表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風琴ねずみと夜の電車 一  作者: 倉沢トモエ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/70

みな大変だった

「今でも専属弁士がいる小屋もあるけれど、ハイカラ好みなお隣は早々にトーキーを入れたものだからね。  そうだなあ、今の楽団に入ったのが、ここの火事の年だった」

「なんだべ、お互いたいへんだったなや」

 さすがにマサジがあきれた様子。

「そうだよ。とはいえ僕らの失職なんかいつものことで、君とは比べものにならんけれど、まあ、今はこうして一緒に楽しく晩飯が食えるんだ、よかったじゃないか。

 あとで何が幸いとなるかわからんからね。生きていればいいんだ。

 こちらの大将だって、陸軍に入ってからだというよ、こんなにうまい西洋料理を覚えたのは。どこでなにが役に立つかはわからんし、生きて戻られたからこそ、こうして今、立派に店を構えているんだぜ」

 マサジの村は同じ年の三月、地震と大海嘯で、読者諸君も新聞や雑誌などでご存知の通り、大変な被害を受けた。

 こちらの親類を頼り移って来たのも、村の立て直しが進まず、家の経済も立ち行かなくなってのことで、なるほどこちらでやるかたない心が爆発し、小英雄となったのも無理はない、というのが周囲の同情混じりの理解だった。

 ただそれは、マサジは自分から特別なにか身の上について申したわけでもないので、好人物ではあるのだがマサジの来し方を強弁しがちな欠点を持つ綴り方の先生などを代表に、勝手な批評だとも言える。

「チキンライスでございますよ」

 松永さんがかしこまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ