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宮藤愛華


にしても、本当に高級マンションに住んでるんだなぁ。てかもうヒロインとか寝取る役とか関係なく、こんな贅沢な暮らし出来てる時点で俺って人生勝ち組なんじゃね。

 そう思ったらゲームの事なんかどうでも良くなってきた。恭弥の親も放任主義とはいえ、一応は息子の事を愛してる訳だし、お小遣いも毎月凄い額が払われるからなぁ。


「ま、今回の俺は容姿にも恵まれてるし。ゲームのヒロインは全部主人公にあげて、俺は俺だけのヒロインでも見つけるかねぇ。」


 どっかで聞いた様なセリフを口ずさみながら、俺は街中を歩く、そしてふと気になる場面に遭遇した。


「あれは、ナンパか?」


 少し離れた場所で1人の女の子が2人の男に絡まれている場面を見つけた。女の子が方の顔は良く見えないが、迷惑そうにしてるのはすぐに分かった。

 うーん、まぁこの世界でフラグを立てたいとは思わないが、もしかしたら俺だけのヒロインを見つけるチャンスかもしれない、もし可愛かったら連絡先貰っちゃおうかな?とか考えながら、そのナンパ野郎達のとこまで向かう。


「おいお前ら、俺の女に何手出してんの?」


 今世の俺はかなり高身長でこの容姿の為、多少の威圧感は出せるだろう。こっちを振り向いた男達が怯えた顔になって、すぐに逃げていった。

──────────そんな怖かったかな?俺?

 そんな事を思いつつ、俺は助けた女の子の方を見ると同時に酷く頭に電流が走ったような感覚に陥る。

 マジかよ・・・こいつゲームのヒロインの1人、宮藤愛華(くどうあいか)だ。このキャラは黒のロングヘアーを腰ぐらいまで伸ばし、目つきはキリッとしているが顔はしっかりと整っており、まぁ正統派美少女ヒロインと言ったところか。後ツンデレ。

 嫌な事はしっかりと言えるタイプで、まぁ見てて気が強い子なのは分かる。だか、その内面は予想以上に弱い女の子であり、表面上は何とか取り繕ってる様だが、しっかりと先程までのナンパで怖がっていた事が目に見える。涙目になりながら、俺の方を見てくる姿を見て、少しドキッとしたのは秘密。だってこいつすげぇ可愛いんだもん、ゲームのイラストで見るのと実際に見るのとじゃここまで違うんだなって再認識させられた。

 まぁ、とりあえずいつまでもここにいちゃまずい、さっさと行かなきゃ、ヒロインとは関わらないって俺自身が決めたんだから。


「えーと、次からは気をつけろよな・・・?じゃ、」


 そう言って俺は愛華の横を通り過ぎ、また散歩を再会する。だが、それを阻む様に手を掴まれて、引き止められる。仕方なく振り向くと、愛華はまだ若干涙目になりながらも、しっかりと俺の瞳に視線を合わせている。


「貴方の名前を聞かせて貰っても良いかしら?」


 まるで答えない事は許さないとでも言うべき程に、力強い目でこちらを見つめてくる。


「え、うーん、はぁ、静井恭弥だ。」


 少し目を逸らそうものなら、握る力がさらに強くなる為、仕方なく名前を教える。てか、そんな細い腕のどこからあんな力が出てくるんだ!?


「そ、そう。今回出会ったのも何かの縁だと思うのだけれど、良かったら私と連絡先交換しないかしら?」


「嫌々、それは、うっ!?」


 断ろうとしたが、美少女の涙目+上目遣いはかなり効いた。ずるいんだよ!女ってのは!


「わ、分かったよ。ほれ」


 そう言って俺は相手にスマホを渡す。


「私にスマホ渡しちゃっていいの・・・?」


「別に良いだろ、お前が何が悪い事するような人間じゃないってのはお前を見てすぐに分かる。」


「そう・・・」


愛華は俺の返事を聞いて嬉しそうに微笑む。ホントそういうのやめてくれ、勘違いしそうになるから。


「出来たわよ、はい返すわ。」


「おう、サンキュ。じゃ今度こそ、「愛華・・・」え?」


 俺が今度こそ帰ろうとした時、ボソッと愛華が何かを呟く。


「私の事は愛華って呼んで。お前なんて呼ばれ方しても分からないわ。」


「え、それは流石に」


「愛華」


「けどさ、お前も」


「愛華!」


「うーん、でもぉ」


「愛華!!!」


「わ、分かったよ・・・ 愛華、、」


 またもや上目遣いに堕ちてしまった俺だった。俺が名前で呼ぶと嬉しそうに笑みを浮かべながら満足そうにしてる愛華を見て、まぁ良いかと思ってしまう俺なのであった。




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