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騒がしい病室

 「でね、今度彼氏と一緒に本屋デート行くんだー! 本屋でバイトしてる人だから頼れるんだよねー!」


 玄関から案内されて美鈴の自室へ向かう中、いつの間にか華彩の全開惚気に当てられることとなった未来と朝陽。


 「あれ、彼氏さんってこの前は寿司屋でバイトしてたんじゃ……」


 これまで交流のあった未来も、相変わらずな熱気に苦笑を浮かべるばかり。


 「あー、前はね? まぁでもずっとこんな感じで転々としてるから今更だし!」

 「……やっぱり不思議というか、変わった彼氏さんですね」


 以前から未来もその人物の話を聞かされていた。なんでも華彩と同じ大学に通っているようでかなりの気分屋らしい。


 滑らかな木面の階段を踏み締めて3人は2階へ向かう。階段を上りきったところで視線の斜め先からドア越しに物音が聞こえてくる。笑い声が混じったような賑やかな喧騒。


 「さ、あとは4人で楽しんで!」


 手を振って1階へ戻る華彩の背中を見送り、2人はある一室の扉の前に立つ。部屋の中の籠った声が扉の外までも賑やかにしようとしているかのようだ。


 教室で聞き慣れた声が2人の耳に楽しげに流れ込んでくる。廊下は整然としていて、より大きな存在のように響く。


 未来は扉にノックをする。軽やかに弾んだ音が微かに空気を震わせた後、部屋の中から声が返ってくる。


 「はいはーい!」

 「未来だ、入っていいか?」


 彼が確認を取ろうとしたところで、中から騒がしい足音がこちらへ急速に迫ってくる。目の前のドアノブが下がると同時に、彼の視界はドタッという音と共にドア一面となった。


 「いてっ」


 彼は頭部の衝撃で大きく後退する。後方で待機していた朝陽は咄嗟に横に避ける。 


 「あ、悪いな蓮也! 待たせやがってよー」

 「……2度と来るか、和樹てめぇ」

 

 頭を抑えながら未来は目の前の友人を睨みつける。茶目っ気に笑顔を浮かべる和樹の後ろから、本日の主役もとい病人が顔を出す。


 「あ、未来がやってきた! て、あれ……」


 無邪気に笑みを浮かべるパジャマ姿の美鈴だったがすぐさまその隣にいた人物に目がいく。無防備なように思える様相ながら目は点となっている。そしてそれに続くように和樹もようやく気づいたようだ。


 「え、あ、おい未来。なんで……」

 「あ? ああ、朝倉も連れてきた」


 未来の言葉と共に朝陽はペコリと頭を下げる。


 「こんにちは。溝呂木さん、高山さん」

 

 その隣で頭の痛みに未来が顔を歪ませるがバカップル2人はそれどころではない。


 「え、あ、えええ!? 嘘、なんできてくれたの!?」


 驚く美鈴は目の前の和樹を突き飛ばして朝陽の前へ。彼女は朝陽の手を握ってぶんぶんと上下に振る。


 「ありがとありがとありがとー! ほらほら、2人ともこっちおいで!」


 部屋の入り口で壁にへばりついている和樹を横目に2人は美鈴の部屋へ。


 賑やかなお見舞いが幕を開けた。


 


 


 


 


 


 





 

 

 

 


 






 



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