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幻影道R 第九巻   作者: SAKI
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「商業区防衛戦・後編」その7

 あと一押しだと勢いを増していた私達、だがそはロボットの装甲が全て剥がれたことで無となった。


 ロボットの攻撃は苛烈で最早ゼーナちゃんの剣術と同じ神速だ。


「なんて速さだ・・・ぐ!?」


「ロボットとは思えねぇな・・・まるで人間だ」


 短いパンチを数発打ち込みこちらの攻撃は寸前で避けたりと見たことのない挙動をしている。


「一瞬だけでも隙を作れれば!!」


 私は咄嗟に投げナイフを投げると瞬時に回避して標的が私になった。


「こんのぉぉぉ!!」


 トリックバスターで牽制しながら前に進もうとしたがロボットは眼の前に既に近づいていた。


「っ―――― 」


 焦るな、焦ったら殺される。胸が熱くなっても冷静さは欠くな。


 格段に上がった速さを殺すにはどうすれば・・・・


「危なっ!?」


 違う、奴の狙いはパンチじゃない、脚がブレード状になってる!私は爆弾を地面に投げると私だけ吹き飛んだ。


「ユカリちゃん!」 


 吹き飛んだ私をユイさんは抱き抱えて魔法を放つが・・・


「っ!?魔法が使えない!?」


 本来なら絶大な威力を誇るユイさんの魔法が放たれるがいくら唱えても放つことが無かった。


「きゃあ!?」


 ユイさんだけじゃない、皆から異変を感じた。


 “皆動きが鈍い”と私は皆を見て判断する。カイト君が立ち上がろうにも足に力が入らないのか剣を杖にしないと動けないぐらいに衰弱している。


「何だ・・・力が抜けてるく・・・る」

 

 その挙動にロボットは一瞬で標的を変えてカイト君に渾身のパンチを打つと簡単に吹き飛んでしまい一撃で戦闘が出来ない程の重症を負ってしまった。


「ユイさん!!ユイさん!!?」


 だが問題なのはユイさんもだ。私を抱き抱えると身体が崩れるように倒れてしまった。


「な、なんなの?なんで・・・さっきまで戦えたのに」


 私は何とかユイさんの異常を突き止めようにもロボットはいつの間にか背後にいた。


「ユカリちゃん・・・貴女だけでも」


 ユイさんは死物狂いで助けようとコロンとキリちゃんが創った魔法の風を置くと私だけ向かい風乗ってロボットから遠ざかった。


「ユイさーーーーん!!!!!」


 私は手を伸ばそうにも風が許してくれない。


 身動きができないユイさんにロボットはユイさんに何度も殴りおもちゃのように叩きつけてガラスの破片が顔に突き刺さり腹を裂かれズタズタにしていく。


「やめて!!やめてやめてやめて!!」

 

 私は喉が枯れるほど叫び、吹き止んだ途端に走りすぐに追いつこうと走り爆弾を投げるとユイさんを捨てて距離を取った。


「ユイさん・・・・・」


 ユイさん・・・・・・・・・・・・何も見たくない・・・・ごめん。


 強い仲間達がほぼ壊滅し、ユイさんは表現したくないくらいの酷い状況で目も当てられない。


 もう・・・駄目だ・・・・私とユーゴ君だけで勝てる相手じゃない、エミちゃんと傷だらけになったキリちゃんがボロボロの仲間達を必死で応急処置をしている。


 ユイさんはまだ戦うとするが・・・もう・・・剣すら握れないぐらいにぐちゃぐちゃになっている。


「戦闘データに無い生物・・・確認」


 最悪の状況に私はもう逃げたいと絶望しロボットは無慈悲にも突っ込んで来る。


 その拳は二人によって妨げられたのだった。

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