◇48◇ 急襲。【ヘリオス/フランカ視点】
◇ ◇ ◇
「!!!」
轟音が響くとともに、楯を構えたアイギスが俺の前に飛び出した。さらに続く音……銃声だ。楯でアイギスが銃弾を受けている。
俺を背中にかばいながらアイギスが続ける。
「銃撃です!!
お二人は生身のお体ですので、私の後ろに!!」
「貴女はっ!?」
「問題ありませんっ」
ライオット家に伝わる魔法……身体強化魔法だ。
フランカが俺の後ろに入った。
いま、このタイミングでの銃撃?
俺たち3人ともを狙ってか、それとも。
アイギスが取り出したライオット家の家宝の楯“アイギス”は、明らかに面積以上の銃弾を弾いている。
魔法全盛の時代に作られた、魔力を帯びたアイテム、魔道具だろうか?
しかしそれでも開けたこの位置からだと、銃弾を浴び続けて自由に動けない。
撃たれるリスクをおかして遮蔽物のある位置まで動ければ、と横道に目をやったとたん、血の気が引いた。
「フランカ、下がれ!!」
「!?」
俺までは間に合わない。フランカの身体を後ろに突き飛ばした、その一瞬あとに、横道から暴走する馬車が突っ込んできた。
暴れる馬と重い車体の勢い。
俺は馬にはね飛ばされて、2馬身(4.8メートル)は下にある川面へ落ちた。
落ちる瞬間に見たアイギスは、馬の体当たりにも馬車の衝撃にもびくともしないでいた。
馬と馬車は勢いそのまま、俺の上に降ってくる。
◇ ◇ ◇
「ヘリオス!!」
下がれといわれて突き飛ばされた。後ろにしりもちをついた瞬間、目の前を疾走する馬車が通過した。
馬車はそのままヘリオスを巻き込み、川へと落ちていく。ヘリオスを下敷きにして。
「ヘリオス!? ヘリオス!!」
嘘、どうして!?
ヘリオスが、なんでこんなことに!?
馬が溺れ、馬車が沈んでいく。
ヘリオスの姿は水面に見えない。
「フランカさん、ダメです!!」
柵を乗り越えて川に飛び込もうとした私を、アイギス様がすごい力で止めた。
「私が行きますから!!」
アイギス様が私に楯を持たせると、川に飛び込む。
……まだ目の前で起きていることが信じられない。肩が震える。ヘリオスの姿が見えない。どうか無事でいて。お願いだから。
川に入ったアイギス様がすごい力で馬車を押しのけていく。この下に、ヘリオスが??
必死で川を見つめていた私は、背後に近寄る気配に気づかなかった。
「!!!???」
何者かに両腕を捕まえられ、抵抗する間もなく口許に何かを押し当てられた。
布のようなもの。何か変なにおいがする……そう感じたら、意識が遠くなっていく。
(ヘリオスは……)
せめてヘリオスが無事なのかを知りたかったのに、私の意識は闇に落ちていった。
◇ ◇ ◇




