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角のうどん屋さん

作者: 黒楓

このお話は残酷な描写がございます。


苦手な方はお避け下さい<m(__)m>

 小さな高架下を抜けた角にそのうどん屋さんは有った。


 うどん屋と言ってもいわゆる飲食店ではなくお客にうどんの玉を売る製麵所の出店みたいなものだ。

お店番は老夫婦で、時折()()()らしきもので、()()()()()ハエや野良などをなんとなく追っていた。


 道路整備が行き届かない田舎町の常で、下駄替わりに使うべき車が混み合ってなかなか踏切を渡れないものだから、線路のあっちの方からこっちの方へ、こっちの方からあっちの方へと、僅かな事で小さな高架下はごった返す。

 クルマやバイクや自転車や人は数珠繋ぎでビー!ビー!リンリンガヤガヤはしょっちゅうなのだが、その日は「ウェッ!」と言う老婆の怒号の直後、「ギャッ!!」と言う断末魔の声が喧噪を微かに切り裂いた。


 ああ、はたきに追われた野良子猫の無残な最期!!


 けれども数珠つなぎの車列はノロノロとした動きを止められず、後味の悪い踏み心地を味わいながら1台1台進んで行き、バイクや自転車や人は目を反らせながらそそくさと通り過ぎる。

 

随分後になって


「まったく!! これでハエにでもたかられたら商売あがったりだ!!」と爺に悪態をつかれて、脇を流れるドブ川に亡骸は履き捨てられた。




目の前に情景が浮かんで、消そうと思いましたが消せなくて(/_;)で書きました。



ごめんなさい<m(__)m>

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― 新着の感想 ―
[良い点] 黒楓師匠が、また見過ごされがちで微妙な闇を浮き彫りに! どこにでもありそうな風景の中、ありきたりでどうしようもなく“普通”だと認識されるストレス。 飼い猫のような望まれた命と違って、誰…
[一言] ……人間心理、ですなぁ。 仔猫を憐れと思いつつも、うどん屋の旦那さんの気持ちにも共感出来てしまいます。 商売絡みとは言え、悪態を付きながらも自分の手で始末をつける辺りは世代ですかなぁ。
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