夜しるべの道
涼やかな空気が
鈴が鳴るよに流れていて
静けさの満ちる
アスファルトに
真白の月が影を縫う
ただ一人と道を行く
だあれも気に止めることはない
ほんのりと染まる
あのカーテンの向こう側から
だあれの関心も染み出さないよに
夜が満ちる
張りつめたよな
黒々とした道の上に
夜が沈む
耳の奥で鳴る
あの鈴の音を連れて
それからふと
緩やかな闇を抜けた部屋で
まどろむ私が
窓の外を眺めながら
一人帳の中を行く
一人の少女を思うのに
小さく僅かに目を細めて
だあれもいない
夜半の空気をふわりと揺らした