買い物
城を出て門を抜ける。城は他の場所よりも、少し高い位置にあったため街を見渡せるようになっていた。こっちの世界に来てから初めて城を出た恒星はそこからの景色を見て驚いた。
この国の名前をまだ知らなかったから小声で恒に聞いてみると、日本だと言われ更に驚いた。国の名前は日本でも街並みはまるで、中世のヨーロッパを彷彿とさせるものだったからだ。
階段を降りて城下町に入る。大方行くところは決まっているらしいがまずは、昼食を食べに行くことにした。レストランに入り各々食べたい物を頼んだ。早速食べようとしたが、恒が腕に引っ付いてて、両手が塞がっていたので離れてくれと頼むと
「ダメですわ。お兄様はケガしてるんですから、恒が食べさせてあげます」
と言ってきて、恒星に食べさせようとしたら由宇奈も
「恒星様のお世話をするのはメイドの務めですから、私が食べさせてあげます」
と言い食べさせようとしてきた。その後どっちが食べさせるか口論なったが、なんとか場をおさめて昼食を食べ終える。疲れたけど、無口でひたすらご飯をもぐもぐ食べている未由来は、小動物のようで癒された。
次は恒星の刀を買いに武器屋に向かった。誠道に作ってもらってはいたものの、まだ出来ないだろうから買うことにした。ただ、やはり刀を使う人がいないせいかあまり種類がない。何がいいか正直よくわからなかったから、店長に何がオススメか聞いてみる。
「値は張るけど、うちの店の一番の業物はこの数珠丸だよ」
数珠丸と聞いて綾人が顔色を変える。
「数珠丸っていえば天下五剣の一つじゃねえか。どうしてそんなものがここに」
「俺はよく知らんが、先祖代々受け継がれてきたらしい。まぁ、今じゃ刀使う奴なんていないから売れないんだけどな」
「じゃあそれにするよ」
「いいんですか恒星様、そんなに適当に決めてしまわれても」
「店長がオススメだって言ってるし、されに結局は何だって使う人次第じゃん」
恒星達は数珠丸を買い店を後にする。次のところに行くかと思ったら、実はもう買う物は無いのだという。制服などの身に付ける物などは事前に買ってあったそうだ。時間が余ってしまったので恒星達は夕暮れまで街で買い物をした。
夜、恒星は恒人と話をした。
「そういえばさ、こっちの俺ってどんなんだったの」
「基本的におとなしい子だったぞ。なんでも上手くこなすし、誰にでも優しくてみんなから好かれていた。ただ、恒星は戦闘だけは苦手だったな。どうした、突然こんなこと聞くなんて」
「ちょっと気になったんだ。もう一人の自分はどんなんだろうってさ」
他愛も無い話をして部屋に戻り、明日からの学校生活にワクワクしながら眠った。
なんか間違えて完結にしてましたが、まだ全然終わりじゃないのでよろしくお願いします
後、誤字脱字があったら教えてください