構造を理解する為に、病院のパンフレットを持って帰る事にした。私も弟と同じく若干方向音痴なのだが、今はそんな言い訳している暇なんてない。

弟が入院している病棟三階の簡単な地図をお手製で作ろうとも考えている。せめてトイレやナースセンターがある場所だけでも把握しておかなければ、いざとなった時取り返しのつかない事にもなりかねない。

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