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幻影道R 第九巻   作者: SAKI
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エクストラ「spioen」 その1

 襲撃まで後で十時間、恐らく彼女達は作戦に取り掛かっている最中だろう、なので俺は手筈通りスラム街で付き添い人の【クラフト】と共に情報屋を待つ。


「よっ、遅くなったかい?」


 夜でもないのに薄暗い陰鬱さを感じるスラム街に一人の身なりの良い男歩いて来る、そいつは何を隠そう先程作戦に参加していたユウガだからな。俺はユイに()の情報を発言し襲撃の準備を整えてると勘違いさせた。

 

 まさか前から雇った人間が情報流してるなんて思わないからな。


「問題無い、作戦とは?」


 生憎無駄話をしてる程時間が多くない、手短に済ませよう、ユウガははいはいと相槌を打ちながら今回の作戦をユウガが電子機器で記録して全部を把握した。


「なるほど、悪くない」


 人数が最悪だが熟練が担う箇所はもっとも重要な衣食住を基盤となる家や病院で恐らく後は順位を決めて捨てても仕方無いところは守りが極端に薄い!戦力にムラがある奴を配置か。

 

 さしずめサナエかノアが考案者というところか。


「それでどうする?俺は現場に行っちまうからアンタ等はこれ以上支援は出来ないぜ?」


 当の本人もその中に入っている、だから問題は無い、寧ろスパイだとバレれば奴等の信頼も下げる要因になりかねないからな。


「問題無い、奴等の動向を知れればそれで良い」


 俺達には特に関係無い、そう言って隠れ拠点に戻ろうとしたその時、何だか妙な作戦だと気付く。


 確か熟練者はユイ、ノア、ゼーナの三人、区画を守るにしては一つ一つの対象となる家が少ない。


 逆を考えればさっさと潰せば俺達を迎え撃つことだって出来るが・・・受け取った情報を俺のデバイスに入れてもう一度確認する。   


「ユウガ」


 去り際に声を掛けられ踵を返す。


「なんだ?」


 こいつは何も知らないな、一応忠告はしてやるか。


「変な作戦だなと思ったか?」


 突拍子も無い発言に顎に手を当てて深く考えるがあまり気にしてはいない反応だな。


「そうか〜?俺は特に悪くない作戦だと思うぜ?」


 そう言ってユウガはその場を後にした、そして恐らく先程からスラム街の壁越しに聴いてる奴を問い質した方がいいかもな。


「いつ知った?」


 虚空の空見上げて独り言のように言うと彼女は颯爽と現れる。


「何のことですか?」


 黄緑色の髪をしたディアンドル衣装と愛らしい表情で店を賑わせる殺し屋界の元第三位のノア・ツインズは黒いローブに身を包みながら穏やかな顔をする。


「お前、昔から盗みは得意だろ?」


「人を盗っ人みたいな扱いしないでください♪」


 ノアの軽口にクラフトは魔力粉砕破壊エネルギー粒子砲殲滅兵器【カルネージ・カノン】のエネルギーをチャージしようとしたがノアが人を殺す時によく使う暗器は見た目は結晶のようなナイフだが投げ込まれるといつの間にか武器のチャージ供給装置に突き刺さり、再起不可になった。


「やはりお前にはデカイ武器は相性最悪だな」


「うふふ♪少しは成長しましたねクラちゃん♪」


 ノア、貴族の娘だったか知らないが突然殺し屋を訪ねて来た変な女、当初は完膚無きまでボコられていたがたった数年で殺し屋で三番手の順位まで上り詰めた。


 見た目は温厚で殺し屋でも場違いなくらい明るく殺し屋が集まる場所では悲惨なぐらい嫌われてるが彼女は何も気にしていないなかったな。


「いつから気付いた?」

 

 俺の言葉にノアはふふっと妖しげに笑ってみせた。

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