表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/42

第三幕十七話

突然の同盟のお願いに俺たちは戸惑っている。正直、捕虜による暗殺事件がつい最近あったので、不信感が強いのだろう。


「僕が今回の戦争のリーダーのラグロだよ。出来れば、詳しい話を聞いてもいいかな?」


「ええ、それはもちろん。まず、エルフ内で革命が起こったことはあなた達も知っているでしょ。」


「うん、話に聞いているよ。」


前騎士長ってことはこいつが追い出された側で、復讐したいのだろうか?


「革命を起こしたのは私の親友のレイチェル。親友のだったのに……。もし、レイチェルが地位と権力のために革命を起こしたって言うのなら、私は赦さない。」


「事情はわかったよ。でも、同盟を結ぶのにはいくつか条件がある。一つ、こちらに手を出したら全員死んで償って欲しい。二つ、僕たちを転移魔法でエルフ本陣まで連れて行って。」


「分かったわよ。私もそのつもりだったからね。出発は明日の朝ね。」


「うん、そうしよう。」


話がするすると進んでいく。明日の朝には、エルフとの戦争の決戦になるのかもしれない。レジスタンスと人族によって、エルフという種族は戦争から離脱することになるのかもしれない。この調子で、戦争を終わらせたいと俺は願う。





「クソ、気まずすぎだろ。」


そう、ボヤいたのはマイトだ。エルフのレジスタンスと同盟を組んだのはいいものの、お互いに会話は生まれていない。


「仕方ないのじゃ。どうせ、明日までの仲じゃ。」


「そりゃ、そうだけどよ。」


マイトはそれでも、納得出来ていないようだ。


「あなた、本当にもう少し静かに出来ないの?いつまでもガキじゃないのだから、少しくらい静かにしなさい。」


「はい……。」


マリエッタに怒られて、マイトはしょんぼりとしている。


「僕が喋りかけに行こうか?」


そう、提案したのはローゼルイスだ。


「いや、いいよ。どうせ、女子にちょっかい出しに行くだけだろ。」


「バレてしまったか……。」


いや、誰だって分かるだろ。こうしている間にも二つのグループに分かれており、距離が縮まることが無さそうな雰囲気だ。


「俺、トイレ行ってくるよ。」


トイレに行ってスッキリした帰り、エルフのおじさんが壁にもたれかかって何かを握りしめているのを見つけた。何を握りしめているか気になって近づいてみると何かを呟いているのが聞こえてくる。まさか……詠唱している?


「……ティーリャ、……カスティーリャ。」


更に近づいて聞いてみると、それは詠唱ではなくて、俺も知っている人の名前を呟いているだけだった。


「あの。」


俺は俺の知っているカスティーリャなのか確かめるために、声をかけてみる。


「ん……どうした?」


一瞬、おじさんが持っていたものが見える。そこには、中にカスティーリャの写真が挟まっているロケットだった。


「あなたって、もしかしてカスティーリャの父親ですか?」


俺は少し震えながら。そんな質問をする。


「そうだが、もしかして君はカスティーリャの知り合いなのか?」


おじさんはすごく驚いた顔をしながら、俺に質問する。


「はい、カスティーリャさんの最期を見ました。彼女は最期まで勇敢に闘おうとしていました。」


「本当かい?君はまさか、剣教室の生き残りのロージェンなのか?」


「はい、あの事件の唯一の生き残りですよ。」


「少し、君の魔力に触れてもいいか?」


「どうぞ。」


このおじさんは俺を通して、カスティーリャの魔力に触れてみたかったのだろう。


それから、暫くカスティーリャの話で盛り上がっていると人とエルフがだんだん集まってきた。


「ロー、遅い。」


「悪い、悪い。」


俺は誠意を込めて、ティナに謝って、人とエルフの間に入って、話を盛り上げにいく。これで、少しずつ緊張がほぐれただろう。


「ロージェン、ありがとうね。」


みんなが喋っている中、ラグロ班長が隣に座りに来た。


「いえいえ、たまたま知り合いの父親が居たもんで。」


「その知り合いはどうしたんだい?」


「もう、死んでしまいました。」


ラグロ班長は少し申し訳なさそうな顔をする。どうして、申し訳なく感じんる感情を持っていながら、この世界は殺しが当たり前なのだろうか。


「そっか……。ごめんね。」


「もう、十年前なんで大丈夫ですよ。」


「十年前か……。騎士をやっていると、たくさんの仲間の死に立ち会ってしまう。自分の目の前で殺されるのをみると、寝れない日だってある。君もそのことをちゃんと理解していて欲しい。君は将来、騎士を背負っていく器になるだろうからね。」


「それは、ありがとうございます。」


騎士を背負っていく器と言うよりも、力を持っている自覚はある。だから、その自分の力をフルに利用したいと思う。


「じゃあ、そろそろ休むようにね。明日は歴史を大きく動かす一日になるかもしれないからね。」


「はい。」


ラグロ班長はそう言って、戻って行った。それを合図に自然とみんな、寝る準備を初めて明日に備え出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ