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風琴ねずみと夜の電車 一  作者: 倉沢トモエ


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解説

「おや、これは失敗した」

 秀真くんの顔は、余程ぽかんとしていたに違いない。

「最後に、さらなる発見をご披露するはずが、こんなところで失態を。失態と申すより、現在の限界であります」

 たちまちに《拍手》が止んだ。

 止んで、何が起こったか。

「ご覧ください」

 博士が優雅な物腰で、身動きひとつしない見物人たちを指す。

 誰も黒い帽子に黒い背広だ。

「これが、『サッポロビール』、」

 博士が見物人たちの隙間を巡り、胸ポケットから一枚一枚抜いてゆく。

「こちらが、『金線サイダー』、」

 メダルを抜かれると見物人は、ぴたりと動きを止める。またはそのまま倒れてゆく。

 倒れると、なにか軽い音がした。

「この通り、このメダル、人形を指示のままに動かせるのです。

 まだ、拍手と笑い程度です。お客様がいらっしゃらぬときのにぎやかしです。しかしながらご覧の通り、些細なことが人間らしさから離れてしまう部分がありまして。

 今後研究が進めば、群舞やパレードやら、そうしたものをも、お目にかけられると信じております」

「芸事向きなのかい」

 辻氏がまっとうに質問をする。

「はい。

 芸、とまでは参りませんが、単純で統一された動きをご披露するほか、現在のところ、できぬようです。

 ビール、サイダーの銘柄で多少差があるようですが。ご覧のとおり、拍手が拍手でなくなる程度です」


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