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第3話「2度目の”月見”くじ」

2度目のくじの中身の内容とは

そして、この月はクジによりどんなことが起こるのか。

是非 お楽しみください。

月が替わり、2度目の”月見くじ”を引くために神社に

訪れた清香は、恐る恐るくじを引き

くじを確認するとそこには…

「え!なにこれ」


月見くじ----

ヨイコト   : ケガをシナイ

ヨクナイコト : コワイことがオコル

--------------------------------------+


くじの書いていることを理解することに少し時間がかかる。

(イイことでケガしなくて悪いことで怖いことが起こるって…なに…

 確かに怪我をしないのは、いいことだけど…怖いことについては

 すでに起こっている気がするんだけどな…変な声聞こえるし…

 でも、きっと先月の事を加味すると、

  当たらないと思わない方がいいよね。)


と心の中で色々整理して、住職に一つ尋ねてみることにした。


「あの…ちなみにこのおみくじに対して、”厄除けのお守り”

 みたいなものは、あるんですか?」

「当神社にも厄除けのお守りはおいてはいますが、

 ただ、この場合は、あくまでもおみくじの効力となる為

 恐らくですが、お守りの効果は得られないと思いますよ。」

「そうなんですね…」

「それでは、来月 またいらしてくださいね。」

そう言われ、帰ろうとした時、住職がなにかをぼそりと言った。

「今回の”月見くじ”耐えれますかね…フフフ」

「えっ!」

清香がその言葉に違和感を覚え振り向くと、すでに住職の姿はなかった。


そして、住職の言葉が気になりながらも、電車に乗り、家路を歩いていると

「お嬢ちゃん危ねぇ。止まれ」

そのとても大きい声は、工事作業員さんだった。

すると上から機材がドーン!!ととても大きい音と共に落ちてきた。

何より、清香がびっくりしたのは、作業員の声を気にせず、あと一歩

進んでいたら、確実に死んでいたということ。

「お嬢ちゃん 大丈夫か?怖い思いさせちまって。ほんとすまねぇ。

 誤って済むことじゃねぇから、何かあったらここに連絡してくれ。」

私は、あまりの出来事にびっくりしたままだった。

「怪我とかはしてないので、大丈夫です。。。」

電話番号の書いた紙を清香に渡す。おじさんはすごいペコペコし

すぐに上に戻り、とても大きな声と怖い声で従業員を指導していた。


起きた事にあまりにも衝撃を受けた清香は、そのまま家には帰らず、

家のすぐ近くの公園に行き、ベンチで一息ついた。

ジュースを飲みながら気持ちを落ち着かせていると、

さっき自分で言った言葉と作業員のおじさんの言葉をふと思い出す。

作業員のおじさん(悪いな。怖い思いをさせちまって。)

自分(怪我とかしてないので。。。)

「これって…たまたまだよね・・・さすがに初日だし…ね。」

その時、またあの声がした。

(ツギはナニがオコルかな。たのしみダネ。。。)

「また…あの声 なに! いったいどこから聞こえるの?」

そう感じ、怖いながらも声がした時のことを冷静に思い返すと…

まるで自分のすぐ隣から、耳元にささやくような声の聞こえ方だと

言うことに気がつき、清香は一瞬で恐怖へと包まれ、走って家へと戻った。

その日は、それ以外なにも起こることはなく、清香も眠りについた。


翌日

学校へ着くなり、すぐさま夏帆が走ってきた。

「清香 だいじょうぶ?」

「昨日くじを引いてそのあとすぐにあと一歩で死ぬかもって

 出来事があったぐらいかな。

 まぁ、でも、死ぬことはないんだろうけど」

「えっ? どうゆうこと?」

清香から紙を渡される。

「なにこのくじ?

 良いことが怪我しなくて、悪いことが怖いことが起こるの?」

「そうらしいよ。現に昨日早速起きたし…」

そう話していると、チャイムが鳴り

ガラガラガラ。っと担任がやってくる。

「おーい。授業始めるぞ。席につけよ。」

といつも通りの学校生活が始まった。


お昼になり、私と清香は購買に向かっていると

「きよー。危ない。」

私は、天井に設置された照明が落ちるのが見え

急いで、清香の手を引っ張った。

(ガャーン パリン)と蛍光灯が割れる音が響き渡る。

「きよ 大丈夫。怪我ない?」

「うん。大丈夫だよ。夏帆ありがとう。」

「怖かったね。もし、きよの頭に落ちてたら

 血が出て 救急車だよ。本当に怪我なくてよかった。」

その時、清香は確信したように一言呟いた。

「やっぱりそうなんだ…」

「ん?どうしたの?」

「”月見くじ”だよ。朝見せたでしょ?」

その清香の言葉に私も何を確信したのか理解することができた。

「怪我しそうになったり、死んじゃうかもってぐらいの”恐怖”

 つまり”怖い事”は起こっても怪我することも死ぬこともない。」

「でも…ごめんね。少し縁起が悪いけど…どうして”死ぬことがない”

 って言えるの?」

「例えば外傷って言うんだっけ?が見られる死なくても

 そこにはうっ血だったり、内出血とか起きてるってよくドラマとかで

 言ってるのきいたことない?」

「あっ!そこはドラマ知識なんだ・・・ 

 うん。確かに聞いたことあるけど」

「内出血って目には見えないけど怪我ではあるじゃん?わかんないけど…

 つまり、”月見くじ”のヨイコト”怪我をしない”に当てはまる。

 だからきっと死ぬことはないんだろうなぁって思ったの。」

「ごめんね。真剣なまじめな話してるときにホントにごめんね。」

「夏帆 どうしたの?」

「きよって普段ドジでおバカなのに、たまに頭良くなるよね。」

私のその発言に間の抜けた顔を見せ、少し笑いながら

「それ、このタイミングで言うことじゃなくないかな。」

「そうだよね。わかってたんだよ。違うって!

 でも、あまりにも理に叶ったこと言ってるから…つい」

清香は私のその言葉に顔を赤くしながら、ついってなに~って

怒るも私には、久しぶりに見た清香の笑顔な気がした。

”月見くじ”を引いてから、事が起きなくても

何かにビクビクしているように感じて、少なくても

あんなによく笑う清香の笑顔を最近あまり見てないと感じていたから

少し間の抜けたことを言ってよかったと思いながら2人で笑っていました。


そして、数日が経ってからも一日に1回から多い時で3回のベースで

”怖い事”が起きているようで、その日はバイトもなく清香と

2人で学校から家に帰っている時にまたそれは起きた。

「きよー 今日も疲れたね。」

「う…うん。」

「大丈夫? きよー。」

ふと、清香が前を見る。

「ねぇ 夏帆 私だけかな?あの前の車やばそうに感じるんだけど…」

清香にそう言われ、前を見るとすごいスピードのトラックが

こっちの方へ向かってきていました。

「あれやばい。逃げよう。」

「ちょっと待って。運転手 寝てんじゃん

 あれはシャレにならないよ。」

するとまた、

(さぁ…ドウスル?死んじゃウヨ コワイね。タノシイネ…フフフ)

不気味な声が清香を包む。

「きよー。何してるの? 行くよ。とりあえずあの細い路地に入ろ。」

「う うん。」

すると今度は、

入った路地の上からハンガーと物干しが

「きゃぁぁぁぁ。」

2人は一声に悲鳴を上げ、しゃがんだ。そのおかげで

途中で竿が壁で引っ掛かり、2人に当たるギリギリで止まった。


「これが来月まで続くって考えると私もつ気しないよ。」

「私も可能な限りで助けるから大丈夫だよ。」

「でも…それじゃ夏帆まで怖い目にあっちゃうよ。」

「私は大丈夫だから気にしないで・・・」

「ありがとう。ごめんね。夏帆」

そして、なんとか家までたどり着いた。

その晩は、清香も精神にも疲れていたこともあり

すぐに眠りについた。


その夜の事

いつもは感じることない寝苦しさと

自分の上に何かがのしかかる重たさを感じ目を開けると

目の吊り上がった老婆がそこにいた。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」

目が合った瞬間、にたぁっと不気味な笑みを浮かべて消えていった。

「なに今の…幽霊?怖い事ってこうゆうことも…あるの…」

するといつもは耳元から聞こえる声が寝室の前の廊下から

(コワイね…コワイよね。みえないモノがミエルのは…)

そう、はっきりと聞こえた。



普段は耳元から聞こえる声がなぜ廊下から?

清香は来月まであと少しこの恐怖から耐え抜くことはできるのか?

そして4月 3度目の”月見くじ”の内容とは如何に!


第4話「恐怖の先にまっているもの」へ続く。 

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