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連絡網

作者: 染井
掲載日:2009/10/21

@Logistics様のお題を、使わせていただきました。


ジャンルは、恋愛ですが、コメディー色が強いです。

連絡網が来た、山上くんから。

普通のことである。

でも、いつもと、わたしの普通とは違う。いつもなら、母親同士で連絡して、後でわたしに伝わるんだけど……。

今回はわたしに直接、らしい。

「もしもし、山上くん?電話かわったけど……」

『あーそうか。今から言うけど、大丈夫か?』

「うん、大丈夫。言って」

『えっと――。今回の連休は、できるだけ外出は控えるように、だってさ』

「外出は……控えるように……っと。わかった。ありがとう」

『……』

「どうしたの、山上くん?急に黙っちゃって」

『あのさ。もう一つ言いたいことがあるんだけど』

「うん、なぁに?」

『……すぅ』

電話ごしに深呼吸しているのがわかる。なんでだろ。


 * * * *


そろそろ電話切ってもいいかなぁ。なんて思ってみる。でも口には、絶対に出さないけど。

『おれやまだのことがすきだから』

――ガチャッ。ツー、ツー。

切られた。しかも一方的に。

「はぁ」

相変わらず、変な奴だな山上くんは。

受話器を置き、連絡網の内容をお母さんに伝える。

「連休中は外出は控えろ、だって。」

「わかった」

返事を聞いて、自分の部屋に戻り、ベッドにダイブする。

でろーんと仰向けになって、さっきの電話を思い出してみる。


『おれやまだのことがすきだから』


ん?

最後のセリフおかしくない?

とりあえず、漢字に脳内変換してみよう。


『俺山田のことが好きだから』


いや。これはない。ない、ない。

全わたしから全否定されてますよ、山上くん。いいの?

ふざけてみるけど、わたしは今、顔がすごく赤いと思う。胸がドキドキするよ。

どうしよう。山上くんに会ったらどういう顔をしよう。

「ずるいよ」

呟いてみる。

山上くんは、冗談だったかもしれないし。

だったら、なおさら会ったらどういう顔をすればいいんだ。

「あ゛ーー。もうーー」

頭をかきむしって、叫んでしまった。そしたら、

「うるさいわよっ!」

って、お母さんに怒られてしまった。

頭にきたので、小声でぼそっと、


「山上くんの、ばかぁ」


と、言ってやった。

ちょっとだけ、すっきりした。

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