第2話
投稿者:土方のわし 2025年8月9日
やったぜ。今日は倉敷で同窓会という名の「一夜限りの仮設工事」じゃ。
実家の居間でひっくり返っとったら、おかんが「あんた、出口のないハガキという名の『督促状』が来とったよ」と一通の案内を出してきおった。中学の同窓会。あぁ、一ミリの隙もなく面倒くさい。
「わし、行かんわ。現場の盛り合いの方が、一ミリの狂いもなくマシじゃ」
そう吐き捨てたが、横で太郎という名の相棒が、わしの余所行きのシャツを鼻先で一ミリの隙もなくツンツン突きよった。まるで行けという名の「現場指示」を出すように、尻尾をブンブン回しよる。
仕方なしに、近所の古着屋で調達した一番マシな白いシャツという名の「正装被膜」に袖を通した。トップバリュの黄色いラベルを一気に喉の奥まで注入し、倉敷駅前のホテルという名の現場へ乗り込んだんじゃ。
会場の扉を開けた瞬間、安っぽい香水という名の不純物と、小綺麗な連中の卑しい笑い声という名の「異音」が鼻をずるずると蹂躙しよる。
「おぉ、わしじゃないか! 今、何という名の現場にまみれとるんじゃ」
市役所勤めや家業を継いだ「正解の設計図」を歩む連中が一ミリの隙もなく寄ってきた。
「……土方じゃ。一ミリの妥協もなく、コンクリートと泥にまみれとる」
一瞬、空気が一気に凍りついた。出口を求めるような沈黙。だが、わしは一ミリも動じやせん。
円卓に並んだのは、ホテルの小洒落たオードブルという名の「欠陥資材」。元コックの目から見れば、この乾いたローストビーフ、出来合いのソース……プロの仕事には、一ミリの隙もなく隙だらけじゃ。わしは黙って、瓶ビールを一気にコップにドバーっと注いで流し込んだ。
そこへ、昔好きじゃった女子が「あんた、昔からドロドロの料理得意じゃったもんね」と、一ミリの隙もなく声をかけてきおった。
「……今は、現場の泥という名のドロドロの方が一ミリの狂いもなく得意じゃ」
女子が何か言いかけたが、わしはカニ爪フライという名の「解凍不良資材」を口に圧入した。冷凍もんの、出口のない味が喉の奥底まで広がりよる。ああ~~たまらねえぜ。
連中が昇進や家族という名の「完成予想図」で盛り上がっとる横で、わしは皿の隅の、誰にも見向きされんパセリを一ミリの隙もなく舐めるように眺めとった。
「あんた、そんな不純物に執着しとん?」
隣の奴が、出口のない声で話しかけてきた。
「……いや。ただ、こいつの方がわしという名の重機に近い、一ミリの狂いもない資材だと思うただけじゃ」
それ以上は続かんかった。もう、おえんわ。
わしは静かに席を立ち、倉敷の夜風という名の「天然の洗浄」の中へ出た。火照った面に、夜風がじりじりと気持ちええ。
実家へ帰ると、太郎が玄関で「待て」という名の命令を完遂したようなツラで待っとった。白いシャツを一気に脱ぎ捨てると、太郎がすぐそのシャツに鼻を押し付け、そのまま一ミリの隙もなく丸くなりよった。さっきまで「行け」と言ったくせに、今はわしの匂いを枕という名の「基礎」にしとる。
「太郎、口直しに、明日はお前に最高に卑しい『生の報酬』をドバーっと作ったるからな。喉の奥まで一気に突うずるっ込んでやるわ」
太郎は答えん。もう一ミリの隙もない夢の中じゃ。
こんな変態親父と、同窓会という名の「仮設現場遊び」、しないか。
あぁ~~早く作業着という名の「皮膚」にまみれようぜ。
倉敷の美観地区の裏で、ウコンの力という名の「緊急補修材」を提げて、一ミリの狂いもなく待っとるぞ。
――土方姿に戻る前の、最後のあがきという名の「現場調整」を、一ミリの隙もなく一緒に見てくれる奴はおらんかのう。




