進化、そして新人! ~その3~
その後、買い物から戻った2人にロゼリアさんが面接の結果を伝えてお互いを紹介した。
「この子が新人のリオネルよ。今日からここに住んでもらうわ」
「よっ、よろしくお願いします!」
「ちっちゃくてかわいいねー!ボクはミアだよー!よろしくねー!」
「フィナよ。よろしく。後、ロイは私の」
「新人に何言ってんだ。普通に挨拶してやれよ」
まぁ、悪い気はしないけどさ。
「えっと、フィナさんとロイさんはお付き合いされてるんですか?」
「その予定。だからロイくんは私の」
「おい。ちゃんと相手の目を見て話せ。そんなとこ凝視してんじゃねぇ」
「盗られたら困る。・・あっ、名札」
「誰も盗らねぇよ。んで、名案みたいな顔して変なこと言うなよ」
「むぅ」
「にゃははははっ!!フィナちゃんヤキモチかなー?」
ヤキモチというか・・警戒してんだろな。
自分と同じように誘惑する力持ってる相手だし。
「えっと・・フィナさん。安心してください。ロイさんのこと・・盗ったりしませんから。それに私・・そういうのは苦手で・・」
苦手って言ってるけどいま完全にロイくんのこと見てたな。
苦手でも知識はしっかりあるのな。
「さて、挨拶も済んだことだし晩御飯にしましょうか。リオの入社祝いに今日は私が作るわ」
「作れるんすか?」
「ロゼの料理はすっごく美味しいんだよー」
「絶品」
「わぁー楽しみです!」
へぇーいつもあんな感じだから作れないかと思ってたけど、案外家庭的なとこもあるんだな。
「ミアも手伝ってちょうだい。フィナはお風呂の準備してきて。ロイはリオの寝るところの準備してあげて」
「おっけー」
「了解」
「オレだけ、ずば抜けて重労働なんすけど」
「男なんだから当たり前でしょ」
いや、あんたらが片付けても片付けても散らかすせいだよ。
「フフッ。楽しい会社ですね。入れてよかったです」
こんな純粋そうな子がうちにいたらまずい。
こいつらに変な影響受けないように守ってあげないと。
その後、リオの入社祝いという名の宴会は大盛り上がりで夜中まで続いた。
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「ふぅ。やっと片付いたか」
案の定、騒ぐだけ騒いで寝やがった。
ったく、あいつらは。
まぁリオも楽しそうだったからいいか。
バカ騒ぎしたおかけで緊張もほぐれただろ。
「さて、オレも寝るか」
明日からリオに色々教えてあげないとな。
あー、疲れてたからすぐ眠気が・・。
「ーーーん」
何だ? こんな夜中に・・。
「ーーさん」
勘弁してくれよ。疲れてんだよ。
いい感じに眠くなってきてんだから寝かせろよ。
「ロイさん」
「んぁ? ・・リオ? どうした?」
おー、パジャマか?
可愛さがすげぇことになってるな。
あの呑んだくれが人気者になれるって言うのも納得だわ。
にしても、目の色が・・昼間と違うような。
「あの・・少しよろしいでしょうか? ほんの少しだけなので・・」
寝れないのか?
まぁいきなり環境変わったら仕方ないか。
「あぁ・・少しなら・・いいよ・・」
「ありがとうございます」
眠気が半端じゃないから頭が働かねぇけど、眠くなるまで話に付き合ってほしいとかだろ。
可愛い奴だな。
「それじゃ・・失礼します・・」
何かゴソゴソしてるな・・。
眠くて目開けるのめんどくせぇ。
多分ベッドに腰かけてるとかだろ。
「はぁ・・ロイさんの・・すごい・・これならしばらくは大丈夫そう・・あぁ・・我慢できない・・」
リオってこんなエロい声だったけか?
見た目は可愛らしいけど、やっぱり女なんだな。
・・って、ちげーよ!!!
「なにしてんだーー!?」
「何って・・えっちぃことですよ? ロイさんも言ったじゃないですか。少しならいいって。私もう我慢できないんです・・」
「待て待て待て待て!!苦手って言ってたじゃねぇか!!どんだけ積極的なんだよ!!」
「苦手ですよぉ? けど、もう我慢できないんです・・それにロイさんだってこんなに・・」
「ひぃやぁあ!!」
やばいやばいやばいやばい!!
理由は知らんが昼間のリオじゃねぇ!!
完全にエロ魔人ちゃんだ!!
何が苦手だよ!!
舌舐めずりしながらそんなエロい顔してる奴が苦手とかモンスターでも信じねぇよ!!
「ちょっ!!リオ!!ストップ!!」
「無理ですよぉ・・もう・・止めれません・・ロイさんも・・楽しみましょ?」
「ちょっ、あっ・・やめっ・・」
何だこれ・・頭がボーッとしてきて・・。
やべぇ・・意識が持ってかれる・・。
「ンフッ・・諦めてください・・それじゃ、いただきます」
「ロイ。夜這いに来・・はっ!」
「フィ・・フィナ・・? 」
助かった・・。
もう、逆らう力も無いし限界だった。
何かアホなこと言いかけてたような気がしたけど、とりあえず助かる。
「あらぁ? フィナさん。どうしたんですかぁ? いま取り込み中ですよぉ。フフフッ」
この子・・ホントにリオか・・?
喋り方も違うし目の色も・・雰囲気も全く別人・・いや、そんなことより、フィナにそんな挑発するようなこと言ったら・・。
「リオ・・あなた・・」
「フフフッ」
やべぇ・・フィナが怒る。
狂戦士化してるオレを瞬殺できる程の実力があるからリオじゃ勝てねぇだろ。
お世辞にも戦闘向きとは言い難いし。
惨劇になっちま・・
「ずるい。私もする」
「あらぁ? フフフッ。いいですよぉ」
あーダメだ。
こういう子なの忘れてた。
少しでも冷静な対応を期待したオレがバカだった。
「ンフッ。じゃあ3人で楽しみましょうか」
「ハァ・・ロイ・・」
「おー。こりゃまたすごいねー」
「想像以上にエロいわね」
出たよこいつら。
何でいっつもいるんだよ。
寝てただろが。
いや、まぁいいよ。今は誰でもいい。
「ちょっ・・と・・ロゼさん・・ミアさん・・助けてくださいよ・・」
「んーごめんね。ロイくん。それは無理にゃ」
「リオは多分、精気不足が限界なのよ。あまりにも精気が不足すると命の危険もあるからね。目の色が変わってるでしょ? 精気を吸収する本能が高まってる証拠ね。そうなった淫魔の誘惑は逃げることも助けることもほぼ不可能ね。あなたも気持ちよすぎて逃げれないでしょ? そういう能力に変化するのよ。諦めなさい」
「そん・・なっ・・」
とりあえず貴重な情報ありがとう。
けど、もう少し心配そうにできないかな。
いい大人がワクワクした顔してんの腹立つわ。
「せめて・・フィナだけでも、何とかしてくだ・・さいよ・・」
「だから無理にゃ。リオちゃんと同じようなものだからね。まぁフィナちゃんの場合は完全に本人の意思だけどねー。にゃはっ!大好きなロイくんが他の子にヤラれてるなんて見過ごせるはずないだろうし、諦めて受け入れなよ。美少女2人にしてもらえるなんてお金払うレベルだよー? 」
諦めろってか? そんな話あるかよ。
助けられないならせめて心配そうにしろっての。
いつもより目キラキラさせやがって。
「ロイさぁん・・」
「ロイ・・」
「ロイ。男になるのよ」
「ロイくん。がんばっ!」
あー、辞めよう。この会社。
働いてる方がダメになるとこだわ。
辞表どこにしまったっけかな。
あ、社長に見つかって捨てられたんだ。