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ヒリングさん

ここは、、、?

俺は気がつくと、見知らぬ場所にいた。

そう、そこは見知らぬ場所。だが、なぜか俺は心地良かった。

なぜだかはわからない、木々が生い茂り、その一本一本が生きている、そう感じた。

俺は無数の木を舐め回すように見渡す。すると


「お兄さん!なんで助けてくれなかったの?」


そこには熊に殺されてしまったはずのたかとくんがいた。いや、正確に言うとこちらに迫ってきていた。おぼつかない足取りで、、、

その様子はまるで、腹を満たすために食料を求めて、何も考えずに人間を襲うゾンビのようだった。

俺はその瞬間殺されてしまうのではないかと恐怖を覚え、たかとくんから逃げる選択を選ぼうとしたとき、


「お兄さんのせいで僕、死んじゃったんだよ」


俺のせい。

そうだ、たかとくんが死んだのは俺のせいだ。俺があの時正しい判断をしていれば、何かが変わっていたかもしれない、、、

いや、俺がいたってダメだった。あそこに熊が来る運命なんか変わっていなかったし、ギリギリ勝てなかったヤツより弱いとしても、走れない子供を守りながら戦うなんて、無理に決まってる。


「お兄さんが僕のことを見捨てたんだよ」


見捨てる、、、か。

確かに俺があそこにいたら勝てたかなんて関係ないんだ、俺があの時たかとくんにしてやらなきゃいけなかったのは、一緒にいて、安心させてあげることだったのかもな。

それに何が運命だ。シエルさんがいるのだから熊が近づいてきているのも察知して教えてくれていたはずだ。

ってことはたかとくんが死んだ、、、殺されたのは俺のせいってことか。


「お兄さん見て!虫がいっぱい出てきた!痛いよぉ!取って!えへへへ」


たかとくんのお腹からは蛆虫が湧いている。俺は見た、熊がたかとくんの腹を貪り喰っているのを、、、

痛かっただろうな、、、辛かっただろうな、、、

たかとくんは笑いながら涙を流していた。

ごめんね、、、俺のせいで、、、


「、、コーピオン!スコーピオン!」


あれ?ここは?


「やっと起きたか、すごくうなされていたぞ」

「うなされ、、、ってことは夢だったのか」


ピキんっ


「くっ、いててて」

「動かないほうがいいぞ、Ms.ヒリングに治してもらったがまだ痛むだろ」


ヒリングって誰だ?あ、ざがりこがある。


「ざがりこ取ってもらっていいですか?」


カリッカリッカリッ

「スコーピオン、落ち着いて聞いてくれ」


ん?なんだろ。


「たかと君についてだ、、、」

「そうだ!たかと君はどこにいるんですか?」


ゴリオンさんはどこか、悲しそうな顔をしていた。

そこで最悪な想像が頭によぎる。

わかっていたさ、もしかしたらって、、、でもこうも直球に言われると心が苦しくなるよ。


ゴリオンさんは無言で頷いた。ゴリオンさんは俺に言いたいことがたくさんあると思う。

なぜ護衛をしていなかった?

あの場に居ろと言ったはずだ。

お前のせいだ、、、


「すみません、俺のせいです、、、」

「いや、お前1人のせいじゃない」


違う、俺のせいなんだ。俺がたかと君を殺したんだ。ゴリオンさんもわかってるはずなのに、、、


「ゴリオンさん、あの時、、、」

「ここで、民奈ノ共立動物園から速報です」


急にテレビがついた。なんでだ?


「先日脱走し、世間を賑わせていた熊の太郎くん、光ちゃんの2頭が昨晩何者かの手によって惨殺されたあと、動物園の入り口に置かれていた、と言う情報が入りました。犯人は未だ逃走中、、、」


ガラガラガラガラ


「お!起きた〜?」

「あぁ、寝起きだ、出ていってくれ」


誰だろう、、、

金髪で、ロング。綺麗なパッチリ二重に、洋服とズボンの間からこんにちわしている綺麗なおへそ。短いスカートに綺麗な太もも。そして何より、、、巨乳だ。


「おはよう、私はヒリング。セドノイドで医者をやっているものよ」


この人がヒリングさん、、、

あれ?なんか近づいて来てない?あらやだ。あたしまだ中学生よ?


「ねぇねぇ君さ、限界超えちゃったでしょ」

「え・・・」


思い返してみれば、確かにアドレナリンで限界を超えていたかもしれない。あの出血量でもう少し動いていたら最悪死んでいたかもしれんな。


「お姉さんそういうの大好きよ。でもね、あと何回か今回みたいな傷をして帰ってきたらお姉さん泣いちゃうよ?」


少し頬を赤くしながらこっちを見つめている。


「わかりました」


なんなんだこの人。


「うんうん。ゴリオンもさぁ、あなたバカじゃないの?」

「ばかだと?」

「こんなちっちゃい子仕事に連れてくなんて」

「だって一緒に行きたいっていうんだもん」


は?このおっさん嘘ついてないか?


「まぁ別に知らないけどさ、、、」


ヒリングさんは俺のリュックを漁り始めた。


「あ、それ俺のリュック、、、」

「いいじゃんいいじゃん、なんか変なの入ってるわけじゃないんでしょ?」


確かに入ってないけど、あれが見つかったら、、、


「ん?なにこれ?写真?可愛い!誰このこ?」


んあぁぁぁ!見つかってしまった!美久とのツーショット!

何でカバンに入っているかって?それはまぁ内緒だよ。


「そ、それは、、、」

「彼女?ねぇねぇ彼女?」

「いや、ちが、、、」

「なぁんだ、彼女いたんだ、じゃあ無理か、ばいばいゴリオン」


ヒリングさんは頭を抱え、静かに部屋を出て行った。

無理ってなんだ?あと俺彼女いないし。


「あぁ、またな」


、、、なんだったんだ。


「あの人はなんなんですか、、、」

「いずれわかるだろう」


いずれか、、、


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