女心
ヤンキーたちは無言で教室を出てしまった。
なんか悪いことしちゃったかな。ブランディング壊しちゃったかも、、、
「さっきの僕にも教えてよ!」
「私も!」
「俺も!」
やれやれ、初日から人気者か。
「ちひろ、ちょっと話が、、、」
まぁそうだよな。
「屋上行こっか」
「うん、、、」
俺たちは階段を登り屋上へと向かった。
「さっきはありがとう」
なんかかしこまってんな。
『キックボクシングやってんだからボコボコにしちゃえばいいのに』なんてことは言えないな。こんなんでも女心はわかってるつもりだ。
「困ってる女の子ミステラレナイダロ」
「なんか棒読みー」
棒読みで何が悪い、、、ふふっ
「あのさ、別に私的にはさっきの話ありだよ」
「さっきの話、、、」
なんのことだ?
「もぉ、なんでわかんないの!付き合うってやつよ!」
俺はわかる。
これで付き合おうなんて言った暁には一生馬鹿にされるに違いない。
「どうせ茶化しだろ?これで付き合おうって言ったら俺のことを馬鹿にするんだろ?わかってるよ美久のことは」
ちょっと強めに言ってやった。
「そ、そうだよ!よくわかったね」
当たり前だろ、何年の付き合いだと思ってんだ。
「それじゃあ私帰るね、明日からもよろしく」
「え?一緒に帰んないの?」
「うん、塾あるから」
美久、塾行ってたんだ。
「バイバイ!」
「ばいばい、、、」
俺はもう少し景色を眺めてから帰るか。
今日から中学生、、、心の準備なんてないまま始まった。
まぁ人生なんてそんなもんだ。死ぬ時に心の準備なんてできない。俺は死ぬとしたら友達に殺されたいな。何もすることがなくなって、周りには何にもない山で1人で暮らしていくんだ。そこに友達が遊びに来る。最後にそいつと酒を交わし、気がつくと殺される。
どう言うことかって?自分でも何言ってるかはわからない。どうせ死ぬ時は1人だ。理想ぐらいあってもいいだろ。
すると
「おいチビ!」
声が聞こえたので後ろを振り返ると何か尖ったものが俺の顔目掛け飛んできていた。俺はまたもや間一髪で避けた。と思ったが右の頬から血が飛び散る。
「シャーペンか?!」
俺はすぐさま戦闘態勢に入った。
「1人か?もう1人はどこいった!」
さっきからヤンキー2の姿が見えない。隠れてるのか?
「一対一でやり合おうじゃないか」
おいおいそのセリフは魔王が卑怯な絡繰を用意してる時に使う言葉だろ。
ヤンキー2はどこだ?絶対1人なわけないだろ。
すると後ろから膝裏を攻撃され、バランスを崩す。俗に言う膝カックンだ。
「うわっ」
思わず声が出てしまった。
ヤンキー2に後ろから羽交い締めにされた。
結構やばい状況じゃないか?
「さっきみたいに関節外して逃げたらどうだ?」
おい耳元で囁いてくるなよ、俺耳弱いんだよぉ。
「そっちはブレスケア使って口臭に気を遣ってみたらどうだ?」
「水西!こいつボコそう!」
くさっ!
俺の近くで息するなよこいつ!
「栗田、そのまま捕まえておけよ」
水西はゆっくりとちひろに近づき、腹を殴った。
「グハッ」
なんなんだこいつら、、、
水西はもう一発、もう一発と絶え間なくちひろを殴り続ける。
「はぁ、、はぁ、、」
まずい、、このままじゃ、、
「美久、、、」
「水西!こいつ彼女の名前言ってやがるぜ!」
「ははっ情けねぇ!」
くそ、、、
「さっきの美久ってやつも今度ボコボコにしちゃうか?」
ヤンキー2め、美久のこと悪く言いやがって、、、
その瞬間水原が栗田の頬を強く殴る。
「何すんだよ水原!」
「栗田、、、一つ教えてやろう。男の役割は女を殴ることじゃねぇ。安心させることだ。女を不安にさせるようなことは一生するなよ。そん時はお前を気が済むまで殴ってやる」
何喧嘩してんだよこいつら。
「わかったか!」
「あ、ああわかったよ!」
「帰るぞ」
「うん」
ヤンキーたちはちひろを屋上に置いて家へと帰る。
「なんだったんだよ」
『不幸は突然やってきて前ぶりもなくさっていく』か。学園生活こんな始まりで本当に大丈夫なのか?
「わっはっは!ボコボコだったな!少年よ!」
肋何本か折れちゃったかな。
「おい?聞こえてるだろ?おーい!」
ママになんて言えばいいんだよ。
「あれ?本当に聞こえてないのか?!」
カチャッ
バンッ
うわっ!今の音なんだ?
ちひろが後ろを向くとそこにはピストルを持ったガタイのいい男が佇んでいた。
誰だ?こいつは!なんで銃を持っているんだ?殺されるのか?くそっ!今日から中学生だっていうのに!
「命だけは助けてください!」
俺はプライド全捨ての土下座をして命乞いをする。
「少年よ、一つだけ答えろ」
「はい、、、」
「強くなりたいか?」
予想外の質問が来た。俺は考えることなく、「はい」と答えた。




