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プロローグ

 なにも変化のないつまらない毎日。ただ同じ事の繰り返し。朝起きて、朝のニュース番組を見ながら朝ご飯を食べて(たまに食べないで・・・・)毎日同じように学校に行って、同じような顔ぶれが並ぶ教室で、内容は変わるけど、雰囲気は何も変わらないつまらない授業を受ける。クラスメイトと昨日見たドラマの話やくだらない話なんかして、何がおもしろいのかもわからないまま友達に合わせて笑う。誰かの悪口を言って笑う。ねえ、なにがそんなにおもしろいの?

 学校が終わったらうちに帰る。部活なんて入っていない。だって、めんどくさいじゃない?うちに帰ったら着替えて、適当にゴロゴロして・・・そうして一日が終わる。ほとんど毎日こんな感じ。これの繰り返し。変化なんて多少はあったとしても大きくは変わらない。日々が変わるわけじゃない。つまらない毎日。こんな世界で生きてる意味なんて、きっとない。死んだらこことは別の世界に行くって言うけど、一体どんな所なんだろう?わからないけど、きっと・・・・・ううん、絶対こんなつまらない、くだらない世界なんかよりはずっと楽しいと思う。こんな世界なんかに未練なんてない。だから・・・・死んでもいいよね?

私は机の引き出しからカッターナイフを取り出した。中学の美術で使って以来ずっと使われることなく机の中にしまってあったけど、奇跡的にさびついてはいなかった。カッターの刃を出し、深呼吸をする。

「お父さん、お母さん。先立つ不幸をお許し下さい・・・・なんてね・・・」

両親が私の死体を見つけるのはいつだろう。うちは両親共働きで、しかも二人とも忙しい人で基本的にうちにはいない。私は昔からいわゆる「鍵っ子」というやつだった。中学の頃、一度無断外泊をしたことがある。3日ほど家には戻らなかった。その間、一度も両親から連絡が入ることはなかった。ただ気づいていなかったのか、それとも気づいていたけどわざと何も言わなかったのか・・・・そこは結局わからない。だけど、どっちにしてもなにか違うと思わない?だから、私の姿が見えなくても、きっと両親は気にもとめないだろう。まあ・・・今更だし、どうでもいいけどね。

もう一度、今度は大きく深呼吸をし、カッターの刃を手首に当て、思い切り引く。痛い・・・当然だ。私はカッターで手首を切ったのだから。血管を深く傷つけたためか、血が大量に流れ出す。血って赤いと思ってたけど黒いんだな〜・・・死ぬ前にちょっとおもしろいこと発見しちゃったな。ああ・・・意識が遠くなっていく・・・・私、死ぬんだな〜・・・・これでやっと退屈な毎日から抜け出せる。さようなら、つまらない世界・・・・

私はゆっくりと目を閉じた。

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