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【新入社員研修資料】微小重力環境下におけるビジネスマナー

作者: naro_naro

 本資料では、微小重力環境下におけるビジネスマナーを扱います。ビジネスマナーの基本や我が社における位置づけなどは配布済みの資料を参照して下さい。

 なお、本資料で扱うビジネスマナーはお客様が人間であると想定しています。人工知能については別資料で扱います。


1.微小重力環境とは


 微小重力環境の定義については、学術上、政治上、軍事上など様々なものがありますが、理解しやすくするため、本研修においては、『地球の重力加速度以下、かつ、排泄時には補助具を取り付ける必要がある環境』とします。

 具体的には、地球と月の軌道上、ラグランジュ点上の各施設を指しますが、今後増減することがあり得ます。


2.挨拶における『体軸』


 挨拶の基本は先の研修で行いました。基本的には地球上でも微小重力環境下でも変わりません。

 しかし、大きく違う点もあります。それは『体軸』です。頭から足を結ぶ線を言いますが、注意すべき点となります。

 微小重力環境下においては、挨拶時にお客様と『体軸』をずらす事は厳禁です。安全上の要求のみが唯一の例外となります。

 『体軸』方向は以下の優先順位で判断します。


(1)お客様の『体軸』方向

(2)施設の上下の方向(掲示されていない場合は周囲の状況で判断します)


 誤解されがちですが、地球や月が見えている時でも、それらは判断基準にはなりません。

 また、若者を中心に、「軸ずらし」と称して四十五度刻みに軸をずらし、それによって意思や感情を伝えるという流行がありますが、仕事の上では絶対に行ってはいけません。


3.誘導する、される


 施設内では、お客様を誘導する、または、お客様に誘導される場合があります。この場合、安全を最優先とします。以下のビジネスマナーは、安全が確保された状況としています。


 誘導する場合、ガイドレールやガイドバー、その他移動機器を用いることを原則とします。押す、蹴るといった推進方法は通常業務では用いません。

 また、先導する場合、通路の高さや幅、速度によっては『体軸』が傾くことがありますが、後から来るお客様の顔近くに足が来ないよう注意を払います。目安としては「お客様に足の裏を見せない」程度とします。

 停止時は制動グリップなどがある場合は使用します。停止後、腕を大きく伸ばし、後から来るお客様を補助します。

 なお、すでに研修した通り、ビジネスマナー上ではお客様との過度の身体的接触は避けるべきですが、この場合は例外です。


 誘導される場合も、上記のビジネスマナーを基本とします。しかし、お客様に先導頂いた場合、停止時にお客様の制動補助に頼り切ってはいけません。制動して頂いたことには感謝しつつ、壁面、天井、床面を用いて運動量の大部分を逃がすようにします。


4.施設外宇宙空間における安全確保の重要性


 施設外宇宙空間での業務においては、安全確保とその状態の維持のみを行います。

 研修したビジネスマナーはすべて適用されません。これには例外はありません。


5.まとめ


 新入社員各人においては、ビジネスマナー研修を通じて社会に羽ばたく人材となり、我が社と社会の発展に尽くすことを期待しています。


 不明点があれば総務・人事までご連絡下さい。


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