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001.叫び、そして出会い

「ありがとうございました~」


「ペンにノートに服っと・・・・必要なものはこんなものかな?」


 買った物とメモを見比べながら川沿いの堤防を歩く。

 うん。大丈夫そうだ。


 ―――――――――ジリリリリリ!


 電話か。相手はっと・・・・・・・母さんね。


「はい」

「もしもし慎也(しんや)?もう入学の準備はできたの?」


 心配性なのは昔から変わらないな。


「大丈夫だよ。ちょうど買い物終わって帰るとこ」

「そう、よかったわ。それにしてもホントに大丈夫?高校生になるばかりだというのに一人暮らしなんて。やっぱりこっち来ない?」


 そう。これから俺は一人暮らしを始めるのだ。


「大丈夫だよ。行ったらそれこそ大丈夫じゃなくなるよ」

「そうよねぇ・・・・・・やっぱり海外は言葉の壁がねぇ」


 俺の父は仕事の都合で海外に行くらしい。

 そこについていくか、という話になったのだが言葉の問題と家を残すという理由から、管理も含めて一人暮らしを押し通した。ずっと住み慣れた街から出ていくことに抵抗もあるし。

 当然それだけじゃ却下されるから成績上位者に名を連ねることを条件に認められたというわけだ。


 今まで問題を起こしてこなかったことも踏まえて信用されたのだろう。優等生、バンザイ!

 ――――――いや、全く起こさなかったいうわけではなかったが。


「実質もう三年通ったようなものだし、問題もきっと起きないよ」

「そこは心配してないわ。やっぱり一人暮らしの部分よ」

 行く予定の高校は中高一貫校。俺は中学からのエスカレート組・・・内進生だから既に三年通っているようなものなのだ。

 心配されてないのは嬉しいが同時に微妙な感覚にもなる。


「たまに連絡も入れるから。もちろん成績もね」

「・・・わかったわ。たまに帰るから、あまり友達連れ込んで遊び呆けるんじゃないわよ。じゃあね!」


 母さんはそう言い残し、通話口には話中音のみが残された。

 よしっ!あとは二日後の入学式を待つだけだな。

 家に帰ったら念願の一人暮らしを満喫―――――


「モモーー!!戻ってきてーー!!!」

「!?」


 突然響いた叫び声。

 もうこのあたりは閑静な住宅街。道を歩く人も見渡した限りは誰も居ない。

 ということは川のほうか!


「ここの堤防、地味に高いんだよ!っと!」


 胸下あたりまである段差をよじ登りあたりを観察する――――――居た。


 予想していた場所に声の主は居た。

 堤防下の川岸から、その川の中央を注視している少女が。


 少女は座り込んで・・・・・・・泣いてるのか。俺は階段を駆け下りて少女のもとへ向かう。

 これ以上焦らせないよう平静を保ってと―――――


「何かありましたか?」

「モモが・・・・・・川に入って・・・・・・戻ってこなくって・・・・・・」

「モモ・・・・・・?」


 川の中心付近を目を凝らすと泳いでいるのだろうか、頭だけ水面から出している犬が目に入った。

 なるほど、散歩していたら突然川に飛び込んだのだろう。

 川幅はそこそこ長めか、以前授業で調べたときは150メートルほどだと記憶している。

 なら中心に居るとなると7、80メートルってところか。



 ・・・・・・よし、覚悟は決まった。まずは買った荷物を全部置いてと。

 貴重品は・・・・・大して持ってきて無いし別にいいかな。


「悪いけど、これ持っておいて。」

「えっ?・・・わわっ!」


 ジャケットを脱ぎ、携帯と財布を預けてから俺は川へ飛び込んだ。


5/12 表現の調整の為更新

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