エピソード0
僕は、
その映画のDVDを購入して、
何度も観た。
映画は、映画。
その世界は、
あくまで映画の中における出来事であった…。
その映画の主人公は、
来月30歳を迎えるという男性であった。
主人公は、自動車メーカーであるA社に勤めていた。
彼の世界には、
自動車メーカーは、
A社とB社しかなかった。
つまり、
彼の世界で走る車は、
A社製か、B社製か、の、
どちらかしか、ない。
彼はA社に入社してから、
ずっとA社製の車に関するクレーム対応が業務で、あった…。
A社は毎年、様々な車を、
世に出していくけど、
そうやって市場に出た車が、
何かしら問題を生じるということが、
多々あった…。
彼は、その対応に日々、追われていた…。
それが映画における、
序盤のシーンで、
そこにおいて、
僕、個人が感慨深い場面が、あった。
主人公は、
とあるクレーム対応に彼の上司と、
車で向かっていた。
運転しながら、上司は、
助手席にいた彼に訊いた。
「おまえ、なんで、こんな我が社の車のクレームが少なくないか、分かるか…?」
主人公は、
ちょっと考えて返した。
「車って、ちゃんと正しい手順を踏めば、
そうそう故障とかないじゃですか。
発進、走行、停車、そしてメンテにしても。
ユーザーが、それをやってないんじゃないですかね…だから、何かと不具合が起きる…。」
上司は、それを聴いて言う。
「その要素もある…。
だが、1番の理由は、
我が社の車を乗ってる人が多いからだ…。
マーケットに出回る車の8割が、
弊社、そしてB社の車は2割…。
まぁ、B社は、うちらが、
やっていないバイクも販売してるがな…。
車なら俺ら、
そんな天下のA社一員なんだぜ♪」
映画の中の主人公は、
日頃、がむしゃらに働いているだけあって、
会社からの給与も、それなりをもらっていた。
利便性の良い立地にある、
アパートで独り暮らしをしている。
休日、
街に繰り出せば、
ストリートにホームレスという方々が、
目に入る。
彼は私用を済ませ、帰宅して、
1人、ソファーで横になる…。
部屋のインテリアも充実しており、
彼は己が働いて得た、お金で、
それらを購入していた…。
順風満帆な過程では、なかったかもしれないが、
彼は現状、仕事に打ち込み、
住まいも、なかなかのものであった…。
【深層心理】という言葉が、
あるけど、
僕は、あまり、
そう言った言葉に振り回されないように、
している。
《映画の中の話である。》
主人公は不眠に悩むように、なっていった…。
それで、
心療内科のドアを叩いた。
男性の主人公を、
男性の医師が診る。
主人公は、
《不眠で苦しい!》と、
強く訴えるが、
医師は、
《睡眠薬を処方すれば、
良い…という問題ではない。》と言い張り、
結局、
主人公に睡眠薬は処方されなかった…。
「何とか、この苦しみを解放してくれ!」と、
再度、訴える主人公に、
医師は互助グループの会合に、
出ることを勧めた…。
主人公は、医師の言うことを聴いて、
それらに顔を出すようになる…。
世の中には、様々な事情で、
心を病んだり、切羽つまってしまった人達がいる…彼らは集い、自身の悩みを告白し、
また他のメンバーの告白に、
耳を傾けて、
立ち直ることを目指していた…。
主人公は、互助会に出ることにより、
思いっきり泣けるように、なってゆく…。
涙腺崩壊…などというが、
思う存分、泣くことは魂の解放なのかもしれない…。
再び、ぐっすり寝れるようになった主人公……だが、それは長く続かなかった…。
主人公が参加する互助グループの会合に、
新参の女性が現れ、
同じ頃に、
主人公は仕事中に、
1人の男と知り合うことになる…… ・




