表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

分かり合えるように

作者: ワールウール
掲載日:2017/07/24

人と人は分かり合えない



 こんな言葉がある。人によって価値観が違う。だから、違う価値観を持っている人のことは分からない。そんな言葉だ。

 だが、私はそんなことはないと思う。天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず。産まれてからのものは確かに違う。だが、この言葉のとおり、人は平等だ。産まれる瞬間までは、全員おなじだ。

 人がどれだけ違くても、元が同じなら、必ず分かり合える。そうわたしは信じて疑わなかった。


 じゃあ、どうすれば分かり合えるのか。そこが問題だ。必ず分かり合えることは分かっている。じゃあ、どうすればいい?この疑問に、私は答えられなかった。だから、考え抜いて、見つけた。

 それは単純なことだ。相手のことを知ればいい。相手が今までどんな経験をしてきたのか、それを知ることができたら、分かり合うことができるのではないか。

 その答えを導き出したら、あとはその方法を試すだけだ。


 まず私は、今までと違うように生きてみた。そのことをしている人と分かり合えるようにするために。

 だが、うまくいかなかった。優等生になったり、不良になったり、空気みたいになったりとしたが、そんな人と分かり合えることができなかった。

 なぜ分かり合えないのか。周りの人は皆、逆に私から遠ざかっていく。なんでも、それっぽくしているだけで全くそうではない。気持ち悪いそうだ。

 なるほど。私にも経験がある。それに無意識のうちに引き寄せれてしまっていたのか。

 じゃあ、これではだめそうだな。


 次に私は、すべての経験をしようとした。今までのように外面だけでなく、きちんと中身も伴おうとした。

 だが、これもうまくいかなかった。これだと、男女間で理解ができなくなる。男だけの経験、女だけの経験がそれぞれあるからだ。私は性別を変えることができない。

 今度は、家族が離れていった。そうなるようにしたのもあるが、家族曰く、あなたのことが分からないそうだ。

 なんてことをいうのだ。私は分かり合えるようにしているだけだとういのに。

 だが、課題も見えてきた。それは、相手に自分を分からせることだ。冷静に考えてみると、相手も自分のことが分からないならば分かり合えているとは言えないということを見落としていた。なんてことだ。


 次に私は、とにかく話してみようとした。が、それはすぐにやめた。

 まだ分かり合えていないのだから、そこまで話に付き合ってくれる人はいないのだ。

 このことから、時間をかけて分かり合えるようにするのはダメだとわかった。これで一歩前進だ。

 だが、時間をかけずに伝えるのは難しそうだ。まあ、そんなことであきらめたりはしない。

 人々が分かり合えないはずがないのだから。


 次に私は、片方の人の経験をもう片方の人にインプットする機械を作り出した。だが、これは失敗だった。

 人の脳が耐えられなくなる可能性があるし、そもそもいちいち機械のところまで行かなければならない。

 さすがにこの機械を持ち運びできるサイズにすることはできない。もししたら、ほとんどの人がその記憶量に耐えられないだろう。


 それならばと私は、脳をあれこれすることによってその場で互いの経験してきたことがわかるようにして、記憶量のことの解決も図った。

 機械を作った時の技術ではダメだ。機械はずっと動けるわけではないし、もしものときに対応できない。

 さすがの私も苦労した。薬自体は思ったより簡単にできたのだが、副作用を無くすのが難しかった。

 思い切って副作用を記憶容量の増大にしてみたらあっさりできた。

 え?実験体はどうしたかって?それなら、分かり合えた人が志願してくれたんだ。実験が成功したときには私以上に喜んでくれたよ。


 さて、それではあとはこの薬を全世界にばらまくだけだ。その準備ももう済んだ。あとはこのカウントダウンを待つだけだ。さあ、すべての人が分かり合えるようになる素晴らしい世界にしよう。




























……あれ?それじゃあ元の世界では人は分かり合えな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ