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七章 完全無欠




 『メイド』。

 それは究極であり至高である。それは極上であり最強である。

完全無欠ではなく、不全有欠であるからこそ美しい。

とはいえミスばっかしてもらっても困るだけだ。

少しのミス、それを補うだけの成功それがあるからいいのだ。

それを色々と無視したメイドを雇ってしまった男と女がいる。

分かるね?


「掃除とかどうすんだよ。二人じゃ無理でしょ?」


「…うん。」


 最初リリィは二人でやるとか言ってたがどう考えても無理。

陽道は「もしかしてコイツ、何も考えてないんじゃ?」と本気で思った。

そして掃除の難しさを伝え、いかに細かいものかを教えた。

流石にリリィも観念?した。


「雇うとしてだが…どこで雇う?」


 困った時のキュベラ頼み。まだ朝だしキュベラとすれ違う可能性があるので陽道はギルドに向かう。

丁度、キュベラのパーティーがいた。


「ああ、おはようございます。陽道さん。」


「おはようございます、キュベラさん。」


 挨拶をして本題に入る。いきなり引き止めておいて長話は出来ない。

陽道の性格だった。


「昨日壁外区に家を買ったのですが…意外に広くて人を雇うことになりまして。で、人を雇える場所を教えて欲しいのですが。」


「なるほど。商店街に使用人ギルドがあります。そこで雇えばよろしいかと。もしくは奴隷を買うか、ですね。

オススメはしませんが。それでは。」


 キュベラは奴隷という言葉を発するときに不快感を露わにした。

何かあったのだろうか?陽道は聞きそうになったが、やめた。

とりあえず、屋敷に戻りリリィに話す。


「僕は行くけど、リリィはどうする?」


「行く。」


「やっぱりね。」


 リリィが居たほうが陽道は安心する。特にメイドを雇うような場所に行くなら。

別にメイドばっか雇うわけではないが。


「ついたな。」


 普通にハンターギルドと変わらない。まあ風変わりしていては客を拒んでいるようなものだ。

こういうのは外見が大事なのだ。入りやすい外見にすることで客を呼ぶことができる。

いい心がけだ、と陽道は感心する。


「いらっしゃいませ。どういった御要件でしょうか?」


「壁外区に家を買ったのだが、二人では管理しきれなくて…。」


 出てきたのは、二十歳ほどの男性だ。陽道が説明すると男は資料を持ってきた。

陽道は「またか」と思った。どうせ給料が安いのを雇ったらとんでもない罠があるのだろう。

今度は警戒して資料を受け取った。


「そちらは、今雇える者の名簿です。」


 この世界には写真がない。名簿と言ったって、簡単なものだ。

難しくは作れない。


「お決まりになりましたら面接を行いますのでお呼びください。」


 男は出ていった。

給料は多少の差こそあるが殆ど似たようなものだ。

その中で格段に安いメイドがいた。


(これは…地雷か?)


 それでもその安さに誘われ候補の一人となってしまった。

会ってみなくてはわからないが。


「よし、決めた。」


 十人ほど候補を絞り呼び出す。

そして面接をする。


「…論外。」


 一人目の女性はやる気なさそうな顔をしてたが壁外区に住んでることを伝えると態度を変えた。

陽道とリリィは論外、と言って部屋から出ていくよう言った。


「…むさ苦しい。」


 二人目の男性はこんなむさ苦しい奴置いてどうすんだ、と陽道は本気で思った。

この男性も部屋から出して、次の人を呼ぶ。


「微妙。」


 三人目の男性は、真面目。陽道はこれもどうだろうかと思った。

部屋からだし、次の人を呼ぶ。


「…なにあれ。」


 四人目の女性は始終無視。面接にすらならなかったので途中で部屋から出した。

その後はいい人が多かった。その中から四人。女、女、男、男。

そして最後の一人。給料がものすごく安かった女である。


「こんに「こんにちわ。」」


 声をかぶせてくる。やる気があるような活発な声ではなく、やる気がない声でもない。

ただ声を出してるだけ。そんな感じだった。無表情だし。

何で身の回りに無表情な女が多いんだ。そう思う陽道だった。


「僕の名前は陽道「メリンダです。」」


 容姿は悪くない。別に容姿が選考基準ではないが。

金髪の整った髪。青い目。額にどこかで見たことあるようなAを逆にしたマーク。

タトゥーではなさそうだ。陽道は推測する。


「その額のマー「何でもありません。」」


 額のマークの話をしようとしたらそう答えた。

話したくないようだ。


「業務内容は?」


「え?ああ、はい。」


 陽道は業務内容を話す。まあ掃除や炊事だけだが。

風呂は不思議な魔法道具で掃除されるし、お湯は沸くし。

料理で何かを焼くにしても不思議な魔法道具で火がつく。


「分かりました。」


「出来そうだから…採用。」


 給料安いし。声が少し怖いが、気にしなければ大丈夫だろう。

陽道は半ば呆れ口調で採用を決定するのだった。

これから、忙しくなりそうだな。給料のことを考えそう思う陽道だった。


「住み込みが二人。自宅通いが三人か。」


 家に着き、細かいことを説明する。

最初に部屋を割り当てる。


「住み込みの人は、部屋は勝手にしていいです。有り余ってますし。」


 住み込みの人はメリンダとクラウドという男性。爽やかな青年である。

勿論全員二十歳過ぎだが。


「この家は買ったばかりだから掃除はいいか。食材は無いかな。誰かこのお金で買ってくるように。」


 陽道は白金貨を取り出す。盗まれる可能性もあるのだがそうすれば使用人ギルドに伝えれば賠償してくれる。

それにもし見つかれば、犯罪奴隷として売りさばかれる。そんな人生は嫌だろう。

陽道あそう説明を受けていたので、疑いなく白金貨を出した。それしかないし。


「では私が。」


 全員が白金貨を前に驚いてるのでメリンダが買い物の役を買って出た。

陽道もメリンダなら大丈夫だろうと直感で理解していた。


「では各自、メリンダが帰ってくるまで自由にしててください。家を見て回るも良し。害虫を見つけて駆除するのも良し。」


 三十分後、メリンダは帰ってきた。余計な買い物もせず、一日分の食材を買ってきていた。

お釣りを受け取り、料理を作るよう命じた。気づけば昼であった。普段は食べないのだが。

朝ごはんを食べてないので腹はすく一方である。

ここでも一番早く行動したのはメリンダだった。


「速い…。」


 行動がとにかく早い。他の人も食材を持ち、台所へむかう。

不思議な魔法道具で冷凍保存が出来るからだ。

一時間後料理が出来上がった。感想は…。


「美味い。とにかく美味い。」


「美味しい。」


 陽道もリリィも満足であった。



       同時刻・場所不明。


「奴と奴の国を絶望に突き落とさぬ限り我らが悲願は達成できぬ。」


 老人の威厳ある声が響く。


「その通りですな。奴がいてはいくら黒転兵を作っても意味がない。」


 若い男の声。その声には『奴』に対する憎しみがこもっていた。


「そろそろ手を打つべきだな。」


 再び老人が声を上げる。


「中途半端な者に任せても失敗するだけです。」


 若い男も意見を述べる。


「それなら、僕が行きましょう。」


 マスクをかぶった男がそう言った。


「アズラーか。良いだろう。だが念の為にあと一人は必要だろう。」


 老人がアズラーに向かいそう言う・


「では彼女に任せましょう。」


 アズラーと呼ばれた男は後ろに座っている若い女を立たせる。


「よろしくお願いしますわ。」


 女が老人と若い男とアズラーに向かい、言う。


「良いだろう。それでは、行け。我らが悲願を達成させるために。」





次回予告

依頼、極秘。そんな依頼を陽道は見つける。

普段なら無視しているが依頼主はあの国の国王。

報酬がwanted倒すより高いし。

行くっきゃないでしょ。

次回タイトル同盟の島国。


完全無欠感出てませんね。文才がないので(´;ω;`)

最近の自己感想「全然フリーライフじゃないお」。

タイトルを変える日が来るかもです(笑)

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