第6話 「キョウユウ人」
秋が清香に渡したアレが明らかに
そして、”月見くじ”に記されたキョウユウ人がついに現れる
第6話もお楽しみください。
話しは、3回目の”月見くじ”を前の日の夜の回想シーンから
夏帆は、”月見くじ”何かを知っている兄の秋に
明日神社に行くことを伝えることにした。
「ダメだ?」
「なんで? 清香ひとりじゃ心配だもん。」
「気持ちはわかるが、これ以上あの神社に”月見くじ”にかかわるな。
お前はまだくじを引いていない。まだ間に合うんだ。」
必死に妹(夏帆)に訴える姿は尋常じゃなかった。
「ねぇ、そんなに言うなら、あれが”月見くじが”何なのかを教えてよ。」
「------------------------------。」
「おにいちゃん!?」
「今は言えない。とりあえずお前はもうあの神社に行くな。」
「どうして?」
「お前はすでにあの神社に行ってるよな?」
「うん。」
「その時”黒い影”がついてるって言っただろ?
あの神社に行けば行くほどその影が濃く大きくなるんだよ。」
「どうゆう意味?それが大きくなるとどうなるの?」
「その陰に包まれるとダメとわかっていても”くじを引いてしまう”」
「わかっただろ?もうかかわるな。」
秋の言った言葉に血の気が引く夏帆。
そして、夏帆の中で迷いが生じる。
「ダメだよ。清香は大事な私の親友だもん。」
「夏帆!!」
「ねぇ いったいお兄ちゃんは何を知ってるの?
そんなに心配してくれるのに。。。どうして…」
「もし…明日どうしても行くなら一つだけ
その神社の”厄除けお守り”を買ってきてくれ。」
「どうして…」
「確かめたいことがあるんだ。
ただし、清香ちゃんの前で買わずに夏帆一人の時に買うんだ。」
「なんで?」
それ以降、夏帆がいくら秋に質問しても口を開くことはなかった。
そして、時は3度目の月見くじを引いたその夜
秋が夏帆にあることを打ち明けた。
「ねぇ、”月見くじ”ってなに? 何か知ってるんでしょう?」
「”月見くじ”のことなら知ってるよ。あれは
俺の彼女…唯が命を落とす原因となったものだからな…」
初めて知る真実に耳を疑う。
「えっ! どうゆうこと? 唯お姉ちゃんが亡くなったって
ただ別れたんじゃないの?」
「夏帆 これからも清香ちゃんの側で助けたり
神社に付き添う気でいるのか?自分が危険と知っても…」
「うん。だから知りたいのあれが何なのかを?」
「それは今は言えない。」
「どうして?なんで教えてくれないの?」
夏帆は、兄に駆け寄り、服をひっぱり必死に訴えた。
「前も言っただろ?今伝えてもできることは何もない。
ただ、今の夏帆でできることは全て伝える。
だから残りあと3回は何があっても清香ちゃんを神社に連れていけ。
俺もあれからずっと調べていて1つわかったのは
あのくじの”災い”は死すらもありうる。
「じゃぁ 唯おねぇさんが”災い”で亡くなったの?」
「それは俺にもわからない。ただ…」
そう言うと秋は唯の事を話し始めた。
唯も初めては友達の付き添いであの神社に行っていた事
「変なくじがあるってことは俺も唯から聞いていた」
何回も何回もついて行っていると知らない間に
自分が”月見くじ”引いてしまっていた事
「その日の晩、唯が泣きながら、電話があった。
私、”月見くじ”引いちゃった…でも覚えてないのって」
唯があと1回の所でどうしても神社に行けなかった事
そして、その一週間後、唯が車に跳ねられた。
「ただ、唯が車に跳ねられる瞬間は俺もいたんだ。
言葉では「いや やめて」って言って体は車の方に行く姿を…」
清香の夢の中では”大量の黒い影”が恐怖を与えていた。
(ネェ 逃げなくてもイインダヨ。夢だから ダイジョウブ。)
「お願い ほんとにやめて」
(アナタノ目キラキラしてる早クくり抜カセテチョウダイ)
「助けて 助けて 夏帆 夏帆ぉ」
何度も夏帆の名前を呼ぶ清香。
すると、まぶしいほどの光が…
その中からひとりの女性が現れた。
(ナゼ ナゼ お前ガココに居ル?)
(ソウダ お前ハ…モウ…シンダハズダ)
「そうね。残念だけど 私は死んでるわね。
でも、ここはどこかな?」
(ナニヲキク ここはユメノ中ダ…)
黒い影たちはハッというような表情を見せる。
「そう 夢の中 だから死んだ私も干渉できたの。
夢の中はこの世でもあの世でもないからね。」
「さぁ どうするの?」
女の人がそう言うと、黒い影は消えていった。
「あのぉ~?」
「もう大丈夫よ? あなた夏帆ちゃんのお友達の
清香ちゃんよね?」
「どうして…私の名前を?」
「忘れちゃった? 私の名前は唯。」
清香を黒い影から助けたのは…秋の彼女の唯だった。
「夏帆ちゃんのお兄さんの彼女って言えば?」
「あぁぁぁ!えっ! でもさっき…死んだって…」
「そう私はなくなってしまったの”月見くじ”でね」
唯の言った言葉に恐怖する清香。
それもそのはず自身が引いた”月見くじ”に”死”という
イメージがつき涙を流す。
その様子を見た唯が
「今、”月見くじ”何回目?」
「さん…さんかいめ…です」
「じゃあ 私の言えることはあと3回は必ず引きに行きなさい
そうしたら、ひとまず大丈夫だから…」
その言葉に少し落ち着きを見せた。
「じゃぁ やっぱり”月見くじ”災いって「死」なんですか?」
「わからない…あくまで私の場合が…そうだったというだけだから
でも…くじを引いている限りは死にはしないから…」
すると、唯の体が徐々に薄くなっていく。
「えっ!唯さん?」
「そろそろ時間みたいね。夢でまた影に襲われたら”強く念じて”
そしたら助けに来れるから…続きはその時、話しましょう。
私なら清香ちゃんの苦しみを共有できるから。」
そう言うと、唯は笑顔で消えていった。
そして、目覚めると朝になっていた。
翌朝 学校に着くなり、夏帆の元へ
「夏帆 あのね? ”キョウユウ人”夏帆のお兄さんの唯さんだった。」
「え!どうゆうこと?確かにきよは中学の時も一緒にいたからね。
唯さんと面識はあるだろうけど…」
「昨日 夢で悪夢に魘されてる時に唯さんが出てきて助けてくれたの
それで唯さんが”月見くじ”をしてその”災い”で亡くなった事を聞いた。」
その清香からの言葉で昨日秋と話していた事がつながった。
「とりあえず、あと3回 絶対に引きに行こうね きよ。」
「うん。」
(キノウハ 邪魔がハイッタネ。デモ、ツギハちゃんとアソボウネ)
また、あの声が聞こえた…するとまた
(ボクノ声 キミもキコエテルンダロウ?ネェ…)
そういうと夏帆と清香の前にあの影が現れて
(ミエテルネェ フタリトモ…フフフフ)
清香はその言葉に夏帆の方を見ると影の方を見ていた。
「ねぇ…夏帆 もしかして…あれ 見えてるの?」
「うん…」
「どうして なんで? もしかして”月見くじ”引いたの?」
「引いてないよ 引いてない じゃあなんで…」
それは夏帆本人もわからなかった。
ただ、一つ言えるのは”厄除けのお守り”のお守りを買ったことだけだった。
(キョウハ、モットタノシメル… タノシメルネェ)
そう言うと黒い影は消えていった。
ガラガラガラと教室の扉が開き、担任が来るとともに
いつものスクールライフが当たり前のように始まった。
ただ、夏帆は勉強に集中できる状態じゃなかった。
声だけじゃなく”影”まで見え、意味深な言葉を残され
恐怖で頭がいっぱいになっていた。
そして、お昼ごはん時なぜか晴人が夏帆の元に
「夏帆ちゃん どーしたの?ぼーっとして?」
「へ? 何にもないよ。どうしたのきよなら今…」
「ご飯を求めて購買でしょ? あのね夏帆ちゃんに用事があって」
「どうしたの?私に用事って珍しいね。」
「こないだ。モールで会った時の涼介の事覚えてる?」
「あぁ、覚えてるよ?」
「なんかもっと夏帆ちゃんのこともっと知りたいらしくてさ
今度 俺 涼介 清香 夏帆ちゃんで遊べないかなぁ?」
「別に私は大丈夫だよ。」
「ありがとう。そういえば涼介に高校の友達って言ったの?
俺は夏帆ちゃんはそうだけど…清香ちゃんって中学からだよね?」
「とっさに出た言葉だよ。それにきよとは小学生から一緒だもん。」
「そうだったんだ。じゃぁ、日にち設定したら清香から連絡してもらうね
あっ!戻ってきた清香にも話さないと怒るぞー」
そう言って、走っていった。
その帰り、清香も今まで見たことのない夏帆の様子に
「きっと大丈夫だよ。夢にあいつが出てきても
唯さんが助けてくれる。」
「どうゆうこと?」
「昨日言ってたんだ。また襲われたら私の事を強く思ってて
じゃぁ 助けに来てあげるって。」
その言葉にほっとしながらも、何か違和感を感じていた。
そして、確実に起きている夏帆自身の変化にも…
家に帰るなり、すぐ夏帆はすぐ秋に今日の出来事を話した。
「ねぇ お兄ちゃん。」
「どうした?」
「私 お兄ちゃんが言ってた黒い影見えた…」
「え! そんなはずは…まだあの神社に行ったの2回だよな。
”付き添い者”に起きる事の進行が速すぎる…
ちなみにいつからだ。変なことが起き始めたのは…」
「うん。あのお守りを買ってから…」
秋はその言葉で一つ気になったことがあった。
「わかった。調べてみる」
その晩、普段ならお守りの中身を絶対見ない
秋があの神社で買った”お守り”そしてそれを買ってからの
夏帆の変化ということもあり、中身を見てみると…そこには…
なぜ、清香だけでなく、夏帆にまで声だけじゃなく影まで見えたのか…
それは”お守り”が原因なの?
お守りの中にはいったいなにが…
秋が語った”付き添い者”に起こる進行とは…
次回、学校で現れた”影”が言った言葉の意味が明らかに
第7話 続く…