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ヤられたらやり返す、倍返しだとは言うけれど

 今は

 村人達の食後の

 楽器の演奏を聴きながら

 まったりとしている


 ウルとルフは久しぶりの櫛を

 焚き火の前で座っている

 俺とフェンの前で

 伏せて堪能している

 新入りの狼二頭は脇に座り

 首を傾げている。


「こんなに気持ち良い音楽を聴きながら、ご主人様に毛並みを櫛梳って頂くなんて、二人とも贅沢ですよね。」


「まぁ、良いじゃないか。二匹とも彼氏?旦那?まぁ仲間を誘ってきてくれた上に、暴れ牛を二頭も連れてきてくれたんだ。それだけの仕事は十分にしてくれているよ。まず、この辺りにこんな立派な暴れ牛が住んでいるって、分かっただけでも大成果だ。クッキーやパンケーキがいつでもという訳にはいかないが、食べる機会を増やしてくれたんだ。十分だよ。フェンだって甘いお菓子は好きだろう?」


「そうですね~。甘くて香ばしくて、美味しいですよね~。」


「だろう?新鮮な牛乳が有れば、バターやチーズも作れるよな。もっともっと美味しいものが食べられるぞ」


「「「おおおー」」」


「やりー」


「マジでー?」


「な?美味しいのは正義なんだよなー」


「「ですですです~」」


「もう普通の村人やら奴隷には戻れないよなー」


「だなー、奴隷って最低の身分のはずなのに、ここの村人達はたぶん、この世界で最高の生活しているもんな」


「私ねー奴隷から解放されたらねー、あたしを奴隷の身に落とした奴等や、酷い仕打ちをした奴等に絶対に復讐しに行ってやるって、ずっと思っていたんだけど、流石にもう今はどうでもいいしねー。こんな生活、普通に生活してたら絶対に無理だしねー」


「あのさー?復讐なんかしても、本当はろくなことにしかならないんだよ?人一人の人生をかけるほどの本気の全力の復讐を成功させたらね?頭のなかに、ご褒美の成功報酬の脳内ホルモン物質っていうのが分泌放出されて、復讐の虜になるらしいからね。するとね今度は、自分から強引に理由をこじ付けて、復讐する相手を探し求め続けるんだよ?復讐を達成させることが気持ちいいと感じてしまうようになるんだ。ゾンビやアンデッドのようにね。そんな生き方に、最終的に何が待ってるかって言うと、復讐に囚われた、復讐に支配された、ろくでもない人生だけしか待っていないんだよ。復讐に追われ疲れる人生しか残らないんだ。復讐なんて、最初からしない事に越したことはないんだよ?だから皆も復讐させない復讐しない人生を送らないとね」


「ふーん。ご主人様の世界は進んでるから、きっとそんな事も分かっちゃうんだね。」


「美味しいもので復讐が止められるのなら、気持ちの良い音楽やお風呂で止められるものなら、きっとその方が良いんだよ。復讐こそ我が正義よりも、美味しいものこそ我が正義の方が、よっぽど建設的かつ健全で健康的なんだよ?」


「ご主人様が僕達を甘やかしてくれるの、その為なの?」


 奴隷達が首を傾げる


「ん?違うよ?言ったでしょ?こちらに来た同じ故郷の人達を、故郷の料理なんかでもてなしたいだけだよ?こちらに来ても同じ故郷の食べ物、飲み物、遊び場なんかがあれば、とりあえず落ち着けるだろうからね。あ、皆さんの故郷の美味しいものも、どんどん教えて再現して作ってみてよね」


「えー?うちの故郷の食事?味なんか美味しくないよ?お腹を膨らませるだけのただのエサだよ?」


「そうなの?」


「そうですよ?私達はもうその新入りの狼のように、ご主人様がする次の行為行動が楽しみで仕方ないんですよ?」


 新入りの狼は

 膝に前足を置き

 おねだりをしている


「この子達もしてほしいそうですよ。ご主人様」


「そうなの?」


「ええ、しかしウルとルフももう少しナデナデしてほしいそうです」


「ちょっと待ってな。こいつら専用の櫛を新しく作るから」


 アイテムボックスから

 輪切りの木を出し

 半分にして櫛を作る

 櫛の歯を魔法で削る

 ウルを櫛梳りながらの平行作業だ

 削った木片が焚き火の上に

 落ちて燃える

 香ばしい香りが

 辺りを包む


「これで新入り君を櫛梳って上げてやってくれ。あー、でも今まで毛繕いしてなくて櫛梳って無いとなると、毛が絡みそうだよな。やっぱりお前ら二頭はウルとルフの後な。毛が絡んで力任せに無理矢理引っ張ると痛いからな。グルーミング嫌いな子になっちゃうか。うん後がいいよね。俺が直々に櫛梳ってあげないと気がすまない。ウルとルフと一緒でシルバーの毛並みが本当なら綺麗に洗ってもあげたいけど、洗うのはもう一段階仲良くなってからだよな?急に洗ったらきっと嫌われるよな、駄目だ焦ってはきっと嫌われる」


「ご主人様って何気に世話好きですよね」


「ですねー。あれもしてあげたい、これもしてあげたい、次から次に浮かぶタイプですね」


「あー、まぁそうだなー。でも一人で空回りすることもあるかもしれない。そういう事が有ったら教えてくれ。」


「はい、畏まりました。ご主人様」


「はい、了解です」


 30分後にウルとルフから

 解放された


 新入り狼さんの毛は

 やはり泥などで

 固く固まっている

 毛の先の土の塊を丁寧に砕き

 引っ張らないように注意しながら

 ウルとルフが二頭を制しながら

 その間に俺は二頭を

 ゆっくりと櫛梳って行く。


 泥で固くなったり、

 毛が絡まったり

 ウルとルフの時に

 そんなに苦戦しなかったような

 気もするけど

 雄と雌の差だろうか

 役割の差だろうか

 個体差だろうか


 ライオンは

 群で狩る

 雄が雌の方に獲物を追込み

 雌が仕留めるんだっけか?


 あれ?狼の狩りってどうだっけ?

 暴れ牛の番もどうやって

 連れてきたんだか


 牧羊犬が羊を追い込むように

 こちらの拠点に追い込んで

 来てくれたのだろうか


 まぁ暴れ牛が

 牛乳をコンスタントに

 供給してくれるのは有り難いな

 番だから子牛も望めるしな。


 この新入り狼さん達の

 名前をどうしよう?

 まぁどういう組合せに

 落ち着くことになるのか

 まだ分からないから

 保留でも良いかな?

 嫁さんに合わせた

 名前ってのもアリだろうか?


 フェンが通訳をできるみたいだし

 聞いてもらうのも有りかな?


 ウルとルフの

 強化案も考えないとね

 犬には服を着せない派

 だったんだけど

 狼に鎧か?

 ん~どうだろう?


 首輪に魔石を付けて

 金属球を操作してもらうって

 形ではダメかな?


 ステータスとしては

 もう既にほぼオークキング並みの

 ステータスがあるからなー

 十分出来そうだけどね


 自衛用の金属球も何処に付けようか?

 首輪にアイテムボックスでも付けて

 戦闘の度に出すって形でもいいかもな

 あーでも油断大敵って事もあるしな


 砦から出るときや

 ダンジョンに入る際は必ず

 武装しておいて欲しいよな

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― 新着の感想 ―
[一言] 貶められたり堕とされたり殺されたりしたから相手にも同じ事をするのが負の復讐だとしたら正の復讐はそいつらよりも幸せになる事だね。
2021/04/29 17:29 退会済み
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