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昔と小さな気遣いと。
今から4年前、俺が18の頃だ。部隊の精鋭の中の精鋭、討伐隊の新人としてやってきた俺の前に、13歳だった彼女は当然のようにそこにいた。優雅にソファに腰掛けて、深緑の瞳で俺を見ていた。「ねえ、紅茶入れて」まだ幼さの残る声だった。それが、アーリーンとのファーストコンタクトだった、というわけだ。
紅茶なんか入れたこのなかった俺は、四苦八苦しながらどうにか紅茶らしき液体を出した。対する彼女の評価は、まずい、苦い、ぬるい。美味しい紅茶が飲めなければ、途端に不機嫌になったっけ。
今では俺の紅茶をにこにこしながら飲んでいる。そんなアーリーンは、「ねえってば!!!」弾かれたように寝ていたはずのアーリーンを見ると、深緑と目があった。「今度はあたしが起きてるから。早く寝なさいよね。あんたが寝不足だと明日あたしが迷惑」刺のある言い方の中に小さな気遣いを感じて、俺は目を閉じた。
や、お久しぶりです
2ヶ月も更新しなくてごめんなさい(しかも短い)