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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

祈りは届かない

作者: N

決してハッピーエンドではありません。

4月8日


今日は友達の歩夢(あゆむ)の14歳の誕生日だ。

「おめでとう」

「ありがとう(まこと)

僕等は幼稚園からずっと遊んだりして仲が良かった。誕生日は毎回祝ってきた。相手の好きな事嫌いな事大体の事は解っているつもりだ。

「なあ、今度ボーリング行かね?」

「ん?」

「だからボーリングだよ、ボーリング!!」

なぜボーリングなんだ?あまり得意ではないはずだ。

「いいだろ来週の4時間授業後な!」

なるほど人の話を聞いてない。諦めて行くか。そこまで嫌でも無いし…





4月13日


遅い、遅すぎる。1時間も遅れている。アイツがこんな遅いわけがない。何かあったなら連絡ぐらいするはずだ。

電話かけるか。プルルルルプルルルル…でない。そうだ家の方に電話してみるか。プルルルルプルルルル…でない。何家族全員で旅行でもいってるのか?ありえないだろう。明日になったら解るはずだ。

一応家に寄って帰ったが静まりかえっていた。





4月14日


今日は学校に来て無かった。


4月15日


今日も学校に来て無かった。


4月16日


今日も学校に来て無かった。

おばさんに話を聞くとあの日事故に巻き込まれてしまったらしい。大型のトラックが信号無視して対向車線のトラックとぶつかり横断歩道を渡ってるとこにぶつかり、意識不明に陥ったらしい。

「そんな…」

病院に行った。走って、転んで、また走る。

受付の人に部屋番号を聞き出す。

部屋に着くとそこに歩夢がいた。

(お願いします。歩夢を助けてくれ)

泣いた。泣きまくった。嗚咽が出た。1時間程度泣いていた。

「じゃあまた明日」

家に帰ったら電話がかかってきた。誰だろう?電話をとった。歩夢のお母さんだった。

「さっき…歩夢が…死にました……」

「                                                                                                                                                 」

言葉が出なかった。

お通夜が行われた。葬式が行われた。そして時間だけが過ぎていった。



大学生になった。

彼女もできた。かなり美人で頭も良い、サークルの仲間も、

「お前って金持ちだったけ?」

などと言われたりもするぐらい。

夏休みに花火を見に行く事になった。ニュースを見ると雨は降らないはずだ。

「臨時速報です。昨晩通りすがりの人を殺害したとされる小野田容疑者はY市で見かけられたそうです。Y市の皆さんは気をつけて下さい。以上臨時速報でした。」

Y市は隣町だ。彼女にどうするかメールした。

「Y市に殺人犯がいるらしい。どうする?」

「隣町だし大丈夫だと思うよ。もしかして私と行きたくないの!?」

「違います。予定通り6時集合」

「OK!!」


「今日楽しかっね」

「うん、とっても綺麗だった。」

「あのさ…また来ようね。」

「…うん」

「もう少しだけ話せないかな?」

「良いよ」

「付き合い出した時本当に嬉しいって思えた。ずっとずっと続けばいいのにと思ってた…」ドサっと倒れる音がした。

「どうしたの!!」

駆け寄った。口から血が出ていた。

「救急車!119!すみません直ぐに来てください!」

「お願いします助けてください。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。」

直ぐに来てくれた。いっしょに病院に行った。

「う〜ん彼女はもともと病気を持っていたみたいだね。このまま安静にしていると大丈夫だと思うけど気をつけてください」

「助かるんですか?」

「安静にしてれば…多分ね」

「ありがとうございます」

病室に行くと彼女が寝ていた。

「よかった。助かるんだ」

本当に助かるのだろうか。あの時歩夢は死んでしまった。今回も同じじゃないんだろうか。それなら僕が……




「正直に答えてください。なぜ彼女を殺したんですか。助かるかもしれなかったのに。」

沈黙が続いた。

「なぜ答えてくれないのかな。こんなにまってるのに2時間も黙りじゃないか」

ようやく口を開いた。



「祈り届かないからです」


よんでいただいた方ありがとうございます。

今回が初めてなのでダメなとこをきちんと教えてください。

これからもよろしくお願いします。





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