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アダム・スミスの文体論より ー性格論ー

作者: 空藤胡蝶

アダム・スミスの文体論の中の?性格論を私なりに解釈して当てはめてみたものです。

授業で聞きかじっただけなので実際とはかなり違う可能性がありますのでご注意を…

「でね、純が…」


 明るく柔らかな声が昼休みの教室に響く。ちらりとそちらに視線を向けると妹の純がクラスメイト数名と談笑していた。


 私の妹の純は綺麗で、感受性が豊かで表情がくるくる変わり誰からも愛される…そんな絵に描いたような子だ。身内の贔屓目なんかじゃない。周囲が勝手に過大評価して彼女を表現するときは決まって「パーフェクト・ガール」と言われる。


 だが、パーフェクトな人間なんていない。


 実際、純はどこか軽薄な面があり、たまに凄いミスをする。そんな時に限って虚栄を張ったりしちゃうものだから始末が悪い。彼女に反感を持つ人たちは決まって軽蔑の視線を向けてくるのだから分かりやすいにも程がある。


 今も教室の反対側から純に対して負の感情が向けられている。


 それすらもにこにこと流してしまうのだから我が妹ながら天晴れと言いたくなる…十分身内びいきだな、やれやれと首を振った。



 

 「直先輩!」


 教室のドアがガラッと開けられたかと思えば後輩の声がした。もっともその前からバタバタと廊下を走る音が聞こえてきていたから驚きはしないけど…周りの子たちは驚いたようで呼んだ人と呼ばれた人の両方をかわるがわる見つめている。


 「どうしたの?それと、どんなに急いでいるとはいえ、生徒会役員たるあなたが走っては示しがつかないでしょう。」


 読んでいた本を閉じ、立ち上がりながら言う直


 私の偉大なる姉。本来なら双子は同じクラスにはなれないけれど成績でクラスが決まるシステムだから自然と同じクラスとなった。そしてその中でも優秀な姉は生徒会長様だ。


 とにかく私の姉は芯が強く自分に厳しい。そんな姿勢が格好いい、と学年・性別を問うことなく誰からも尊敬されている。我が家きっての自慢の人。たまに私を「パーフェクト・ガール」と呼ぶ人がいるけれど、私は姉にこそこの呼称がふさわしいと思う。しっかり者の姉と調子のいい妹…典型的な姉妹だろう。


 でも…厳しい姉だからこそ、この学校の頂点にいるからこそ、高慢だの冷酷だのと嫌悪の視線を向ける人は多い。


 ほら、今も姉の言い方がきついと後輩に憐みをむける人たちがいる。あの後輩からしたらいい迷惑だろう。何といっても彼女は姉をとても慕っているのだから。勘違いをしている人たちに私はくすりと笑いをもらした。






 とある日の昼休み、双子の姉妹紹介



お読みいただきありがとうございました。偉大な対象としての「率直型の人」、直と善良な対象としての「単純型の人」純、私なりに長所と短所を織り込んで書きあげてみました。


なにかご指摘がありましたら遠慮なくどうぞ。感想もお待ちしています!

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