表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生2世は派遣勇者!  作者: よん
16/19

団子、そして獣化! ~その2~

「やっぱり『反動(リバウンド)』ね。クリスタルに反応があるわ」


「さすがキンちゃんのお団子だね」


「そういうことじゃねぇよ」


「キンちゃんのお団子は奇跡を起こす」


ほんっとにアホだなこいつら。


「反動名は『獣化(ビースト・シフト)』。名前の通り獣になるみたいだけど、どういう獣になるかはランダムね。今回はたまたま犬だったってだけ」


そんな、開けてからのお楽しみじゃないんだから・・。

毎回違ったら厄介過ぎんだろ。


「で、条件はなんなんですか?」


「『本能的に苦手とする食物を摂取したら』ってなってるわね。・・そうか・・迂闊だったわ」


「どういう意味ですか?」


「この子は普通に食べたけど、本来『淫魔(サキュバス)』は刺激物、要するに辛いものが苦手なはずなのよ」


「そういえば、ボクもそんな話聞いたことあるよー」


「私も」


「リオがたまたま好きだったのかは分からないけど、『淫魔(サキュバス)』としては苦手な食べ物だから『本能的に』って条件を満たしたようね。気を付けるべきだったわ」


複雑だな。

リオが好きでも『淫魔(サキュバス)』として苦手なら条件が成立するって。それがありなら何でもありになってくる気がするんだけど・・。


「どうやったら元に戻るんだろ・・」


「それは分からないわね。フィナみたいな方法は違うだろうから恐らくはミアと同じで時間経過が可能性としては高いけど・・」


「ミアさんは時間が経てば戻るんですか?」


「ボクの場合は『寝る』だけどね」


うわぁ・・アホっぽいな・・。


「とにかく様子を見るしか無いわね。お世話はロイ。お願いね。私はその間に解除方法を調べるから」


「えー・・なんでオレなんすか」


「あなた、モンスター育成資格持ってるでしょ? 生き物の扱いには慣れてるはずだし」


「そっか!そういえばそうだったね!」


「ロイ。ファイト」


「いや、あれは家畜用モンスターを育てる資格であって別にペットを育てる資格って訳じゃ・・」


「似たようなものよ。とにかく世話しなさい。社長命令よ」


似てねぇよ。全然違うわ。

そもそも犬飼ったこと無いっての。

つっても、アホ二人にやらす訳にもいかねぇし、オレがやるしかないか。


「分かりましたよ。やりますよ、やればいいんでしょ。放っておくわけにもいかないし」


「分かればいいのよ。それじゃよろしくね」



そんな訳でリオの世話をすることになってから数日。

社長が色々と調べたり試したりしたけど、リオの『獣化(ビースト・シフト)』が解除されることはなく、相変わらず犬のままだった。



世話を引き受けたのものの、見た目は17歳の女の子だから色々苦労すんだよな・・。

風呂とかトイレとか・・。

夜まで遊び倒すくせに次の朝には散歩行きたがるし・・おかげで寝不足だわ。

なのにこいつら・・


「お手」


「わんっ!」


「わぁー!すごーい!お手出来るんだねー!じゃあじゃあ、チンチ・・」


「おいやめろ。アホ猫。それだけはやめろ」


ってか、構うなら世話しろよ。

こいつら遊ぶだけで何にもしねぇ。

今なら子供が「絶対世話する」って言ったのに結局世話させられるお母さんの気持ちよく分かるわ。


「しかし、全然戻らないっすね・・」


「そだねー。ロゼが色々試してるみたいだけど、今のところきっかけもないみたいだね」


「けど、リオワンワン。可愛い」


「それはそうだけど、さすがにこのままって訳にもいかないからなぁ・・」


「分かったわ!!」


「うぉっ!ビックリしたー・・」


黙ってるから寝てるのかと思ってたわ。


「『獣化(ビースト・シフト)』の解除方法が分かったわ」


「え? ホントですか?」


「ロゼやるねー」


「お手柄」


「まぁ、私にかかればこんなもんよ」


いや、何日かかったと思ってんだよ。

その間オレが世話してたのに。


「グレイ冒険記に『獣化(ビースト・シフト)』についての記述があったわ。リオに当てはまるかは分からないけど、もうこれしかないわ!」


「で、どうすればいいんですか?」


「幸福を感じさせるの!」


「ふざけてんすか?」


「マジメよ。ぶっ飛ばされたいの?」


怖ぇっての。


「で、具体的に何すればいいの?」


「私も手伝う」


「『獣化した獣にとって最高の幸福を感じさせることで解除された』ってあるから、犬にとって最高の幸福を感じさせるのよ!」


んなもんどうやって分かったんだよ。

さすがグレイだな。


「けど、犬っていつも幸せそうにしてないっすか? 何すりゃいいんすか?」


「・・・・それは世話係の仕事よ!」


こいつ!肝心なとこ丸投げしてきやがった!

そういうのも含めて調べろよ!


「ロイくんがリオちゃんに最高の幸福を感じさせればいいんだよ!」


「いや、それは少し違う気が・・」


「ロイ。今回は許す。頑張って」


「いや、話聞けっての」


「あとはロイ次第ね!依頼もあるからあと2日で何とかしなさい!」


「えぇー・・・・」


こいつら・・頼りねぇにも程があんだろ。

しかもあと2日て・・。

てめぇがそれ調べるのに何日かかったと思ってんだよ。

もういいや。

こいつらはどうでもいいにしても、リオは何とかしてやらないとな。

最高の幸福・・。やるだけやってみるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ