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第三幕十一話

名前変更を行いました。

シュガ→ティナ

俺らは砂漠のエリアまで着いて、野営することになった。テントを張って、火を起こしたりして夜に備えている。


「なあ、自己紹介とかさせた方がいいんじゃねえか?」


「ダメじゃ。どうせ殺すあの捕虜に情がうつったら面倒じゃ。」


みんなで捕虜がいる気まずさをどうするかを話し合っている。ミカエルの言うようにこの捕虜は殺される。だから、下手に関わらないのがベストだ。



「あーしらでもう、殺しちゃう?」


「「「「ダメだろ。」」」」


セレンはとんでもないことを言い出す。捕虜を勝手に殺したりしたら、大問題だろう。例え、明日には殺されているとしてもだ。


「冗談だっつーの。」


セレンが言うと、冗談に聞こえないから恐ろしい。


捕虜のエルフはここに着いた途端すやすやと気持ちよさそうに眠っている。俺はその姿に違和感をおぼえる。捕虜が寝ているとかそういう当たり前の違和感ではなくて、もっと大きい何かに……。


「みんな、今日一日お疲れ様。調理班から、みんなそれぞれ、配給を受け取って。これを食べたら、捕虜の見張り以外は早めに寝るようにしてね。」


「「「「はい。」」」」


ラグロ班長から、今日の戦争の終了の合図を受ける。殆ど歩いただけで終わってもちゃんと、労いの言葉をかけるラグロ班長は偉いと思う。


「では、我が配給を取ってくるのじゃ。」


「おう、サンキュー。」


「つまみ食いしたら、殺すぞ。」


こういう時でも、首席のミカエルがみんなの役割をしてくれている。個性の強いやつが多い班だが、ミカエルによってよく纏まっていると思う。


「取って……きたのじゃ。」


ミカエルは両手と頭まで使って、大量の食料を持ってきた。


「「「「おお。」」」」


皆、豪華なご飯に自然と歓声をあげる。俺のいた世界ではありえない豪華さのご飯だ。これを可能としているのが調理班の『恩寵』なのだろう。異世界マジ最高。


「訓練でもこの飯出せや。」


「食べながら、喋らない。マナーが悪いわよ。」


「はい……。」


マイトはマリエッタに怒られて、静かになっている。他の人の言うことも、もう少し聞いて欲しいことだ。





いつの間にか、夜になりどこのグループでも、寝る準備を初め出した。


「じゃあ、我から見張るのじゃ。適当な時間にミルフと代わりに行くから、それまで寝ているのじゃ。」


「りょ……了解です。」


ミルフはたどたどしく返事をする。


あれ、一番目ってその後ぐっすり出来るからせこくね?


「ロー、こっち。」


そういえば、今日はティナと過ごすのだった。すっかり忘れていた……。


「おう。」


ちょっとだけ緊張しながら、ティナの元へと行く。き……緊張してるなんて、ちょっとだけだよ。そう、ちょっと。


「おい……てめえら、戦争中にイチャコラする気か?」


「はぁ……バカなの?」


「あ?」


ティナは、つっかかってきたマイトにため息をついている。


「おい、てめぇ。」


マイトがティナの肩を掴もうとしている手を俺が振り払う。


「なんだよ、てめえもやるのか?」


「やってやんよ。」


俺はティナの肩を触ろうとしたマイトに少しイラついている。たまには、このわがままな餓鬼をぶっ飛ばしてやりたい。


マイトは手から爆発させて、こっちに猛スピードで突っ込む。俺はそれを冷静に見て固めてやろうとしたら、俺らの間に人影が見えた。


「やめるのじゃ。」


ミカエルは、マイトを人差し指で止めて、俺に止まれと指示している。


「ちっ、わーたっよ。」


マイトは大人しく(?)寝所へと戻って行った。


「ロージェン、明日も戦争だし、夜襲があるのかもしれぬのじゃぞ。もう少し冷静に対応するのじゃ。」


「それ、マイトにも言って欲しかったな……。」


「ロー、行こ。」


そういや、ティナがマイトに喧嘩売ったからこんなことになってるんじゃ……?まあ、そんなことは忘れよう。今から、ティナとの時間を楽しまないとな。


「ロー、乾杯しよ。」


「え?」


「騎士になって、戦争するローの夢、叶った。」


「そのために呼んだのか?」


わざわざ、こんなことを祝ってくれるとは……。


「いや、それはついで。」


ついでと言われて、少しショックを受ける。


「じゃあ、なんでなんだよ?」


「あくまでも推測だけど、捕虜が毎回殺されているのに、投降するのはおかしい。どうせ死ぬなら、命が尽きるまで頑張る筈。エルフのことだから、情報は伝達出来ている筈。それでも、続けるのには意図がある筈。だから、ローを一人にしたくなかった。」


俺は、ティナが過去一の長文で話したことよりも、ティナの思考に驚いている。とても論理的だ。今すぐ、ラグロ班長に……


「ぐぁぁぁぁああ。」


俺らの班員じゃない叫び声が聞こえる。ティナの話を聞いたせいか、嫌な予感がする。俺とティナは同時に外に飛び出した。


「な……」


外に見えたのは、ミルフの死体と、頭の無くなった捕虜を踏みつけているローゼルイスの姿だった。

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