フクトミさんとモモコさん 其の3
「もう視えていると思いますが」
「はい・・・・助けていただいて・・・」
モモコさんは落ち着きを取り戻すと、フクトミさんと向き合った。
「私たちは席を外しましょう。サトウくんが認識しているのでモモコさんにも視えるはずです」
僕らは部屋を後にし、外へ出た。
「モモコ・・・・・」
「・・・・私を殺しに来たのね?」
「まさか、俺は君を愛していたよ。いや、今も愛してる」
「・・・・じゃあどうして?」
「さよならを言いたくてさ。俺はもう少し、あの人たちと人助けをしたいんだ。君がいるこの世界で」
「そう・・・・」
「そうだ、すまないが、お坊さんに屋敷を除霊してもらったんだ。流石にタダというわけにはいかないからな。少しだけ”貸して”くれないか?」
「プッ・・・」
「??・・・どうした?」
「あはは!変わってないわね、そういうところ」
「死んでるのにどうやって返すのよ?」
「う・・・・それもそうだな・・・・」
「まったくもう。それにもともとはあなたのお金よ。何より悪いのは私だし」
「・・・・・モモコ」
「仲直りできたみたいですね」
声がダダ漏れだったので、これは不可抗力だろう。僕たちは一部始終を聞いていた。
正直なところ、僕はフクトミさんがモモコさんを呪うんじゃないかと、少しだけ危惧していた。
と、その時、僕はまたもや霊力を感知した。
「・・・・!・・・・ハンネさん!まずいです!」
僕らはまたも土足で上り込む羽目になった。