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神々の黙示録  作者: 田中
2/5

自分②

短いです

先生の誘いは意味がわからなかった。外に出ろ?そんなの処刑宣告と同じだ。

「というかなんで外に出るんですか?嵐だったら待っていれば過ぎるはずじゃ…」

「普通の嵐だったらな、だがあれは明らかにおかしい」

そう言って先生は窓ガラスと壁を蹴って壊し、飛び降りた。

ここから飛び降りたら間違いなく最悪死ぬだろう。だが飛び降りなければならない。自分の学校の生徒が、たくさんの時を過ごしたかもしれない生徒が死ぬかもしれない。そう考えたら体が勝手に動いた。自分でもどうかしていると思いながら、校舎から飛び降りた。


自分は高いところは平気だと思っていた。怖いと思ったのは落ちて死ぬこと。結局先生が言っていたことの意味や自分の記憶については何一つ分からなかった。そう思いながら落ちていく。不思議だ。何故か浮いているような気がした。景色がゆっくりと動く。耳の中では風が唸り、目と鼻に雨粒が入ってくる。自分は思った。死んだらどうなるんだろう。このまま永遠に落ち続ければそんなことは考えずにすむ。そう思った。


突然、体勢が変わった。落ちていた時は頭が下だったのに今では頭が上になっていた。死んだんだ、そう思った。

「よう」

先生が目の前にいる。

「下を見てみろ」

そう言われて下をみた。落ちていなし、死んでもいない。宙に浮いている。地面すれすれを浮いていた。

「すごいじゃないか。君はきっとゼウスの息子だな」

そう言われた。しかし自分は違うと思っていた。根拠はない。ただの勘だ。だが絶対違うと思った。

「違います。それより早くあの嵐の精を倒さないと」

そう言って自分の手を触り「錬成(アルキミア):手剣(・スパシィハンド)」そう呟く。その瞬間手に幾何学的な文様が浮かび上がり、手が剣に変わる。自分でももう何を言っているのかわからないし、やっていることもわからない。だがこれはもう何回もやった気がした。先生が唸り、後ずさった。

「武器があるのは心強いな」

先生は「メェェェェェェ!!!」と鳴きニット帽を外し、靴を脱いだ。頭にツノが生え、足は人間のような足ではなく蹄だった。だがその鳴き声で嵐の精はこちらに気づいた。

「何故、ハーフがここにいる?」

そう言った瞬間、先生は何処からか棍棒を取り出し、嵐の精に殴りかかる。

「戦闘準備万端だな。さあ、殺し合いを始めようじゃないか!」

戦いのゴングが、今、鳴った。

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