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風琴ねずみと夜の電車 一  作者: 倉沢トモエ


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昔のはなし

 辻氏のなぞるもの。

 昔むかし。

 秀真くんも路上で古本を売っていたころ、たびたび辻氏に小鳩堂へ連れてこられた。今晩のマサジとおなじように。

「あのときは、小鳩堂、昔の店だったべ」

「え、昔」

 マサジがいぶかる。

「お前が来た頃は、こっちさ移って半年ばりだったんだど」

 大将が松永さんといっしょにテルオさんとお母様へのお料理を運んできた。

 ここからは三人には少し遠慮してもらうことにして、テルオさんとお母様は静かにふたりで過ごしていただこう。

「へえ、そういえば聞いたことあるなや」

 昔の小鳩堂は、白い洋風の二階建て。それはそれはモダンなお店であったと。

「隣の活動小屋が火鉢の始末ばしくじって、火事出したのや。もらい火だ」

 大将はまだ、映画館を活動小屋と言う。

 お客が小屋の座席に座布団を敷き、行火(あんか)を抱えている、炭火の身近な時代である。商店街の大火もたびたび起こった。

 大将も女将さんも落胆していたが、どん太が住む牧場に置いていたため焼けずに残った馬車で市内を回り、松永太郎氏が大将の自宅の台所でこしらえた菓子を売ってわずかながら金を作りつつ、何とかやっていたのである。

「そうしたっけ、ちょうどここにあった蕎麦屋のおんちゃんが店閉めるところでよ、譲ってもらえたのや」


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