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過去

ちひろは男と一緒に地面に倒れる。

今回、弾をアスティージャ本体に詰める動作を端折った。

だから速度という概念は存在しないし、即効性も1だろう。眠りにつくまで何分かあるかな。


「どうしてこんなことを?」

「なんでそんなこと言わないといけない、、、」

「いいから、言ってください。あなたからは悪者の気配はしなかった」

「俺ぁ大道芸人だった。主にナイフを使ったマジックなどをやっていてな」

「だからナイフをあんなに、、、」

「あぁ、あれも本当は今日使う予定だったんだよ」


「予定、、、?」

「今日もいつものように準備をしていたら中高生くらいの集団が茶化しにきてな、、、そんな中本番、簡単なマジックをやってみた。普段失敗することなんてないのに、初めて失敗しちまった。まぁ案の定、バカにされたよ。子どもを笑わせるためにやってたのに子どもに笑われてしまった、、、」


「、、、」

「少しカッとなってしまったんだ。俺は内ポケットにあるナイフをそいつら目掛けて投げてしまった」

「、、、」

「幸い、そこらへんの道徳心は残っていた。少年たちに当たらないよう投げたんだ。だがまぁ大道芸人が観客に殺意を向けたってなりゃあ問題にもなるわな。即刻クビだよ」

「それで酒に逃げたんですね」

「おい、、、言い方を考えろ、、、って、そろそろか、、、」


麻酔が効いてきたらしい。この人はどうなるんだろうか。

捕まるか、運よく起きれたら逃げられるのかな。


「最後にいいか、、、」

「なんですか?」

「俺は、、、この後どうなる、、、」

「捕まるんじゃないすかね」

「そりゃ、、、そうか。あとひとつ、さっき悪口言ってたって言ったな」

「はい」

「あれは嘘だよ」

「そうっすか」


今の言葉が本当かはわからない。だが、この人がさっきの発言に後悔したのは確かだ。

実際俺はそんなに傷ついてなかったからどうでもいいと言ったらどうでもよかったが、失言をされた側ではなく、した側が気に病むってこともあるのか。

まぁでもすっきりしたな。


「僕からもいいですか?」

「なんだ、、、?」

「クリーガーって知ってますか?」


男はその単語を聞いた瞬間鼻で笑い、一言


「懐かしい、、、」


と言って、眠りについた。

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