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真っ白だったこの家が、彩りにあふれる頃には  作者: 春野 安芸
第1章

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018.ツンデレと噂

 翌朝。川瀬姉妹の訪問というイベントが終わってからつつがなく朝を迎え学校に向かっている途中、前方に智也の姿が見えた。一人で眠そうに歩いている。


「おはよう。智也」

「ん?あぁ、慎也か。よぉ、昨日はあれから問題なかったか?」

「うん、保健室で一眠りして快調になったよ。運んでくれてありがとう。でもお姫様抱っこはちょっと・・・」

「ははっ!入学直後からいいアピールになったじゃないか」

「アピールどころか黒歴史確定だよ!」


 やっぱりお姫様抱っこで運ばれたのか!


「智也はあのあと結局デートに行った?」

「あぁ、あれだけ押し切られちゃあな・・・凄かったぞ、あの剣幕。見せてやりたいくらいだ」

「デートに行かせるために凄い剣幕・・・?何があったの?」

「いや、なんでもない・・・」

「そう・・・何も聞かないの?」

「話したいなら勝手に話すんだろ?お前が話したくなったら聞くことにするさ。別に、お前の周りのことなんてなんとも思って無いからな」

「ありがとう。ツンデレ智也」

「一発殴らせろ!」

「やっば!逃げろ!!」


 完全に無意識での発言だった。うかつな発言のせいでそのまま二人とも校舎まで走って登校することに。




「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・無駄な体力使ってしまった」

「お前が余計なこと言って逃げるからだろ・・・・」


 意外と力入れて走ったせいか思ったより体力を使ってしまった・・・だが不調を感じない限り風邪が全快したことは確定だろう。

 教室に向かう前に寄り道して自販機でジュースを購入する。


「ほら、智也。ジュース飲んでるとこ見たことなかったしお茶でよかった?」

「サンキュ。これで昨日の貸しはチャラな」


 イケメンでこういう男らしいところがモテるんだろうなぁ。

 飲み物を購入後二人で教室に向かう。もう予鈴も近いからか教室には結構な人が集まっていた。俺たちもそれぞれの席へ向かう。


「おぉ、前坂。昨日倒れたんだって?」


 自席につくととクラスメイトが声をかけてきた。昨日倒れた時教室にはまだ人がちらほら残ってたから見ていた人も多かったはずだ。それよりもこの人の名前・・・なんだっけ?中学は一緒だったはずなのに名前が思い出せない。


「うん。もう大丈夫」


 とりあえず思い出せないまま進めることにした。


「そっか。気をつけろよ~。それよりあの超可愛い姉妹、なんだ?中学では見なかったはずだが知り合いか?」

「うん・・・まぁ知り合いだよ。」

「そうか。昨日お前が倒れた時、姉妹二人でお前を運ぶって大外に噛み付いていたんだぜ。それを大外が問答無用でお姫様抱っこで運んでたけどよ。あれか?付き合ってるのか?」


 そうこの・・・クラスメイトは小声で昨日のことを報告してくる。そっか、そんな事があったのか。


「いいや、付き合ってないよ。それ噂になってるの?」

「姉妹のことか?もう俺らもガキじゃねぇし噂になんかならねぇよ。それよりお姫様抱っこの件はクラスの外に出てるし噂になってるかもしれないなぁ」

「えぇ・・・・・・」

「それくらい安いもんだろ。俺も可愛い子に心配されてぇなぁ」


 そう言ってクラスメイトは自分の机へ戻って行く。すると入れ替わりに優愛さんが俺の方に近づいてくる。


「おはよ~。なんか教室入ってきた時えらく疲れた様子だったけどどうしたの?」


 優愛さんは心配そうに伺ってくる。風邪がぶり返したんだと思ったのだろう。


「おはよう。大したこと無いよ。来る時智也とダッシュしたから思いのほか疲れてしまったんだ」


 二人で智也を見るとペットボトルのお茶を一気飲みしていた。満タンからカラまで十数秒ってどれだけ喉乾いてたんだ・・・


「あの・・・・・・慎也くん・・・・・」

「ん?」


 優愛さんに顔を向けると不安?なのか何やら言いづらそうにしている。しばらく待っていると今度は決心したかのようにこちらへ向き直る。


「慎也くんって男の子のほうが・・・好みなの?」

「へ・・・・・・・・・ん・・・・・・えぇ!?どうして!?」

「なんだか・・・教室来る途中に・・・噂で・・・」

「あぁ、なるほどね・・・」


 唐突に変なこと聞いてきてフリーズしたけど噂のことか・・・きっと噂はお姫様抱っこから始まり、最終的に俺と智也はそういう関係って尾ひれが付いたのだろう。


「それは昨日倒れて運ばれたアレの噂に尾ひれが付いたんだよ!俺は普通に女の子のほうが好みだから!!」

「そっかぁ・・・・・・よかったぁ・・・・・・」


 突然爆弾を放り込まれた衝撃で心臓が飛び出るかと思った・・・

 ようやく息も整って来たところで予鈴が鳴る。今日から通常授業のカリキュラムだ。


「優愛さん。昼休みちょっといいかな?クラスで仲良くなれそうな人を紹介したいんだけれど」

「もう考えてくれたの!?ありがとう!!お昼になったらお姉ちゃんと一緒に慎也くんのところに行くね!」


 それじゃあ、と優愛さんは笑顔で手を振って自席に戻っていく。さて、昼休みまでにあの人のアポを取らないといけないな――――――

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