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とある貴族次男の人生  作者: ノリで行こうぜ!
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プロローグ

性別変更:ノワール(男→女)

 

 どうもアストラル家次男のフェイ・アストラルと申します。僕には家族にも言えない重大な秘密があります。実は二度目の人生だということです。前世は事故で亡くなったのですけど気づいたらアストラル家の次男でした。



 ◇



 それは僕=フェイが五歳の時に教会で行われる祝福の儀で起きた。この儀式は毎年行われていて誰でも魔法適性を調べることができるものである。まぁ教会がない村はあるところに態々行かなければならないので貧しい村では自分の魔法適性を知らないなんてザラにあるようだが…。そのような儀式だが魔法適性を調べる方法は宝玉に手をおくとそれぞれの属性の色の光が灯り、自分の属性適性が分かるというものだ。例えば、火の属性であれば赤、水は青、土は茶色、風は緑、光は金色、闇は紫などの光を発する。希少な属性である無と雷は、無は灰色の、雷は橙色の光を放つ。他に生活魔法というものがあるがこれは人族であれば誰でも持っているので光らないそうだ。さすがファンタジーって感じ。


 とまあこういう儀式があるのだが、僕はこの儀式の最中に前世の事?を思い出したんだよね。いやーあのときは大変だったね。前世の事を思い出したことで一気に情報が流れてきて高熱で数日寝込んでしまったし…



 それでも数日経てば元通り生活できた。それにすんなりと思い出した記憶を自分の事だと受け入れられた。記憶がなんで蘇ったか分からないけどせっかく記憶が蘇ったので今世は思い切り楽しむと決めた。


 (とりあえず、派手な魔法を使ってみたい!! やっぱりファンタジー世界に来たらコレだよね)

 そう思ってワクワクしてたんだけど…僕はこの後落胆することになる。


「ねえねえ、父さん僕の魔法属性ってなんだったの?」


「フェイの属性は――無属性だったぞたしか」


「他には?」


「うん?それだけだぞ」


「えぇぇー」


 僕は魔法適性を調べるときに気絶したから気づかなかったけど灰色の光が激しく点滅しただけみたい…。実は光の強さで魔力量も大まかだけど分かるらしい。つまり、魔力量は多く属性は無しかない。無属性は確かに希少だけど身体能力強化ぐらいしか使えないと言われていて人気はない。


 僕がしょぼくれていると父さんは優しく諭してくれた。

『いいかフェイ。魔法は創意工夫次第でどうとでもなる。たとえ強いと言われている属性を持っていたり、たくさんの属性を持っていても本人が上手く扱えなければ意味がない。一つの属性でも極めればソイツらを越える魔法使いになれるもんだ。俺の身近にはそういう奴が何人もいた。だからフェイ、無属性だけだからといって落ち込まなくていいんだよ?』


 (確かに派手な魔法が使えなくて残念だけど実はそこまで落ち込んでないとは言えない)



 ◇



「フェイ様朝ですよ」


「う~ん…もうちょっと~」

 

 そう強請る(ねだる)僕をメイドさんは優しく起こす。それから服を着せてもらう。正直前世の記憶が戻ったときはメイドさんに着せられるのに少し違和感があったがさすがにもう慣れた。前世の記憶が蘇ったことにより食事のマナーが煩わしく感じることもあるが今世の記憶が失くなった訳ではないので問題はない…とおもう。


 前世の記憶が戻ったことにより様々な問題が生じてきた。先程述べた問題とは別にまず大変なことは口調がふとした瞬間に前世のものになってしまうことだと思う。ある日の朝、寝ぼけてそれ以前では有り得なかったた言葉遣いすると御付きのメイドが驚いてしまったことがある。その後それに気づいたときは冷や汗が止まらなかったね。とりあえず、昨日読んだ本に描いてあったもの真似したとか言い訳してなんとか誤魔化たが。他にも精神年齢が上がったことで落ちついた態度をとっていると怪訝な目で見られることがあるし、急に勉強や武芸に力をいれたらどこか頭を打ったかと心配されるようになってしまったり…。


 なので細心の注意を払って生活しようと決意した。せめての子供の内は誤魔化せるようにしたい。


 これは問題ではないがなぜか僕だけ黒髪だった。どうやら父方の家系に黒髪の人がいたみたいだから先祖返りというものらしいが…。他の兄妹はお父さんかお母さんのどちらかの髪色をしているのに…


「どうして僕だけ…」


「どうかされましたか?フェイ様」

 

 ボソッと呟いた言葉が聞こえていたようだったので「何でもないよ」と言って口を閉じた。


 さて、そろそろ朝食の時間だ。食堂にいかないとね。



 ◇



 食堂に向かうと家族はみんな既に席に着いていた。


 僕の席はシャルル兄さんとアルという弟の間にある。食卓は縦が長い長方形の形をしていて一番奥のこの長方形で言えば横になる部分のある二つの席に父さんと正妻であるセレーネ母さんが座っている。僕からみて左、父さんからみて右に座っているのがステラ母さん、左に座っているのがエトワール母さん、そこから左右の順でシャルル兄さん、ルナ姉さん、僕、シェリー(妹)、アル(弟)、ノワール(妹)が座っている。ちなみにセレーネ母さんはシャルル兄さんとシェリーの母、ステラ母さんはルナ姉さんとアルの母、エトワール母さんは僕とノワールの母である。


 そう父さんには妻が三人もいるのだ。しかもまだ若い。弟妹やお母さんがまだまだ増えそうだ。特にメイドのアステルはかなり怪しい。

 


 ◇



 アストラル家は貧乏である。それもそうだ、なんたってアストラル家は父さんが興したからばかりだからね。父さんは元々は冒険者だったけど冒険者時代に挙げた功績が認められて男爵を授与されたらしい。とはいえ与えられた領地はこの土地を治めていた貴族が税を掛けまくったせいで領民の生活は貧しかった。だから国王から領地の他に貰ったお金で税を緩和したり公共事業に金を使ったりしていたら底をついたみたい。だから今は冒険者時代に稼いだお金を切り崩したり使用人を最低限だけ雇い、食糧は近くにある森から獲ってきたりしていると家庭教師から聞いた。この人は父さんとセレーネ母さんと学生時代から仲良くてその縁で家庭教師をしているらしい。でも家庭教師のお姉さんが父さんを見る目がおかしい気がする…。


 まさかこの人もお母さんになったりしないよね?フリじゃないよ?



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