おやすみなさい
瑞希とメールするようになって二週間がたちました。
毎日毎日メールを送ってしまって、ウザいような気がするのですが瑞希に聞くと、嬉しい!という意味合いの言葉しか帰ってきません。
正しくは『大丈夫だよ!ジュリは僕の癒やしだからもっと連絡して欲しいぐらいだよ!』という感じで大歓迎感満載です。
そんな感じでドンドン瑞希にハマってきてる私ですが、なんだかやばい気がして残念イケメンのお友達に相談してみることにしました。
なんてったって残念イケメン若ハゲなのに彼女が居るリア充だからねっ☆
……大切な事なのでもう一度言います。
なんてったって残念イケメン若ハゲオタクなのに彼女が居るリア充だからねっ☆
ちょっと冠が増えていっているのは気のせいです。別に羨ましくて憎しみがわいている訳ではありません。決してね。
放課後、前に来た半個室ファミレスに井上くんを呼び出して相談です。
井上くんは静かにコーラを飲みながら聞いてくれました。
途中何度かコーラを噴き出してるような気がしましたが、私にかかってないので無視してせきららに全部話しました。
彼氏が出来た事があるが、キスすらさせないのに毎日相手の動向が知りたくて連絡してしまう事、それで何もさせねーのにウゼーよ!っと振られてしまう事。
瑞希とゲームの外部サイトで知り合った事、会ったことも無いのにメールをしてドンドン好きになってしまってる事。こんな風になったことが無いのでどうしたらいいか分からない事。
プレゼンのように熱く語りすぎて最後は涙目になっていた私。井上くんはティッシュを渡してくれて優しく話し始めました。
『ネットから始まる恋は最近多いみたいだし俺はうまくいけばいいと思う。俺もオフ会からだから似たようなものだしね。
樹里は今メールをしていて幸せ?
幸せならこのまま連絡続けて嫌いにならなかったら会ってみれば良いんじゃないかな。関東とちょっと遠距離恋愛だけど好きになったらしょうがないしね。
とりあえずまだメールしかしたこと無いなら段階的に進んでいこう。メール、電話、対面!みたいな感じで。』
おう!目から鱗がボロボロだよ!そういえばまだメールしかしたことなかったんだ。電話ね、良い考えだ。私はオタクなので若干の声フェチだしね!
でも、もし途中で声がキモイとか動き出したらブスとか嫌われたりしたら…と落ち込んだら井上くんが名言を!
『女は度胸!何でもやってみるもんだぜ!まだ若いんだから失敗したって大丈夫。次にいけばいいんだよ。』
そうか!私まだ若いんだ!いける!何だか勝てる気がしてきた!!!井上くんありがとう。
その後井上くんの可愛い彼女との惚気を数時間聞かされたけど私はホクホク顔で帰った。
このビックウェーブに乗らねばと早速、瑞希にメール!
「私瑞希の事もっと知りたいから電話してみたい。瑞希がお暇な時間に電話の予約入れたいので教えて下さい!嫌なら無理しなくていいよ!」
『予約式なんだね、ジュリは面白い。僕は帰宅後なら何時でも大丈夫だよ。丁度、声を聞きたいと思ってたんだ。嬉しいよ。今夜10時は大丈夫?』
さっそく今夜だね!オーケー、オーケー大丈夫!
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シャワーを浴びて歯も磨いて準備万端です。
携帯の画面を凝視していると着信がきました。表示は登録無し。手汗と格闘しながら電話にでんわ!じゃなくて電話に出た。
「もしもし、どちら様ですか?」
『はじめまして。瑞希と申します。ジュリ様でよろしいでしょうか?』
「ははははじめまして、ジュリで大丈夫です。初電話緊張します!」
『僕もです。でも電話して良かった、ジュリの声まで僕のタイプだ。本当はジュリは僕のことを萌え殺す気なんでしょ?それなら成功だよ!ジュリが可愛すぎて死んでしまいそう。』
……こんな感じで話し始めました。瑞希は電話でも瑞希です。ヤバいです。電話中は終始、茹で蛸でした。
瑞希の声は低くもなく高くもなく耳障りの良い声でした。でもなぜか色っぽく感じた。理由は声を聞いてると体の芯が熱くなってきてポカポカ、ジンジンしてきたから。
そして、背中も手も身体中が汗でビチョビチョ。
そんな緊張と幸福の時間は二時間程で私は私の睡魔に負けて電話を終わらせた。
電話なので耳元で瑞希におやすみなさい。と言われたような気になり凄く幸せだった。布団がいつもより暖かく感じた。