表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

胡桃割り人間

国家権力の一端を手玉に取り、人の道から外れたが…通学路には戻った正樹。

食パンをかじるユイは、正樹と腕を組んで歩いている。

「あんちゃん、あんちゃん」


「ご機嫌だな、ユイ」


「あんちゃんと一緒だから楽しいよぉ」

デレ(о´∀`о)デレのユイは正樹の肩に頬を擦りつけた。

正樹は目を細めて、うざったそうにため息を吐いた。

世界レベルの金髪の超絶美少女に抱きつかれて、この余裕。


「「「チッ」」」

二人の周辺を歩く(オス)から舌打ちが漏れている。

側から見れば羨ましい光景であり(男子目線)


恨めしがり家の童貞に

1刺殺(前菜)

2滅多刺し(メインディッシュ)

3微塵切り(デザート)

のフルコースをお見舞いされても、おかしくない状況である。



「肉欲はちっとも滾らないけど、いい気分だぜ」

ロリ味の無い美少女の頭を撫でる正樹。

豚共に見せつけるように。

「地雷でも踏んで四肢四散してから野良犬に肉片喰われて死んねばいいのに」と思われても仕方ない所業である。

ポケットに手を突っ込み、優越感に浸った。周辺の雄共を見下しながら歩いた。


「おはよう正樹!」


地方レベル美少女の胡桃が、正樹の前に現れた。取り巻き(雄共)を引き連れて。

正樹はヒラヒラと手を振った。

取り巻き(思春期真っ盛りの雄共)の目線は、あっという間に、ユイに奪われた。

「正樹…隣の子は?」


「おぅ…おはよう粉々のウォールナッツ、掲示板見てるなら言わずとも分かるだろ?」


「フギュン!何ぉっ!?」

誤魔化して笑う胡桃。艶々した黒髪が春風で揺れた。

「こっち来い、10分で済む、ちゃんと吐かせてやるよ」

正樹は鼻で笑いながら、ポケットから手錠を取り出した(オマワリサンのオトシモノ)


「私ヤジウマなんてネット掲示板知らない!興味ない!」


「お、軽く吐いたな」

胡桃は笑顔をキープしつつ、額から汗をダラダラ流した。

ユイは首を傾げて、ポケットからハンカチを取り出した。

「胡桃ちゃん、風邪?」


胡桃の額から流れた汗を、優しく優しく拭いた。

「んにゅっひぃ…」

胡桃はブルブル震えながら、踵を返した。音の壁を突き破る心意気で逃げ出した。

「じゃ!学校でぇえ!!!」


「!?(`・∀・´)!?」

ユイは驚き、目を丸くした。

棒立ちのユイは雄共(取り巻き)に囲まれた。屍肉に群がるゾンビのように物欲しげな目の取り巻き達。


「おはようございますぅ???」

ユイは???(*´∀`*)???とクエスチョンマークを果てしなく増産させた。


「ユイ、危ないからハンカチ捨ててこっち来い」

「はぁーい」

ハンカチは投げ捨てられ、宙を舞った。地に落ちた瞬間、ハンカチに群がる男子共。

特S級の特選和牛を食えなければ、A級の黒毛和牛の切り落としでいいや…の現象である。


「あんちゃん行こ、行こ」

ユイは再び正樹と腕を組み、すっぽりと元の位置に戻った。

二人は腕を組みながら、桜の雨に打たれて歩いた。

校舎が見えてきた所で、正樹はふと思い出した。


「ランとレンはどこだ?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ