連絡網
@Logistics様のお題を、使わせていただきました。
ジャンルは、恋愛ですが、コメディー色が強いです。
連絡網が来た、山上くんから。
普通のことである。
でも、いつもと、わたしの普通とは違う。いつもなら、母親同士で連絡して、後でわたしに伝わるんだけど……。
今回はわたしに直接、らしい。
「もしもし、山上くん?電話かわったけど……」
『あーそうか。今から言うけど、大丈夫か?』
「うん、大丈夫。言って」
『えっと――。今回の連休は、できるだけ外出は控えるように、だってさ』
「外出は……控えるように……っと。わかった。ありがとう」
『……』
「どうしたの、山上くん?急に黙っちゃって」
『あのさ。もう一つ言いたいことがあるんだけど』
「うん、なぁに?」
『……すぅ』
電話ごしに深呼吸しているのがわかる。なんでだろ。
* * * *
そろそろ電話切ってもいいかなぁ。なんて思ってみる。でも口には、絶対に出さないけど。
『おれやまだのことがすきだから』
――ガチャッ。ツー、ツー。
切られた。しかも一方的に。
「はぁ」
相変わらず、変な奴だな山上くんは。
受話器を置き、連絡網の内容をお母さんに伝える。
「連休中は外出は控えろ、だって。」
「わかった」
返事を聞いて、自分の部屋に戻り、ベッドにダイブする。
でろーんと仰向けになって、さっきの電話を思い出してみる。
『おれやまだのことがすきだから』
ん?
最後のセリフおかしくない?
とりあえず、漢字に脳内変換してみよう。
『俺山田のことが好きだから』
いや。これはない。ない、ない。
全わたしから全否定されてますよ、山上くん。いいの?
ふざけてみるけど、わたしは今、顔がすごく赤いと思う。胸がドキドキするよ。
どうしよう。山上くんに会ったらどういう顔をしよう。
「ずるいよ」
呟いてみる。
山上くんは、冗談だったかもしれないし。
だったら、なおさら会ったらどういう顔をすればいいんだ。
「あ゛ーー。もうーー」
頭をかきむしって、叫んでしまった。そしたら、
「うるさいわよっ!」
って、お母さんに怒られてしまった。
頭にきたので、小声でぼそっと、
「山上くんの、ばかぁ」
と、言ってやった。
ちょっとだけ、すっきりした。




