第2話 「くじの効力」
1話にて、夏帆と清香は”月見くじの”神社へ行き、清香のみくじを引くことに
そして、神社からそれぞれ家に戻ると
夏帆は兄の秋から”後ろに黒い影がついている”ことを告げられる
一方で 清香は、突如彼氏の晴人から”大事な話がある”とラインが
第2話をお楽しみください。
第2話 「くじの効力」
”月見くじ”の神社に行った日、家に帰ると私は兄に
「お前の後ろに黒い影が見えるんだけど…
まぁ、2日もあれば消えるだろうけど…」
と言われた。葉には人一倍霊感が強い。だから
「今日ね。きよに連れられて”月見くじ”って言う
おみくじの神社にいたんだ。」
「はい? ”月見くじ”?
お前もしかして…いや 引いてはないな。」
「うん。引いてないよ。
おにいちゃん ”月見くじ”の事何か知ってるの?」
そう、聞き返すと、兄は少し黙って一言だけ話す。
「とりあえず、あのくじは絶対に引くな。」
そう言って、自分の部屋へと戻っていった。
「ちょっとおにいちゃん?」
兄の様子で”月見くじ”には何かがあることは
察しがついた。ただ、ネットでいくら調べても
(びっくりするぐらいよく当たる)ってこと以外の情報は
何も出てこなかった。清香が見せてくれたあのホームページすらも…
その頃、 清香は晴人からのラインをしていた。
晴人「ごめん。大事な話がある。今いいか?」
清香「どうしたの?」
晴人「実は…当分清香と会えなくなったんだ。」
清香「えっ! どうして?」
晴人「来月まで親の仕事の関係で
急遽、海外に行くことになったんだ。」
清香「そう…なんだ…。
でも、仕方ないよ。帰ってくるでしょ?」
晴人「今のところは、とりあえず1か月だけっとの
事らしいんだけど…どうなるかわからない。」
清香「それって、戻ってこないかもしれないの?
永住とかじゃないよね?」
晴人「さすがに永住にはならないと思うけど
可能性として、帰国が遅くなることはあるみたいだ。」
晴人「そんな感じだから…でも俺は清香が大好きだ。
だから…待っていてほしい でも だめなら別れるしかない。」
清香「いやだ。私も晴人の事大好きだから。
晴人が帰ってくるの待ってる。ずっと」
晴人「ちゃんと帰ってくるから。」
清香「絶対だよ。」
晴人「絶対だ。ありがとう 清香。」
清香「そんなのいいよ。じゃぁ 気を付けてね。
また連絡するし、晴人も連絡してきてね。」
晴人「わかってるよ。ちゃんと連絡するから。じゃぁまた。」
このラインで晴人とのやり取りを終えた。
その時、清香は今日一日の事を振り返ると
ヨイコト : キンが舞いこむ
確かに今日一日だけでお小遣いがすごく増えていた。そして
ヨクナイコト : 思い人が遠くなる
今日学校で会った時は晴人もそんなこと言ってなかったのに
くじを引いてから、いきなり親の仕事で海外に
「まだ、引いて一日も経ってないのに当たりすぎだよ。
ある意味怖い…」
すると、どこからともなく声が聞こえた。
(キミはクジをヒイタ…コレカラ コレカラだよ。タノシモウネ)
「えっ!なに今の声…」
それは、確かに確実に清香に聞こえていた。
--翌日--
「きよー。おはよ。」
「おはよう。夏帆。」
学校では、ホームルームで担任から話がでた。
「ひとつ みんなにも伝えることがある
急遽 井熊 晴人くんがお父さんの仕事の関係で一か月間
海外にいくことになった。少し寂しくはなるが、帰ってきたら
また、仲良くしてあげるようにな。」
それを聞いた時、私はすぐ清香の方を見ると
清香は笑顔で”私はもう晴人から聞いてたから大丈夫”と紙に書いて
見せてきた。
昼休み私
は清香の元に行き、
「ねぇ 確か ”月見くじ”のヨクナイコトって…」
「うん。当たりすぎて怖いくらい。しかも、ちょうど一か月って
まるで一か月後にはくじを引いて次の運に代わるからみたいに
感じてんだよね。」
それからというもの、私は、ほんとに兄さんが言うように黒い影は
2日程度で消えたらしい…まぁ、私は、見えないんですけど
それが何なのかは私にはもちろんわかりませんでしたが、
少なくても、兄はあの影もそして”月見くじ”についても
何かを知っているんでしょうけど、決して話してくれません。
いくら聞いても
”今は話すときじゃない…くじを引いた清香ちゃんの側にいてやんな”っと
言うばかりで
一方、清香はお小遣いはそれなりに
というより普段以上に舞いこむことはあったが
ヨクナイコトについては、それ以上目立ったことはなく
次の月へと替わっていった。
「きよー。3月入ったよ。神社明後日までに行かないと…だよ。」
「うん。ねぇ 夏帆ついてこれないぃ?」
「ごめんね。バイトなんだ。しかもいきなり欠番出せなくてね。」
「そっかぁ。。。」
「でも、行けるなら、早めに行った方がいいよ。
先月のくじの内容も当たっちゃってるし、住職さんの”災い”も
嘘の可能性の方がぐっと低そうだしね。」
表情からして一人で行くことにすごい抵抗を抱いているのは
私から見てもすごく伝わってきた。
「でも…一人で行くのはいやだなぁ…てか 怖いんだ。」
そう、清香が発した時
(イキタクナイナラ行かなくてイイヨ。そっちもタノシイカラネ)
という声がした。
「まただ。誰なの…」
突如、何かに動揺する清香を見て
「きよー。どうしたの?」
「声がしたの…今…」
「えっ! だれも何も言ってないよ。
私ときよだけだし。」
ただ、清香は言わなかった。
あの神社に行ってから変な声が聞こえてくることを
清香は、気持ちは向かないが、声の事も気になる
何より、行かなければ住職が言った”災い”が本当に起こることは
感覚で”本当に起こる”っと感じていた。
その為、一人で神社へと向かった。
神社に着いた頃には、少し日も沈みかけていた。
「すいませーん…」
奥から住職が歩いてきた。
「ちゃんと来られましたね。よかったですよ。本当に…」
心なしか住職の見せた笑顔が不気味に感じた。
「では、こちらへどうぞ。」
「はい。」
「そういえば今日はお友達はご一緒じゃないのですね?」
「あぁ、夏帆ですか?今日はバイトが入ってしまって。」
「そうなんですね。先月引かなくてよかったですね。」
「ちなみにこれまでこのくじを引いて災いが起こった方
っているんですか?」
「----------------------。」
住職がその言葉には何も言わなかった。
「
ただ、今日を抜いてあと4回必ずお越しください。
私の言えることはそれだけです。」
住職の言葉。そして”災い”災いについて何も言わなかった事が
清香にとってはより、リアルに感じ急に怖くなった。
「あの…途中でやめることは…」
そう清香が住職に聞くと、いきなり優しそうだった声が
低くなり、そして、真顔で
「できませんよ。一度引いてしまった以上は…ね。」
「ですよね…ごめんなさい。」
「謝らなくて大丈夫です。確かにヨクナイコトもありますが
ヨイコトも必ず起こります。ただ、引いた内容によって
感じ方とらえ方は変わるでしょうけどね。」
「どうゆうことですか?」
「例えば”ヨイコト”と書いてあってもAさんにとっては良くても
Bさんにとって”ヨイコト”とは限らない
ヨクナイコトも一緒です。Aさんにとってそれが最悪でも
Bさんにとっては逆にそれがヨイコトかもしれない。
くじというのは、どんな内容でも引いた人によって大きく内容は変わるんです。」
そう住職に言われ、なぜか納得してしまう清香
「それでは、今月の”月見くじ”をお引きくださいませ。」
渋々 くじを引く。そっと髪を開くとそこには書いてあったのは…
「えっ! なにこれ…どうゆうこと…
清香の引いたくじにはいったい何が…
そして、先月よりも想像を絶する出来事が
清香を襲う
次回 第3話「二度目の”月見くじ”」へと続く