ゴミ袋仮面
「正義の味方、ゴミ袋仮面、今参上!」
中学1年生、13歳ちひろ。お母さん、お父さん、僕は今、ゴミ袋を被り、ヒーローごっこをしています。
「君たち、ここは僕に任せなさい」
「あ、あんた誰なんだよ」
「だからゴミ袋仮面だって!」
なんでこいつらのことを助けないといけないんだよ、、、
まぁやるしかないのか
「ってことで、そこの酔っぱらいさん、少し眠ってもらいますよ」
アスティージャ、速度6、即効性5、威力増し増し、悪者退治用!
「アスティージャ発射!」
シャーペンの先からはものすごい速度で麻酔銃が発射される。
速度を3まであげた理由。前回は1で十分だった。1でなければならなかったのだ。相手は一般人で年寄り、そして何より至近距離だった。
だが今回、相手は強盗。
もしかしたらクリーガーの可能性だってあった。速度6、それはだいぶ痛いが、身体に穴は空かない程度の威力、かといって、避けようとして避けれる速度ではない。なかったはずだった。
「なんで避けれんだよ、、、」
「次は俺の番?」
男は内ポケットから投げナイフを取り出し、ちひ、、、ゴミ袋仮面目掛けて思い切り投げ続ける。
ちひろは迫り来るナイフを避けながら考えていた。
なぜあの速度を避けることができたのか。
この男も俺みたいに避けることができるのか?
それとも一時的なバフ?
とりあえずこの男の今の状況でわかることは、、、泥酔してることだけか、、、
泥酔してることだけか!?
そうか、泥酔してるんだ!泥酔してるから足取りが不安定なんだ。男が避けたんじゃない。俺が当てられなかったんだ。遠距離じゃだめだ。近距離戦に持ち込もう。
「あれ〜?当たんないなぁ。じゃあこっち狙お」
男は鮎川らのいる方に3本のナイフを投げる。
まずい、、、!
全部捌き切れるか、、、?
俺は咄嗟に自分の財布を投げる。
財布はぐるぐると回転し、鮎川行きだったナイフに刺され、鮎川の身体にぶつかる。
「いてっ」
財布の厚みがなかったせいで少し貫通していたからナイフの先だけが鮎川の腹に刺さっていた。
まぁでも致命傷は免れただろう。とりあえず1本は防いだ。あとは快速急行栗田と水西行きの2本だ。
そう。栗田と水西、、、多分こいつらを助けるためには俺が傷つくことになるだろう。だからといって何もしなかったらこいつらに突き刺さる。さっきのでわかった。この男の腕は確かだ。仲間になってくれたら心強い。
さぁ本題に入ろう。俺はこいつらにいじめられてきた。ここで俺が見て見ぬふりをすればそんな生活は終わるんだ、、、ここで助けないのもありか、、、
お兄さん、、、?
否!もうこれ以上俺の手の届く範囲にいる人は死なせない!
俺は両足に力を入れ、2人の前に文字通り飛び出す。
そして快速急行栗田行きのナイフを俺の右の手のひら駅で受け止める。
「うわぁああいってえぇええぇ!」
くっそ、、、貫通したぞ!
俺は激痛の中、右手を握り締め、もう1本のナイフを探す。ちなみに今もなお、横向きで空を飛んでいるゴミ袋仮面。
もう1本、、、もう1本はどこだ、、、?
あ、あった。ってこれこのままだと心臓に刺さるんじゃない?!
俺の身体とナイフの位置は約5cm、今は空中にいる。避けることはできない、せめて心臓だけは、、、
グサッ




