第三章 キセキ視点 趣味の共有
「実はさ、この病院にはな『居る』らしいんだ。」
「何が?」 「何が?」
「霊・・・・・でもなければ
悪魔・・・・・でもないんだ。
いや、悪魔の方がただしいかもしれない。」
「『死神』っていうオチ?」
「違うんだよ、でも合ってる部分はある。問題は、その姿なんだ。
二人は、『死神』っていうとどんな姿を想像する?」
「『死神』かぁ・・・・・、鎌を持ってるとか?」
「アバウトすぎるよお父さん、その説明だと農家の人と変わりないじゃん。
黒いマントを被って、大概骸 骨姿で、宙に浮いてる・・・・・みたいな?」
「そうそう。
でもね、この病院に巣食う『死神』って、そんなイメージを全否定する姿をしてるんだってさ。」
「・・・・・ひょっとして、『天使』の姿とか?それとも、白衣を着た医者か、ナース服を着てると か?」
「それはよくネットで見る怪談話の典型だけど。この病院に巣食っている『死神』は、さっきキセキのお 父さんが話してくれたイメージの、どれにも当てはまらないんだ。」
「・・・・・?」 「・・・・・?」
「その姿をはっきり見た人はまだいないんだけど、その姿は『羽の生えた動物』にも見えるし、『黒い靄 の塊』にも見えるんだって。この病院の三階に、以前入院してた患者さんも見てたんだよ。その人の情 報によれば、『黒い靄の中から人間の手が見えた』って言ってたらしいんだ。」
「どうやって以前入院してた患者さんの情報を入手できたのよ。」
「今自分と同じく三階に入院している男の患者さんが、退院した患者さんの家族から聞いた話なんだって さ。しかも、その『死神』が現れた翌日、入院したばかりの患者さんが一人、亡くなったんだ。
つまり、その『死神』が目撃された翌日には、この病院内で誰かが必ず亡くなるんだよ。」
この『噂』が、火種だったのかもしれない・・・・・




