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この夢からどれほどの夜を越したか。それもわからないほど遠い昔の夢。
私はショーシャ機関銃を抱えて塹壕に潜っていた。時折身を乗り出して、濃い砂煙の向こうに向かって引き金を引いた。自分の銃声すらも聞こえない静かな場所だった。少し離れたところでうずくまっている戦友はぴくりとも動かない。砂煙の向こうに誰かがいるのか何かがあるのかすらもわからない。ただ私は撃って、隠れてを繰り返していた。
しばらくすると、ひどい圧迫感を感じた。塹壕のが私を押しつぶそうとしているように感じた。私はとうとう塹壕から飛び出してしまった。戦友たちは項垂れたまま私を止めようともしなかった。飛び出して数歩進むと砂煙が晴れた。そこは私の家のダイニングだった。ダイニングは暗かったが、キッチンは明かりが点けっぱなしだった。私は抱きかかえていたショーシャ機関銃を雑誌が積まれている長椅子に置いた。そしてキッチンでコップに水を満たし口の中に流し込んだ。喉は潤わなかった。
ここで目が覚めた。
前回は昼寝でしたが今回は夜に見た夢です