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フリークス・パーティ  作者: 依空 まつり
第10章「オズの魔法使いなんて、いないから」
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【10-1】プロポーズはその辺から引っこ抜いた花で

 フリークス・パーティー準々決勝の最後の試合は、薔薇庭園で行われる。クロウとピジョンが戦ったのと同じ場所だ。

 庭園の秋薔薇は、初夏の薔薇のような鮮やかさは無いが、穏やかな色味で品良く庭園を彩っている。

 そんな美しい庭園で、ドロシーはイライラと靴のつま先を上下させていた。

 庭園にはドロシー、オウル、進行役のドードー、そしてエリサの四人が集っているが、ウミネコだけがまだ来ていない。

 怖じ気づいて逃げ出した……なんて、あの男に限ってありえないだろう。むしろ、うっかり寝坊したという方が大いにあり得る。

「ねぇ、もう試合開始一分前なんだけど、あんたの騎士はどこ行ったのよ?」

 ドロシーが刺々しい口調でエリサに言えば、エリサは困ったように眉を八の字に下げて、へらりと笑った。

「いやぁ、それがですね……『ちょっとやることあるから、先行ってて』と言われまして……」

「試合の前にわざわざやることって、何よ?」

「……さぁ?」

 エリサも困ってはいるようだが、それでもウミネコを心配している様子は無い。むしろ、一番困っているのはドードーだろう。腕時計を見てはソワソワと辺りを見回して、ウミネコの姿を探している。賭け金や観戦料が絡むから、運営側としては、何が何でも試合を成立させたいのだろう。

 やがて、時計の針が残り二十秒を示したところで、渦中の男はいつもと変わらぬのんびりとした足取りでその場に現れた。

「おっまたせー」

 その手に泥つきの花を握りしめて、ずるずると引きずりながら。

 花は数本まとめて適当に引っこ抜いたらしく、根っこも泥も、ついでにダンゴムシもついたままである。

『おーっと! ウミネコ選手、なんか適当に引っこ抜いてきたっぽい花を持って登場だーー! というかその花はどこから持ってきたー!』

「その辺の花壇から引っこ抜いてきた」

 さらりと答えるウミネコに、ドードーが派手な仮面の奥で目を剥いた。

『〈女王〉の花壇から!?』

「近くに花屋がなくてさー」

 そう言ってウミネコは、手についた泥を適当にズボンの裾に擦り付ける。見かねたエリサがハンカチを差し出すと「サーンキュ」と言って、手を拭った。

 一体全体、この男は何を考えているのか。ドロシーは警戒心を隠そうともせず、ウミネコを睨みつける。

「……あんた、試合前に何考えてるわけ?」

 ドロシーの問いに、ウミネコはあっけらかんとした口調で言った。

「ん? だって『宣誓』には花が必要じゃん?」

「……はあ!?」

 ギョッとするドロシーに、ウミネコは満面の笑みを浮かべて、泥つきの花を差し出す。

「ってわけで『宣誓』するぜー! オレが勝ったらドロシーちゃんはオレのものー!」



 * * *



 優花の隣でテレビ画面を見ていたクロウは、画面を見て目を剥いた。

「何考えてんだ、あいつ……」

 タチの悪い冗談を聞かされたかのように頰を引きつらせるクロウに、優花は恐る恐る話しかける。

「『宣誓』ってあれよね……サンヴェリーナちゃんが初戦で花を差し出された……」

 騎士が敵の姫に花を差し出し『宣誓』をすることで、勝利した際は賞金の代わりに相手の姫を貰うという特殊なルール。この場合、ウミネコが勝利したら、賞金の代わりにドロシーを貰い受けることになる。

 クロウは理解できないと言わんばかりの顔で、額に手を当てて首を横に振った。

「今は準々決勝……まして、勝ったら五百万だぞ。それを放棄して、ドロシーを貰う理由はなんだ?」

 テレビ画面の中のウミネコはいつもと変わらない能天気な顔をしている。

 ウミネコがドロシーに執着する素振りなど、優花もクロウも見たことがない。一体、彼は何を考えているのだろう。

 二人は考えに考えた末に口を開いた。

「……オレは、奴が何も考えてないに一票」

「……ごめん、私もそれに一票」



 * * *



 試合中は、宣誓に用いた花はスタッフが預かることになるので、ドードーが若干嫌そうな顔で泥付きの花を受け取っている。

 その様子を眺めながら、オウルが口を開いた。

「ドロシー」

「何よ」

「宣誓とは何だ」

 答える気も起きず、ドロシーがげんなり黙り込んでいると、ウミネコが陽気な声で言った。

「つまり、オレが勝ったらドロシーちゃんはオレのもの、ってことさ」

 オウルの目が微かに見開かれ、ウミネコとドロシーを交互に見る。表情こそ変わらないが、動揺しているのは明らかだ。


『では張り切って今回の会場とギミックの説明をしましょう! 今回舞台となるクリングベイル城庭園はクロウVSピジョン戦で使われた薔薇迷宮とは少し離れた場所にある広い庭園! この庭園の両端には巨大な鳥籠が設置されております』


 今回のギミックは鳥籠。ともなれば、真っ先に思いつくのは、姫を鳥籠に閉じ込めて、時間経過と共に命の危機が迫る時間制限型のギミックだ。アイアンメイデンやギロチンなど、姫をその手の器具に拘束するギミックは珍しくはない。

 だが……


『今回は、この庭園の両端に設置された鳥籠に、それぞれの騎士を閉じ込めさせていただきます!』


 そう言ってドードーはポケットから鍵を取り出す。派手な装飾の施された美しい金色の鍵だ。キーリングを通す部分には、真っ赤なリボンが結ばれている。


『この鳥籠の鍵はそれぞれ、庭園のどこかに隠されています。姫がいかに早く自分の騎士を閉じ込める鍵を見つけ出せるかが、勝負の分かれ目です! ただし、試合開始から三十分経過した時は、どちらの鳥籠も自動的に開くのでご注意を!』


 この説明に青ざめたのが、エリサだ。

 エリサは頰をヒクヒクさせて、虚ろな目で呟く。

「つまり私はドロシーさんに殺されないようにしつつ鍵を探すか、三十分逃げ回らなくてはいけない……」

 そしてエリサは非常口の位置を確認し、ウミネコに頭を下げた。

「ウミネコさん、短い間ですがお世話になりました。サヨウナラ」

「諦め早くね!?」

 叫ぶウミネコにエリサが「いやいやいや」と手をパタパタ横に振る。

「だって無理です。どう考えたって、三十分以内に私がドロシーさんに殺されて試合終了です」

「そうなる前にエリサちゃんが鍵を見つければ……」

「そんな余裕あると思いますか? 見て下さいあのドロシーさんの顔!」

 ドロシーはニタァと口の両端を持ち上げて笑った。

 獲物を見つけた肉食獣のように、目を爛々と輝かせて。

「殺る気満々ですよ、あれ! あああああ……死んだ。絶対死んだ。誰ですかこんなギミック選んだ人は……」

「姫同士の殺しあいが見たいってリクエストでもあったんじゃね?」

「不公平じゃないですか! ドロシーさんは戦闘能力ありますけど、私はただの一般人なんですよ!」

 そう、試合開始時点で互いの騎士は鳥籠に閉じ込められている……ともなれば、姫同士の殺し合いが発生する可能性もある。そうなった時、エリサが圧倒的に不利なのは言うまでもない。

 ついてるわ、とドロシーはほくそ笑んだ。もとより、今回は姫殺しで試合を即終わらせるつもりだったのだ。こんなにお誂え向けなギミックは、そうそう無い。

「ドロシー」

 ウミネコ相手になりふりなんて構ってられない。まして、負けたらウミネコの所有物になるなんて絶対にごめんだ。この試合、ドロシーは絶対に負けられないのだ。

「ドロシー」

 あのエリサという姫に恨みはないが、今回は犠牲になってもらおう。

 なにせ、これはただの格闘試合じゃない。バケモノ達のフリークス・パーティなのだから!

「ドロシー」

 延々とドロシーの名を呼び続けるオウルに、ドロシーは耳をピクピクさせて怒鳴った。

「なによ! さっきからうるさいわね!」

 途端にオウルは黙り込む。

 何か言いたいことがあるのだろうとドロシーが口をつぐむも、オウルは何も言わない。

「…………」

「…………」

 沈黙に負けて、ドロシーは口を開いた。

「……なによ、なんか言いなさいよ」

「ウミネコとの戦闘を提案する」

「はあ!?」

 思わず叫ぶドロシーに、オウルは淡々と繰り返した。

「ウミネコとの戦闘を提案する」

「誰が二回言えっつったのよ!」

「…………」

 オウルは黙り込み、無言でドロシーの返事を待っている。

 ドロシーは躾のなっていない飼い犬に言い聞かせるような態度で、強気に言い放った。

「今回は姫殺しよ。こんなおあつらえ向きのステージなんだもの。他に選択肢なんて……」

「何故、ドロシーはウミネコを怖がっている」

 静かなその一言が、ドロシーの心臓を叩く。

 過去の悪夢が鮮明に蘇る。



『なあなあ、その尻尾本物?』



 イタイイタイイタイイタイイタイイタイ

 タスケテタスケテタスケテタスケテ

 ダレカダレカダレカダレカダレカダレカ



 ──ぶちり



『あーあ、千切れちゃった』



 ケラケラと笑う、赤い悪魔の声。



「う、うるさいうるさいうるさい!」

 ドロシーは過去の残滓を振り払うよう、髪を振り乱して叫ぶ。

「とにかく、今回はアタシがエリサって子を殺して試合終了よ! あんたはその鳥籠の中で大人しくしてなさい!」

 ウミネコはすぐには鳥籠から出てこない。その間にエリサを殺してドロシーが勝つ。

 たったそれだけ。簡単なことだ。

(アタシは怯えてなんか、いない)

 手負いの獣のようにフーフーと荒い息を吐くドロシーを、オウルはやけに透明な目で見つめていた。


『それでは、それぞれの騎士と姫は移動していただきましょう!』


 スタッフに案内され、ドロシーとオウルは庭園の東の端、ウミネコとエリサは西の端に移動する。そこには、人間一人が余裕で入れるだけの大きさの鳥籠が鉄柱から吊るされていた。

 鳥籠はデザインこそ瀟洒だが、黒光りする鉄の檻はこの美しい庭園では明らかに異質で、不気味な存在感を撒き散らしている。

 オウルが鳥籠の中に入ると、吊るされた鳥籠はキィキィと音を立ててゆっくりと揺れた。鳥籠は地上から三十センチほど浮いているから、必然的にドロシーはオウルをいつも以上に見上げる体勢になる。

「いいこと、余計な手出しをしたら、ただじゃおかないんだからね!」

 スタッフが鳥籠に大きな錠を落とす。カチン、という音がやけに大きく聞こえた。

 姫のスタート地点は自分の騎士のいる鳥籠のそば。今頃、エリサも西の端にある鳥籠のそばにいるはずだ。

 エリサはきっと身を隠して移動しながら、鳥籠の鍵を探すだろう。だが、ドロシーはネコ科のキメラだから、耳の良さには自信がある。

(すぐに見つけ出して……喉笛をかき切る!)

 ドロシーは指を軽く握り、親指の腹で自身の鋭い爪を撫でる。キメラは総じて爪や牙を強化されていることが多い。ドロシーもその例に漏れず、爪は下手なナイフよりよく切れる。姫は武器を持ち込めないから、これがドロシーの唯一の武器だ。


『それでは、準々決勝第四試合……始めっ!』


 試合開始を告げる鐘が鳴る。

 さぁ、フリークス・パーティの始まりだ。

 ドロシーは脇目も振らず、ウミネコの鳥籠目指して走り出す。背後のオウルになど目もくれず。

 鳥籠に残されたオウルは己を閉じ込める鉄格子に手をかけると、無言でその手に力を込めた。



 * * *



 試合開始と同時にクロウは断言した。

「ドロシーは、絶対にウミネコとの戦闘を回避するだろうな」

「……なんで?」

 やけに強い口調のクロウに優花が疑問の声をぶつければ、クロウは遠い目をして言う。

「ウミネコの二つ名は?」

「……トラウマメーカー」

「ドロシーは、以前ウミネコに半殺しにされてる」

 優花は思わず「うわぁ」と呻いた。

 トラウマメーカーに恥じない彼の戦いぶりを、優花は既に目にしている。

 初戦でたっぷりきっちりトラウマを植え付けられた、あの生意気な少年は元気にしているだろうか? 今もくるみ割り人形とおろし金の悪夢に魘されていなければ良いのだけど……

 そこまで考えて、優花はハッと動きを止める。ドロシーがウミネコとの戦闘を回避するということは、即ち……

「エリサちゃんが、危ない!!」

 ウミネコと戦わずにドロシーが勝利するとなると、狙うのはただ一つ。姫殺しだ。

 エリサの危機に優花は青ざめ、狼狽えていたが、クロウはいっそ対照的なほど落ち着き払っていた。

「まったく、このギミックを選んだ奴はどうかしてるぜ……」

 そして、画面に映る鳥籠を見据えてクロウは吐き捨てる。


「無意味にも程がある」



 * * *



 ドロシーは薔薇園を走りながら、その猫耳をヒクヒクと震わせて、エリサの位置の把握に努めた。

(エリサって子の気配は……スタート地点から動いてない? 隠れる気はないのかしら?)

 まあ、隠れても隠れなくても同じことだ。ドロシーの耳はわずかな足音だって聞き逃さない。

 このギミックになった時点で、ウミネコとエリサの敗北は決まっているのだ。

 やがて薔薇のアーチをくぐり抜ければ、庭園の西の端に辿り着く。

 鉄柱から吊るされた鳥籠の中では、ウミネコが胡座をかいて欠伸をしていた。バトルアックスは足元に置いたままだ。

 エリサは鳥籠のそばに立ち尽くして動かない……勝負を捨てたのだろうか?

「よっ、ドロシーちゃん。鍵は見つかった?」

 ウミネコが鳥籠の中からヒラヒラと手を振る。ドロシーは油断なくウミネコを睨みつけながら答えた。

「鍵なんて探すまでもないわ。アタシがその子を殺すんだから」

 殺意をぶつけられたエリサは、硬い顔で唇を噛み締めている。

 試合開始から僅か数分で、エリサが鍵を手に入れた可能性も視野に入れていたのだが、どうやら杞憂だったらしい。エリサはまだ鍵を見つけていない。

 唯一警戒すべきはバトルアックスだが、大きい斧なので鳥籠越しにドロシーを攻撃するのは難しいだろう。柄の部分だけなら鳥籠の隙間から通すこともできるが、その程度の攻撃ならドロシーでも回避できる。

 ドロシーはウミネコの動きに注視しながら、エリサの首をかき切る隙を狙った。

 ウミネコが子どものように唇を尖らせる。

「えー、正面からかかってこないの? なんなら、あのオウルってのと二人がかりでもいいんだぜ」

「あいつの力なんて必要ないわ」

「なら尚更さぁ、オレと遊ぼうぜ、ドロシーちゃん」

 その手には乗るものですか、とドロシーは小さく舌を出す。

「……この状況であんたと戦うつもりはないわ。わざわざ鍵を探したり、三十分も待ったりなんて馬鹿馬鹿しいじゃない」

「あ、やっぱそう思う? そーだよなー、鍵が開くのを待つなんて面倒だよなー。だからさ……」

 ウミネコは立つ上がると、鳥籠に手をかけた。

 ギシッ、と金属が軋む音がして、鉄格子がゆっくりとゆっくりと歪み、隙間が広がっていく……人一人が通れる幅に。

 唖然とするドロシーの前で、ウミネコは脱出ショーに成功したマジシャンのように、両手を持ち上げてポーズを取った。

「大・脱・出! イェイ☆」

 ウミネコはバトルアックスを肩に担ぐと、鳥籠からひらりと飛び降りて着地する。

 エリサがげんなりした顔でウミネコを見た。

「もうホント、ウミネコさんのこういうところ見るたび、化け物だなあって思いますよ」

「いやー、それほどでも」

 ケラケラと笑い、ウミネコはバトルアックスを軽く振るう。ヒュオンと風を切る音が、死神の鎌の音に聞こえて、ドロシーは立ち竦む。

「さぁ、エリサちゃんは巻き込まれないように隠れてろよー」

「はいはい、ご武運を」

 エリサはウミネコを上手いこと盾にして、そそくさとその場を逃げ出した。

 後に残されたのは、ドロシーとウミネコの二人だけ。

「さてと……それじゃ、いっくぜー! そぉれ!」

 ウミネコはバトルアックスを振りかぶり、まるで木の棒でも振り回すかのように軽々と振り下ろす。

 ドロシーは、ヒィッと喉を鳴らしつつ、必死に自分に言い聞かせた。

(落ちつけアタシ……ちゃんと回避すれば大丈夫……大丈夫……)

 斧の軌道が途中で直角に曲がる。縦振りから横振りに薙ぎ払われた斧の先端がドロシーのジャンパースカートの裾を千切り、その勢いのまま大木を斬り倒した。

 大木がメキメキと音を立てて倒れ、地面を揺らす。

「ひっ……ぁっ……」

「ちゃんと避けなきゃ、ミンチになっちゃうぞ」

「あ、あんた、自分から宣誓しといて、アタシをミンチにする気!?」

 宣誓は姫の身柄を貰い受ける契約だ。姫が死んでしまっては元も子もない。

 それなのに、ウミネコは恐ろしいほどあっけらかんとした態度で言った。

「んー、その時はその時?」

「なっ!?」

「いいじゃん、()()()()()

 最後の一言にドロシーの背すじが凍る。

(まずい。ウミネコのスイッチが入った……っ!)

 ()()()()()()ウミネコは、一番タチが悪いのだ。

「いっくぜー! えいや!」

「っ、ああ……」

 足が震えてもつれた。

 跳躍力には自信があったのに、うまく跳べない。

 ドロシーはなりふり構わず地面を転がって逃げ回った。ウミネコの斧がドロシーの顔の真横に突き刺さる。

 こいつは本気でドロシーの頭を潰す気だ。

「い……っ、やぁぁぁあああっ!!」

 気がつけばドロシーはウミネコに背を向けて、がむしゃらに走り出していた。無我夢中で、目に涙を浮かべて。

 その後ろ姿にウミネコがぽりぽりと頰をかく。

「あり、逃げられちった……鬼ごっこはあんま得意じゃないんだけどなぁ」

 まぁいっかと呟き、ウミネコは鼻歌交じりに走り出す。

 幼さの残る顔の中、愛嬌のある丸い目をギラギラと好戦的に輝かせて。


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