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ストーンスパイダーゴーレムtypeアシダカグモ

 早目の昼食を食べながら

 ぼんやりと考える。

 さて、フェンという

 同行者が出来たのは

 寂しさを感じなくて

 とても良いのだけれど

 問題は移動手段だ。


 どうしようか?

 フェンは翔べるかなあ。

 羽根は付いてないみたいだし

 デュラハンはたぶん

 空は飛べはしないよな~


 翔んでも、

 昨日みたいに

 居眠り飛行やら

 考え事をしながらだと、

 また何処かに

 ぶつかりそうだとは

 思うんだが…。


 デュラハンだし。

 もし何かに衝突したら

 恐らくきっと鎧だから

 骨格は無いだろうし

 皮膚も無いだろうし

 筋肉も無いだろうし

 きっとバラバラになっちゃうよな

 元に戻れるの?

 それはそれで危ないよな


 地上を走るのも面倒だよな。

 馬車?は城に有ったんだけど

 持ってきても無いし、

 道路は舗装もされていない。


 馬の世話のしかたも

 よくは知らないから

 馬は放牧してきたし

 どうして

 蹂躙スキルも猫や馬にまでは

 影響しなかったのかは

 よくは分からない

 俺の意識認識が人間だけを

 敵として認定しただけ

 だからかもしれないけど


 向こうのような

 アスファルト道路と違い

 舗装もしていない

 土や石が剥き出しなままの

 地面を車輪で走るとすると、

 振動で尻の皮膚が

 酷いことに成りそうだしな。


 サスペンション?の構造も

 よくは知らないしな。

 地面からの衝撃振動を吸収?

 バネとかなんかなのだろうか


 岩山に魔力を注ぐ。

 人の形に岩を形成する。

 《ゴーレム作成》スキルが生えた。

 ゴーレムの魔力の流れを観察する。


 ゴーレムのステータス画面の

 魔力が時間によって

 減少し続けているようだ。

 目の前の小首を傾げる

 フェンを見てみる。


 ちょこちょこと

 魔力が増えたり減ったりしてる。

 なんで増えたり減ったりしてる

 のだろう?


 魔石のせいか?

 魔石が魔力を補充している?

 何処から?

 大気中から?


 魔石をコアにして

 ゴーレムを作成してみる。

 形は人形、

 身長は30センチで

 設定し作成する。


 スキルで観察していると

 ステータス表記の

 魔力は増えたり

 減ったりしている。

 魔石が魔力を

 貯めたり放出したりするのか?

 魔石をコアにすれば

 燃費も問題は無さそうだ。

 二体を土に戻す。


 さて、形はどうするか?

 2本足の人形?

 ゴーレムの肩に乗るのか?

 三つのしもべに命令する人か?俺は

 肩に載るとしても

 足腰をしっかりと考えないと

 歩行や走行する際に

 乗ってる俺の身体が

 上下する振動が凄いだろうな


 4本足の

 犬や豹の様な獣タイプ?

 全速力で走ると

 ロデオになりそうだな。

 趣味は乗馬です、

 なんてハイソな

 家庭でもなかったし

 中流下流家庭?

 まぁ少なくとも

 乗馬ができるような

 上流家庭ではなかったな


 6本足の虫タイプ?

 んーそうだ、走るの速いクモ、

 あいつにしよう。

 振動とかしなさそうだからね


 ムカデとかヤスデみたいな

 多脚タイプだと

 実際の大きさの割りに

 動きが遅そうだしな。

 左右の小回りもそうそう

 利きそうにも無いし


 風の谷の

 アレみたいなのもな

 前進するのには

 確かに特化はしていそうだが

 左右の動きに

 対してはどうだろう?


 まぁあれ辺りが妥当か?

 コアは城から貰って来た

【地竜の魔石】にしよう。


 大きさは、頭の上で俺が寝て、

 フェンは腹部に腰かけて貰うか。

 3メートル位にしよう。


【ゴーレム作成】

【ストーンスパイダーゴーレムtypeアシダカグモ】



 足はそれぞれ、

 ミサイルのように

 飛んでいく形にして、

 物を食べる必要が無いなら

 口や消化機関は要らない。


 頭の上の操縦席と

 腹上部のシートは

 リクライニングシートで、

 シートベルトも付けておくか。


 操縦席の魔石と

【マップ】スキルと連動でっと。

 左右の複眼で

 地形確認させれば良いだろうか。


 んーあとは途中で

 鉄とか何か良い金属の

 廃鉱でも有れば、

 そこでパーツ交換でもするか。


「ご主人様、凄いです。」


 フェンが嬉しそうに見ている。


「そうか?まぁフェンは後ろに乗って、見張っててくれ、俺は前に乗るから」


「はい、畏まりました。」


「乗ったか~?シートベルトを締めた?」


「はい!」


「じゃあ、目的地は魔王さんとこな、出発~進行~」


 足高蜘蛛の形をした

 スパイダーゴーレムは

 ワサワサと走り出した。

 走る

 走る

 蜘蛛型にしたお陰か

 上下に蜘蛛の身体が

 揺れる事もなく、

 ひたすら走る。

 風を切り、

 草原を抜け

 森の木々の間を抜け

 ワサワサと

 時速80㎞は出ているだろうか。


「ご、ご、ご主人様、これは、は、速いですね」


「んー?こんなもんだろう?怖い?」


「いえ、気持ちいいです~。」


「だろ?」


「た、た、只、後ろを見ていると、不思議な感じです。」


「気持ち悪くなったら、言ってくれ。休憩するから。」


「私はデュラハンですよ?気持ち悪くなる機能は、持ち合わせておりませぬ。」


「そうなの?」


「はい~只フェンリルの時の記憶にも、こんな速さで後ろ向きに走った事なんて無いですから~」


「あ~フェんってサー、フェンリルだった頃の記憶って有るの?人間に倒されたと言うのなら、俺のこと憎くないの?人間だよ?一応の形は」


「あ~、そうですね~、それがですね~魔力も切れかけていたせいもあるのか、あんまり~覚えて無いんですよね~。恨みも、悔しさも無いんですよ。ただ、ご主人様に作って頂いた時の清々しさだけは、鮮烈なんですよ。おまけに名前まで付けて頂いたんです。私はこの命があるかぎり、ずっとご主人様にお仕えいたしますよ。」


「良いのか?」


「もちろんです、ご主人様」


「お、おう」


 あ~、この世界にも

 縁が繋がりが出来ちまったなぁ。

 こんなに慕ってくれるのかぁ。

 向こうの世界ではあり得ないな。


 向こうの世界では

 ダチもそれなりにはいたが、

 親友と呼べたのは、

 片手で足るほどだった。

 彼女?そんなものは居なかったよ。


 友達と親友は大きく違うよな

 困った時に黙って

 手を差し伸べてくれるのが親友で

 そうで無いのが友達

 何かの本で書いてあったな

 何の本だっけ?


 でももしも、

 今の時点で

 俺がこの世界から居なくなれば

 フェンは一体どうなるんだろう?

 魔力が切れたら、

 元の鎧に戻ってしまうのかな?

 それも淋しいよな。

 せっかく意思疎通が出来るのに


 ?これがなんとか症候群?

 何か違う気がする


 こちらの世界に住めば住むほど、

 繋がりも増えるのか。

 あちらの世界の事も忘れていき、

 こちらの世界に馴染むのか。


 こちらの世界ってなんだろう?

 王城の人間は向こうの世界の、

 西洋人に似た姿形をしていた。


 向こうの世界の有袋類の様に、

 進化した結果、

 向こうの世界の

 西洋人に似た姿形になったのか?

 遺伝子まで似ている?

 こちらの世界でも俺が

 遺伝子を遺す事も出来るのか?


 そうなると、

 こちらの世界って神様いるの?

 管理者?

 向こうの世界の管理者と何か違うのか?

 同じだったら

 同じ宇宙って事?

 神様に祈りが届けば

 帰れる可能性も?


 違うのだったら、

 神様同士の管理者同士の

 トラブルにならないのか?


 こちらの世界を俺が

 めちゃくちゃにしてしまえば、

 絶対トラブルの元だよなぁ。


 ん?前の召喚者も

 何十年か前に召喚されて、

 使い潰されたんだっけか。

 この世界の管理者っていい加減じゃね?

 もといた世界の管理者もいい加減だよな


 この一つの世界だけで

 完結して無いんだもの。

 他の世界からの侵入者と

 生物的にも文化的にも干渉しあう?


 歴史的文化文明的に

 侵略される可能性も有るって…。

 物質量も歴史すらも変化する?

 実験と考えると、夏休みにやった、

 蟻の巣観察レベルのいい加減さだな


 後で歴史学者が

 起源は?ルーツは?

 って考え始めたら

 oパーツみたいに

 混乱しそう


「シムアー■」とか

「シヴィ■イゼーション」みたいな

 シミュレーションゲームだったら

 金返せってレベルだと思うんだが

 まぁクソゲー認定だな

 

 まぁ、好き勝手をしていたら、

 神か管理者が不服に感じるならば

 管理者からコンタクトしてくるか?

 問答無用で排除されるのか?

 コンタクトをしてきたら

 文句の一つでも言ってやろう。


 もしも天国とか地獄とかが

 あるとするならば、

 そもそも俺は

 どちらの世界の

 因果関係で裁かれるの?

 こっち?あっち?どっちも?

 まぁ死んだ後の事まで

 考えても仕方ないか。


 生きたい様に生きるしかないか。

 他の星系、他の世界、他の宇宙から

 召喚できるシステムに基づいて、

 こちらの世界を創った馬鹿が悪い。

 俺はどう考えても被害者だろ。


 そんなことを考えてると、

 左右に広がる

 城壁らしい壁が見えてきた。


「どうやらあそこが魔王さんとこらしいな。」


「はい。その様子みたいです~」


 門番を探し見つけて、

 近づいて行った。

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