第2話 出会い
暇なので皆で思い出を振り返る事にした。
これは私が皆と出会うまでの話。
眩しい光が、カーテンの隙間から差し込む。
殺風景な部屋で死んだはずの私は目を覚ます。
ここ…どこ?
辺りを見渡すと、少し埃を被った大きな木箱がぽつんとあった。
なんだろう?と埃をはらって箱を開けてみる。
すると中に紙が一枚だけ入っていた。
「おはYO!準備ができたら庭にきてくれフリ!庭は部屋を出て右に曲がるとあるフリ」
変な文が書いてあった。
怪しいと思ったものの、このままでは何も分からないので庭に行く事にした。
「待ってたフリ!」
手紙の主と思われるウサギのコスプレをした金髪ロングが現れた。
「ペギはペギコって名前フリ」
「早速説明を始めるフリ!」
「おー早く早くー」
他にも同じ状況の人がいるようだ。
「ここは生と死の境フリ。今からキミ達には生き返ってルミアっていう街に住んでもらうフリ。不安もあるだろうけど、仲間といれば意外と大丈夫フリ」
ルミア…聞いた事あるような気がする。
思い出した、私の故郷に伝わる伝説に出て来た街だ…!
名前が同じなだけかもしれないけど、本当にあったんだ。
「これからどうなるかは街に着いてから話すフリ。」
空から電車が飛んできた。
「街にはこれで行くフリ!さあ、みんな乗るフリ~」
「だりー」
「疲れた」
「わくわく」
電車にはざっと数えて100人くらい乗っている。
伝説の街に行けるというから興奮するが、知らない人と知らない場所で暮らすという不安の方が勝ってしまう。
「着いたフリ!この建物の中に入るフリ」
電車から降りると、おとぎ話のような世界が広がっていた。
景色に見惚れる暇も無く、皆ぞろぞろと大きな建物の中に入っていく。
中は、普通に綺麗な普通の学校だった。
「今からここで生活してもらうフリ。」
「すいません、私達はどうなるんですか?」
「キミ達にはこれから崩壊した世界を元に戻してもらうフリ。途中で出てくるモンスターもやっつけてもらうフリ」
「ちょっと!そんなの無理ですよ!」
「そーだそーだ!メロンそーだ!」
「やってみないと分からないフリ!モンスターと戦う練習を始めるフリ!」
モンスター!?怖い…逃げたい…
「なんでいきなり知らない所に連れて来られてモンスターと戦わされなきゃいけないの!?意味分かんない!」
「イラつくからその変な喋り方やめてくれない!?」
「えっと、こっちにも事情があるの…戦うって言っても敵は弱いし、生活も慣れたら楽しいから…だから、一度やってみてほしいの」
ペギコは怒られて急に弱々しくなった。
「本当に?」
「うーん…そう言うならやってみてもいいけど?」
皆意外とちょろかった。
「…それじゃ武器を配るフリ~」
武器と言って手渡されたのはリボンだった。
「リボン…?これでどうやって戦えと?」
「ちょっと名前を言ってみてフリ」
「え?崎守 恵夏」
名前を言うと、持っていたリボンに付いた宝石がカラフルに光った。
「次は目を閉じて欲しい武器を想像してみてフリ」
私の欲しい武器…なんだろう。
「じゃ、目を開けるフリ」
目を開けると、リボンを持っていない手には杖が握られていた。
「ワオ!何これ!」
「その武器の攻撃はモンスターにしか効かないフリ。人はすり抜けるフリ」
「杖を持っている人は、魔法を使おうと思ってみてフリ」
空から唐揚げ、降ってこい!
……唐揚げが降って来た。
床に落ちたので食べられない。残念だ。
「今から毎日このカカシに100回攻撃するフリ!」
「うわー、だるぅ…」
「素振り1000回よりマシ。」
100回攻撃を当てれば良いなら、100連撃を放てば一瞬!?
「100連撃でも100回攻撃するフリ~」
うわー、だるいぃ…
終わった…終わったよ…
「ふぃぃぃ…」
「はぁ…はぁ…」
「これでモンスターと戦えるフリ~」
「で、モンスターって何?」
「モンスターは、リボンを持っていると赤く光って見えるフリ!出会ったら攻撃してみるフリ。でも光らないモンスターも出始めたみたいフリ…」
なるほど。やってみないと分からないってことか。
「配っている冊子に書いてある指示に従って生活するフリ。じゃあ今から自由行動フリ~」
まずは自分の部屋に入ってみよう。
「おじゃまします…」
「おっ、はじめまぽんぽこぽん」
「めましてー」
やばい…変な人達と同室だ…
「自己紹介しよ!」
「わたしの名前はフニャ子だよ!」
「レオン」
「ゴンザレスよ」
「エリン」
「モンテフィーヌですわ」
「セリアです」
変な名前の人もいる…
[レオン]「君は?」
「あっ!えっと…はなです!」
[フニャ子]「よろしくねー!」
[モンテフィーヌ]「よろしくお願いいたしますわ」
[レオン]「夕食の時間だー!」
[ゴンザレス]「さー行きましょう、決戦の地へ」
決戦って何……?
あああああああっもう、頭おかしくなりそう!
[レオン]「あの時はまだまだだったね。」
[ゴンザレス]「そうね。」
次回は出会った後の話。