「BAR CURIOSへようこそ!!!」
おりん
猫娘
狗神
悠介
颯太
小豆洗い
「あやかし横丁」
(SE:ライター音)
おりん「ここは妖横丁にある、とあるBARでのお話。
BGM~
今日も夜な夜な、人ならざるものたちが集まってくる。
妖怪・幽霊・魑魅魍魎、来る者は様々だ。
この前はいわゆる、【人間】が迷い込んできた。
そんな誰しもがほっとできる場所。
それがこのBAR「CURIOUS」なのさ。
CURIOSとは、好奇心の強い不思議なとゆう意味だ。
この店は妖怪のBAR。
ネーミングとしては、ちょうどいいだろう?
毎晩、心に傷を負ったものが、1杯の酒と陽気な音楽を楽しんでいつもの現実へと戻っていく。
それは、人も妖怪も同じだと、あたいは思うのさ。
心の器が溢れた時は川と同じで決壊する。だから涙が溢れて止まらないのさ。
そんな心に新しい水を入れて満たしてやる。(SE 水を注ぐ音)
それがこの店の存在意義。
まあ…飲みつぶれるバカもたまにいるがね笑
おっと!
話はここまでだ。これから開店準備なんでね。
あんたも1杯
呑んでいくかい?
あたいがごちそうするよ?」
(SE:入店を知らせる鈴の音)
猫娘「いらっしゃいませ~!カウンター席へどうぞ〜!」
店内BGMが流れる(丸の内サディステやィック)
おりん「そこ!酔っ払ってんじゃないわよ!あたい特製のツマミを台無しにしたら容赦しないわよ!」
猫娘「あん?姐さんのツマミが台無し?無理やり食べさせたろうかぁぁぁ!」
狗神「お騒がせして申し訳ありません。お客さま…っておや?お久しぶりでございます。」わ
小豆洗い「今日もここは元気がいいのう。活気が有って楽しいところじゃ。それに比べてワシと来たら・・・。」
狗神「そんなこと言ってたら、すぐ落ち込んでるのバレちゃいますよ?稀代の妖怪カウンセラー小豆洗いさま。」
小豆洗い「良しとくれ。昔の話じゃ。」
おりん「たく、今どきの妖怪はマナーってのがなってないね。ん?小豆洗いのおじさんじゃないか?珍しいじゃない。最近は全然、顔も見せてくれなかったってのに。」
小豆洗い「すまんのぅ~。色々あってのう。」
おりん「とゆうことは、なんかあったんだね?とりあえず積もる話もなんだから、なんか頼みなよ。あたい特製のツマミもあるよ。」
猫娘「狗神さーん。5番テーブルにマンハッタン2と、アレキサンダー3でーす。」
狗神「かしこまりました」
小豆洗い「そうじゃのう。そしたらその特製ツマミとバーボンをロックでお願いするかのう。おりんも一緒に飲まんか?」
おりん「いいのかい?じゃあ先につまみ作ってくるよ。ちょいと待っときな」
小豆洗い「それにしても、狗神君もバーテンダーが板についてきたよのぅ。」
狗神「いえ。私なんてまだ若いので。バーテンダーは酒を覚えて、50年は若手ですので。」
小豆洗い「殊勝な心がけじゃのう。」
狗神「お酒の味はその人の人生や季節に寄って移り変わるものですから。」
おりん「はい、おまち。(SE皿の音入れてから)おりん特製 3層のテリーヌ 季節のソースを添えて。残したら承知しないよ。」
小豆洗い「おお!こんなのも作れるようになったのか?!妖怪も変わるもんじゃな」
おりん「こんなのってなんだい!あたいが下手みたいな言い方さね。」
小豆洗い「そりゃあ・・・のう?」
狗神「あの頃は、鯛のカルパッチョに味噌とキャラメルを合わせたソースを掛けてみたり、ラーメンなのにイチゴジャムと生クリーム乗せたりと、あやかし界の化け物料理!なんて言われてましたからねぇ・・・。」
おりん「あーもう!(SE:机叩く)あの時はあの時さね!思い出させるんじゃないよ!(乾杯)それで、今日はどうしたんだい?随分と落ち込んでたじゃないの。」
小豆洗い「そうゆう所は直ぐに気づくのぅ。 以前、話した悠介とゆう人間の話を覚えておるか?」
おりん
(酒を飲んで)「ゆうすけ?ああー。あんたが助けてあげた人間の話だよね。そいつが、どうしたんだい?」
小豆洗い「それがのう。いつも行く沼に手紙が置いてあってのう。読んだら日曜日に子供を連れてワシに会いたくて来るそうなんじゃ。しかし、子供にはワシが見えてもあの悠介には見えん。なんかいい方法は無いかのう。」
狗神「それなら、おりんさんの変化の術はいかがですか?」
おりん「そんなわけにいかないよ。あれはあたいの妖力が結構無くなるんだ。」
猫娘「何のお話ですかー?」
おりん「あんたはほんとに噂が好きな猫だねー。時給下げられてもいいのかい?」
猫娘「ひぃぃぃぃ!それだけは勘弁してください。でも、それならいい方法があって・・・」
小豆洗い「ん?見ない顔じゃのう」
猫娘「あ、挨拶遅れてすみません。先月から働かせていただいております猫娘と申します。それでなのですが・・・」
狗神ナレーション
「何やら色々と大変そうな予感ですね。そしたらわたくしは皆様に内緒で小豆洗い様のお話されていた人間。とやらを透視してみましょうか。」
颯太「ただいまー!」
悠介「おかえり。ご飯出来てるよ。」
颯太「わーい!」
悠介「こらこら。ちゃんと手をあらっておいで。あと調べ物をしたいからちょっと書斎にいるよ。」
颯太「はーい!」
狗神ナレーション「そうゆうと、悠介は書斎の引き出しから古いお守り袋を取り出した。」
(SE:引き出し音)
悠介「あの時あなたに会えたこと、とても感謝しています。息子にもぜひ会ってあげてください。」
颯太(SE:ドアノックしながら)
「お父さーん。」
(SE:引き出しを閉める音)
悠介「ん?どうした?」
颯太「日曜日ってどこに行くのー?」
悠介「それはな。お父さんにとって1番のお気にいりの場所。さあ、一緒にご飯でも食べよう。今日は颯太の大好きなオムライスだよー?」
颯太「わーい!」(やったぁ✨)
狗神ナレーション「2人は仲良く下のリビングへと、降りていった。」
おりん「だーかーらー!あたいの妖術は今は使えないんだよ。」
猫娘「いいじゃないですかー。姐さん!ちょっとぐらい!」
狗神「(咳払い)2人とも。次のお客様がお待ちです。お仕事してください。あと、小豆洗いさま。」
小豆洗い「ん?」
狗神「それについてはわたくしめにお任せを。小豆洗い様は普段通り、いつもの沼へとお向かい下さい。」
小豆洗い「分かった。頼む。」
狗神「はい。」
狗神ナレーション「こうして、BAR
CURIOSの夜は更けていった。」
猫娘ナレーション「日曜日のお昼。悠介と颯太は小豆洗いの住む沼へ向かうべく山へと入っていった。」
颯太「ねえー?おとうさーん。ほんとにこっちなのー?もう歩き疲れたよー。」
悠介「ごめんな~。確かあそこに見える林を抜けて上がった所のはずなんだ。」
颯太(SE:スライム握りながら)
「地面はぬかるんでるし、なんかここ汚いよー。ほんとに沼なんてあるのー?」
悠介(颯太に振り向き)「我慢してくれ。颯太。ここは元々、人が通らないけもの道なんだ。」
悠介「先週来た時に、迷わずに来れるように目印を作ったんだ。確か、分かりやすいようにハンカチを枝にくくりつけてあったはず。
悠介(周りを探してハンカチが結ばれている枝を見つける悠介)あ、あそこだ!颯太!おいで!こっちだ!」
必死に悠介に追いついて息が上がる颯太
颯太「ハアハア。おとうさん。1人で行き過ぎだよ。」
そんな颯太とは対照的に目を輝かせている悠介
悠介「ほら、見てごらん。確かに有っただろう?」
颯太「はぁはぁ。ふう。えっと、そうだけど・・・誰も居ないじゃん。」
悠介「そりゃあ、妖怪は簡単には出てきてくれないさ。ここでお父さんと休憩しよう。颯太の好きなオレンジジュースもあるぞ~。」
颯太 「うん!」(すぐ)
小豆洗い「あの子らじゃ。」
おりんナレーション「木の奥から小豆洗いたち一行は悠介達を眺めていた。」
狗神「さあ。今です。行きましょ。」
小豆洗い「しかし・・・わしは。」
狗神「その前に・・・これを持って行って下さい。」
小豆洗い「これは?」
狗神「あやかし界に伝わる、秘伝のお守りです。これを通して相手に触れると相手からも見えるそうです。」
おりん「まーた、あんたは怪しげな物を。」
狗神「まあ、私はそちらの業界に精通していますからね。」
小豆洗い「ありがとう。狗神くん。」
狗神ナレーション「そして小豆洗いはそっと颯太の肩に触れた。」
颯太「え!?なになに?」
悠介「ん?どうかしたか?」
颯太「いや、今、誰かに触られて・・・
って誰もいない。おかしいなー。
SE(小豆の音)
颯太「え!?なんの音!?」
狗神ナレーション「颯太は音のする方に目をやると小豆洗いが立っていた。」
颯太「ええー!?おじちゃん誰ー!」
悠介「そこに…誰かいるのか?」
颯太「え?おとうさんには見えないの?なんか知らないおじいちゃんが沼の真ん中に立ってるんだ。」
悠介「おじいちゃん…その人の見た目と服は?」
颯太「えっと・・・なんかみすぼらしい格好で、手に赤い豆みたいなの持ってるの。」
悠介「赤い豆・・・?(思い出したかのように)ああ…その人だよ。颯太!その人こそ!お父さんの恩人 小豆洗いさんだ!」
颯太「そう・・・なの?(小豆洗いを見て)おじいちゃんが小豆洗い…さん?」
狗神ナレーション「小豆洗いは颯太に近づくと数粒の小豆を入れたお守りを渡し、微笑み(ほほえみ)ながら姿を消したのだった。」
颯太「あれ!?おじちゃん消えちゃった!」
悠介「(軽く微笑んで)また消えてしまったんですね。あの時みたいに。」
悠介(思い出を懐かしむように)
「お父さんの時もそうだったんだよ。颯太。お父さんが颯太ぐらいの年の時だったかな。ここでお父さん1人うずくまって泣いてたんだ。
そしたら暖かい手がお父さんの頭をふっと撫でたんだ。驚いて、お父さん、顔をあげたらさ。目の前に小豆洗いのおじさんがいたんだ。そして今、颯太が持ってるのと同じ お守りを渡してくれたんだ。(古いお守りを颯太に見せながら)お父さんが持ってるのと一緒だろ?
颯太「ほんとだ…(小さく驚く)」
それからかな~。次の日から学校で友達が出来るようになったんだよ。」
(途中で驚きのリアクション)
颯太「え!?お父さん・・・なんでそれ知って・・・。」
悠介「内緒にしていてすまなかったな。実は先生からクラスで上手く友達が出来てないと電話が先週あってな。でも、もう大丈夫!颯太には、小豆洗いさんからいただいたこのお守りがあるんだから。」
颯太 「(希望を込めて)うん!」
おりんナレーション「遠くから眺めていた妖怪たちがほっとした様子で話し始める。」
狗神「もう大丈夫そうですね。」
小豆洗い「わしも力が老いぼれたのう。渡すだけで精一杯じゃ。」
おりん「良く頑張ったよ。それにしても、あんなものどこで手に入れたんだい?狗神」
狗神「さあ・・・それは企業秘密です。ただ、高かったですけどね。200万は。」
おりん「にひゃ!?そんなことやってるから店がいつまで経っても繁盛しないんだよ!」
狗神「おりんさんも夜な夜な試作を作っているから出費がかさむんじゃないですか?」
おりん「なんだってぇ?」
猫娘「まあまあ、姐さん、落ち着いて下さいって。」
狗神「おりんさんは怒ると面倒くさいですね。
僕はお先に失礼致します。」
狗神ナレーション「おや、まだ見ていらしたのですか?このお話は秘密にしていてくださいね?奇妙な出来事は秘密にしてこそ、味わい深いものなのですから。」




